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野村訓市 TRAVELLING WITHOUT MOVINGとあの頃

いままでラジオを定期的に聞くという習慣がなかっただが、ここ4,5年ほど毎週欠かさず楽しみにするラジオ番組がある。

野村訓市さんがナビゲートする「TRAVELLING WITHOUT MOVING」。聴き始めたきっかけは思い出せないけれど、おそらく出かけた帰り道の車の中で何気なく聞いたのだと思う。それ以来、この番組自体でもだいぶ思い出が出来てしまった。

あまり誰かとこの思いをシェアしたいというより、少し大切なものとしてそっとしておくような思い出だ。

野村訓市さんは年は少し上だけど、比較的近いこともあって、自分にとってこの番組は「あの頃」に持っていかれる場面もあり危ないところもある番組だ。

自分は耳が古くなんてならないよと信じていた10代後半。40代の耳は油断するとすぐに懐かしい音を欲しがる。

この番組では、同じ曲は2度かけないというポリシーがあり、あの頃を絶妙な避け方で、新しい音からこんなカバーがあったのかと言う発見までバランス良く聴ける。


ただ、2022年12月5日の放送はまずかった。Ben Folds Five のChampagne Supernovaカバーが前半にかかる。えぇ?Ben Folds FiveもOASISも完全にリアルタイムで大好きだったのにこんなカバー知らなかったよ。97年かぁ。なんで見落としたのかなぁ。今日は危険な回の予感がする。

聴き進めていくと、今日のテーマはビデオ日記だという。ビデオ日記?ふーんと、何の気なしに聞いていたらブラインドメロンのシャノンフーンのドキュメンタリー『All I Can Say 』を観ての話のようだ。

https://www.youtube.com/watch?v=1JbUtNWMAyM


うわぁ、ブラインドメロンかー。久しぶり!大好きだった。懐かしい話から知らないエピソードまで飛び交う。

そして、最後の曲は「change」。あぁ、この曲かかってなかったのね。シャノンフーンの声は変わらず切ない。今日はあの頃に抵抗するのは諦めよう。ここまできたら仕方がない。


カート・コバーンが死んだ94年。冬にはUnpluggedがリリースされて毎晩何度も聞いた。95年にはシャノンフーンが死んだ。

19歳の少年はなぜ好きなアーティストはこうもドラッグで早死にしていくんだろうと「チョコレートからヘロインまで」を読みながら、ボビー・ギレスピーはいつまで生きてくれるだろうかと思った。


ラジオを聴き終わり、YouTubeでもなるべく避けている、あの頃検索をするとすぐに当時はなかなか観られなかったLIVE映像までたくさん出てくる。当時はあんなに苦労して音源や映像探したのがいとも簡単だ。けども見るのは意外と簡単ではない。


2022年の年末に思いを馳せた94年、95年は自分が思ったよりもしっかり消化出来てきていた。いや、30年近く前で消化などというのはなんのことだ、と自分でも思うのだけれども仕方がない。一方で、この番組を通してここまで来た5年余りは、まだまだ時間がかかりそうだ。

人生の変わり目のいま。あの頃に思いを馳せ、ここ5年余りをwith out movinで考えたこの時間。ビデオ日記にはしなかったが、少し言葉にはしておこう。ついでにブラインドメロンのツアーTシャツまで注文しちゃったよ。

こんな日もあっていいですよね。
おやすみなさい。


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