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インターネットアーカイブに思いを馳せた1日

歴史を学ぶということは、追体験すること、勝手口の視点で見ることが大切だということを大濱徹也先生から学んだ。

当時、1兵士の手記や地域史に触れながら、追体験をしようと試みた。
2000年、2年の大学延長戦も終わり、社会に出なければならない時、このような学びは意義深いものなのにどう業界や職業につなげてよいか悩んだ。

うんうん考えて、「インターネットは文化だ」とこじつけ、インターネットに関わることで起業した。インターネットが文化だと思ったのは、個人ひとりひとりのログが残ることだ。

日本の歴史教科書は中央の歴史であり、とくに日本は墨塗り教科書のように、時代の都合で「なかったこと」にしようとする動きすらある。これでは追体験が出来ない。また、一次資料は火災や水害などで失われがちで、フィールドワークで録音したテープも埋もれがちだ。

2009年、中川淳一郎さんが『ウェブはバカと暇人のもの』といったが、今の人類が本能のままインターネットを使うと、どうしようもない情報であふれたわけだが、それでも、ログが残るということには価値がある。

インターネットのログは人類が手にした新しい資産で、特に日本のように史料について課題がある国ではなおさら意味が出てくると思った。

2011年、3月11日から10年。
今日、掘り起こされてくる、10年前の個人のログはとてもリアルだ。

感情を一定方向に持っていこうとする音楽とわかりやすくテロップ付きで編集されたものではなく、個人生活、勝手口の視点から想像し追体験するにはとてもパワーがいる。

けれど、今までやりたくても簡単に出来なかった追体験できる素材へのアクセスがずいぶんしやすくなった世界はこの時代に生きる僕たちが得た特権だ。

そんなことを思い出させてくれた1日でした。

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