見出し画像

三大稲荷考

我が吉福社中は神楽団です。しかし神楽と言っても従来のそれとは異なり、素直に神話を描きません。あらゆる寺社の特徴に合わせ、ならではの演目を奉納します。鷲神社では鷲舞を。茂林寺では狸舞を。ゆえに創作神楽団と称します。

そんな我々が最も得意とするのは、言わずと知れた狐舞。あらゆる祭りや催しにお呼ばれするものの、大抵の依頼はこの狐舞になります。その理由は、我々が狐舞を得意とするというだけでなく、そもそも狐を神使と崇める「稲荷」の数が途方もなく多い事に他なりません。私も狐舞を始めて10年を越えますが、まだまだ未踏の稲荷は数知れず。一説に、全国の稲荷の数は三万社とも四万社とも言います。毎週末に一社ずつ奉納していくと、八百年かかる事になります。日本中の稲荷を制覇することなど不可能なのです。

ならばせめて、代表的なお稲荷様から攻めていこうという事になるわけでして、即ち表題である三大稲荷というものを考える機会が生じるのでありました。

ここから先は

1,639字 / 7画像
創作神楽団「吉福社中」の公式ファンマガジンです。他SNSには書けない(!?)先行情報やウラ話が読めます。売上は活動資金として大切に活用させていただきます。

吉原の狐舞をはじめとする、新しくて面白い民俗芸能を創出する神楽団「吉福社中」の有料ファンマガジンです。 演目やメンバーのウラ話、出演イベン…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?