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ポルトガルのプリメイラ・リーガで応援したいクラブを探している

今季はポルトガルのプリメイラ・リーガを追いかけてみようと思っています。

これまではラ・リーガとプレミアリーグの試合をメインで楽しんできましたが、2023年からは新たな試みとしてポルトガルに目を向けてみようと思い至りました。

<2023年1月25日(水)追記>
当記事の内容をもとにしたPodcastを公開しました。こちらも是非お聴きください。


なぜポルトガルなのか

ラ・リーガ、プレミアときて、なぜ次に5大リーグでもないポルトガルをみようと思ったのか、という話をします。

実を言うと、私は常日頃ぼんやりと「ポルトガルリーグに詳しかったら、もっと欧州サッカーを楽しめそうだなぁ」と思っていたところでした。それでも日本ではあまり話題になってないし、地味だし、得られる情報も多くはありません。興味はありつつもこうした事情から、特になにか積極的な行動を起こすことはありませんでした。

しかし2022年末にW杯が終わり、フットボールシーンにおいても私にとっても大きな節目を迎えました。この節目をきっかけとして、ついに行動に移そうとしている、といったところです。

なぜポルトガルリーグに詳しくなれば、欧州サッカーがより楽しめそうだと思ったのかというと、そこには下記のような理由があります。

プレミアリーグへの人材供給力

プレミアリーグには、多くのポルトガル人選手、あるいはポルトガルリーグのチームに所属した選手が所属しています。主要なポルトガル人だけでも下記のような豪華な顔ぶれで、メガクラブにも多くの選手が所属しています。

※ この記事に記載の選手の所属は2023年1月14日現在のものです。

イングランド BIG6 に所属するポルトガル人選手
DF
: ルベン・ディアス(マンチェスターC), ジョアン・カンセロ(マンチェスターC), ディオゴ・ダロト(マンチェスターU), セドリック・ソアレス(アーセナル)
MF: ベルナルド・シルヴァ(マンチェスターC), ブルーノ・フェルナンデス(マンチェスターU), ファビオ・カルバーリョ(リヴァプール), ファビオ・ビエイラ(アーセナル)
FW: ディオゴ・ジョタ(リヴァプール)

また BIG6 以外でいえば、ウォルバーハンプトンに数多くのポルトガル人選手が所属しています。ウルブスがポルトガルに対し太いパイプを持っている背景には、スーパーエージェントとして知られるポルトガル人のジョルジュ・メンデスが経営に関わっている事実があります。

ウォルバーハンプトンに所属するポルトガル人選手
GK
: ジョゼ・サー
DF: ネルソン・セメド, トティ
MF: ルベン・ネヴェス, ダニエル・ポデンセ, ジョアン・モウティーニョ, マテウス・ヌネス
FW: ペドロ・ネト, シキーニョ, ゴンサロ・ゲデス

またポルトガル人以外にも、ポルトガルリーグには優秀な南米人プレーヤーが数多く所属しており、頭角を表した選手たちは次々とプレミアリーグに引き抜かれています。

ポルトガルリーグからイングランドへ渡った主な南米人選手
ルイス・ディアス(FCポルト→リヴァプール)
アレックス・テレス(FCポルト→マンチェスターU)
ダルウィン・ヌニェス(SLベンフィカ→リヴァプール)
カルロス・ヴィニシウス(SLベンフィカ→トッテナム) ※現在はフラム所属

このようにポルトガルリーグは、現在世界最高のリーグであるプレミアリーグに優秀な人材を供給する源となっています。また上記以外にも、プレミアリーグ以外のビッグクラブへステップアップする事例も数多くあることから、ポルトガルリーグをみていれば「将来欧州のビッグクラブでプレーするかもしれない選手を、いちはやく見つけることができる」と言うことができます。

ポルトガルサッカー界の構造

ポルトガルサッカーのことを知ろう!ということで、クラブについて調べる前にまずはリーグの基本情報について知っておこうと思います。

統括組織

ポルトガルサッカーを統括する組織は、ポルトガル首都リスボンに本部を置くFPF(Federação Portuguesa de Futebol: ポルトガルサッカー連盟)です。代表チームやユース、女子サッカー、フットサルなどはこの連盟が統括しています。

またポルトガルリーグと呼ばれる1部リーグのプリメイラ・リーガ、2部リーグのセグンダ・リーガを運営するのが、LP(Liga Portugal: ポルトガルプロサッカーリーグ)です。こちらはポルトに本部をおいています。

FPFが主催する主要大会
タッサ・デ・ポルトガル(ポルトガルカップ)
スーペルタッサ・カンディド・デ・オリベイラ(ポルトガルスーパーカップ)
カンペオナート・デ・ポルトガル(3部リーグ)

LPが主催する主要大会
プリメイラ・リーガ(1部リーグ)
セグンダ・リーガ(2部リーグ)
タッサ・ダ・リーガ(Taça da Liga: リーグカップ)

外国人枠

特徴的なのは、外国人枠の扱い方です。ポルトガルリーグでの外国人枠は、EU加盟国の選手およびポルトガルに在住するブラジル人には適用されません。これは、ポルトガル在住のブラジル人労働者にはポルトガル人と同じ権利が与えられる、という国のルールに基づいたものだそうです。

外国人枠がブラジル人に適用されないのが他の国のリーグとは大きく異なる特徴であり、ポルトガルリーグの最大のストロングポイントです。この制度により、多くのブラジル人選手が若いうちにポルトガルに上陸し、各クラブも積極的に安価な若いブラジル人を獲得しています。

どのクラブを応援するのか

プリメイラ・リーガは完全に初心者なので、まずは有名どころの試合をみていくほかないと踏んでおります。

ポルトガルのプロサッカー界には、トレス・グランデス(Os Três Grandes)という有名な3大強豪クラブがあります。いわゆる3強です。

  • FCポルト

  • SLベンフィカ

  • スポルティングCP

1934年のプリメイラ・リーガ設立以来80年以上、この3強が圧倒的な支配を繰り広げており、この3強以外が優勝したのはわずかに2度のみだそうです。はじめはとりあえず、この3強を中心に見ていこうと思います。

FCポルト - Futebol Clube do Porto

本拠地はポルトガル北部にある港湾都市、ポルト。首都リスボンに次ぐポルトガル第二の都市です。エンブレムにもドラゴンがあしらわれていますが、愛称はドラゴン、ホームスタジアムもエスタディオ・ド・ドラゴン。プリメイラ・リーガの昨年王者で、優勝回数は30回。青と白のユニフォームでお馴染みです。

FCポルトといえば、やはり2003-04シーズンにモウリーニョが率いてCLを制覇したチームというイメージが強いですね。他にも、日本人としてはJリーグでもプレーしたフッキが所属したクラブであるということで馴染み深いかもしれません。

監督: セルジオ・コンセイソン(ポルトガル)

主な所属選手: ディオゴ・コスタ, タレミ, ペペ, オタービオ, ジョアン・マリオ

FCポルトからステップアップした主な現役選手: エデル・ミリトン(現Rマドリー), ニコラス・オタメンディ(現ベンフィカ), ダニーロ(現ユベントス), アレックス・サンドロ(現ユヴェントス), ハメス・ロドリゲス(現オリンピアコス), ラダメル・ファルカオ(現ラージョ)

SLベンフィカ - Sport Lisboa e Benfica

本拠地は首都リスボン。ホームスタジアムは「光のスタジアム」という意味を持つエスタディオ・ダ・ルス。愛称は Águias (アギアス: ポルトガル語で鷲)カテドラル(大聖堂)という愛称を持っています。プリメイラ・リーガ優勝回数は、国内最多の37回。

ソシオ制でクラブを運営しており、現会長は元ポルトガル代表のFWルイ・コスタ。多くのソシオを有することで知られており、その数は20万人を超えると言います。ポルトガルの人口の6割がベンフィキスタであるとも言われているほどの人気ぶりで、2006年には「世界最多のサポーターを持つクラブ」としてギネス認定されました。

監督: ロジャー・シュミット(ドイツ)

主な所属選手: エンソ・フェルナンデス, ゴンサロ・ラモス, ラファ・シルバ

SLベンフィカからステップアップした主な現役選手: ジョアン・カンセロ(現マンチェスターC), ルベン・ディアス(現マンチェスターC), アンヘル・ディ・マリア(現ユヴェントス), ネマニャ・マティッチ(現ASローマ), ヤン・オブラク(現Aマドリード), ジョアン・フェリックス(現チェルシー)

スポルティングCP - Sporting Clube de Portugal

本拠地はベンフィカと同じく、首都リスボンです。ホームスタジアムはエスタディオ・ジョゼ・アルヴァラーデ。自国開催となったEURO2004に向けて建設されました。

プリメイラ・リーガ優勝回数は19回。他の2クラブに比べるとやや少ないですね。それもそのはず、直近の優勝は2020-21シーズンですが、それが19年ぶりのリーグ制覇だったそうです。3強とは言いつつも、長らく2強が支配していたという感じでしょうか。

スポルティングといえば、やはりクリスティアーノ・ロナウドを輩出したクラブとしてのイメージが強いです。他の2クラブと比較すると、国産のタレントを育成するのに長けたクラブのようです。これまでもユースからCR7の他にもフィーゴ、リカルド・クアレスマ、ナニらを輩出してきました。

監督: ルベン・アモリム(ポルトガル)

主な所属選手: ペドロ・ゴンサウベス, マヌエル・ウガルテ, 守田英正

スポルティングCPからステップアップした主な現役選手: クリスティアーノ・ロナウド(現アル・ナスル), ジョアン・モウチーニョ(現ウォルバーハンプトン), エリック・ダイアー(現トッテナム), ジョアン・マリオ(現ベンフィカ), セドリック・ソアレス(現アーセナル)

EURO2024やW杯2026に向けて

近年、優秀な人材を輩出し続けているポルトガル。代表チームの今後にも期待が高まっているところですが、その基礎は間違いなく国内リーグにあります。今年からポルトガルリーグ、そしてポルトガル代表の試合を追っていくことで、欧州サッカーをより重層的に楽しめるようになっていきたいと思います。

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