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獄中記㉔ 起訴後1か月目 留置生活1年1か月目 麻布署の実態?

麻布署で無実の罪で逮捕されて22日後、起訴された。
日本の刑事司法システム上の問題として、諦めはついていた。
検事はすぐに移送になると言っていた。
拘置所へ行く日を楽しみに待ちながら過ごした獄中生活1年1か月目の話。

金城さんと担当さんがズブズブ!?

起訴後は一日中部屋で本を読み、将来をどうするか。 
SNSをどういう形ではじめるか。ブログは何がいいのか。 
情報収集に明け暮れていた。
私にとって誤算だったのは、昼間、金城さんがずっと担当さんや長淵君に話しかけることだった。ちょっとうるさい・・・。

ただ何よりも驚いたのは、金城さんと担当さん(警察官)ズブズブだったことだ。
新しい人が入ってくると、「金城さんは○○番さん、何やったか見て。」という。
担当さんの机には全員の事件名や年齢の書いたファイルがある。
担当さんはジェスチャーでパンチをしたり、片方の鼻の穴をふさいだりする(コカイン)。

また通常、外へ用事のある時は弁当は買えないが、なぜか金城さんは買っていた。
一番マズイのは接見禁止がついているのに、同じ部屋の長淵君や外国人(日本語が書けない)に手紙を書いて出してもらっていたこと。
これも担当は分かっているのに出させるばかりか、別の部屋へ移動になった長淵君に伝承までしていた。
金城さんは刑事に留置所内の情報を刑事に流しているという噂があった。 ちょっと被害妄想チックだなとは思っていたが、ここまで便宜を図るのは何かしら理由があったのだと思う。

部屋換えを画策

私も長淵君も金城さんに対して少しずつ嫌気がさしてきた。
新聞を読んで私が長淵君に政治について説明すると、必ず間を割って何かしらを言ってくる。
しかも意見がモロに朝日新聞などの左翼寄りだ。
この手の人は自分が偏っていることに気付いていないので、タチが悪い。「沖縄の人からしたら、アメリカ人より日本人の方が何されるか分からない怖さがあるのよ~」
「アベが全部ポケットに入れちゃうんだから、消費税なんて廃止すればいいのよ。みんなお金なくて困っているんだから。」etc…。
何か間違いを指摘しても、全てにおいて「年上」の自分が正しいと考えているタイプで、聞き入れることはない。
最後はお決まりのウソで巻かれる。
長淵君とは事件について部屋で話したことも刑事に漏らされているかもしれない、という疑念が上がってきた。
私たちは部屋換えを何回か頼んだが、担当は金城さんとズブズブで動いてくれない。

そこで私は金城さんがたまに誘ってきて断っていたトランプ遊びに乗ることにした。
便箋を切ってトランプを作るのだ。
担当さんの巡回の際にちょっと見えるようにしておけば、離されるだろう・・・。
この作戦は成功した。私は1室、長淵君は2室、金城さんは5室にステイとなった。

部屋割りって大事ですね・・・。

1室にはリョウ君(23歳)・ユン君(24歳)がいた。
2人とも私とは1人の知人を挟めばつながるくらい近い人で、共通の知人の話で盛り上がった。
3人で夜は筋トレをし、昼は雑誌や本をまわして読んだ。
3人とも差入れは多かったので読むものは尽きなかったし、話も面白かった。

Twitterやブログについてもアドバイスしてくれたし、出てからの仕事の話なんかも面白かった。
少ししてパキスタン人のアクバルさん(30代)が暴行で入ってきた。
相手にビール瓶で殴られて頭を切り、ホチキスのようなもので留めていた。その上からネットを被っているので、スーパーに売っている果物みたいだった。
アクバルは日本語が少ししゃべれる。
奥さんも日本人で、彼女が2人いる(笑)。
アクバルはニヤニヤしながら私に
「 I know two japanese proverbs.」 私は2つの日本語のことわざを知っている。と言った。
私が首をかしげて先を促すと、「アゲマン、サゲマン。」
と恥ずかしげもなく口にした。
さすがに吹き出してみんな笑っていた。
「それ、ことわざじゃないよ。アクバル。」
「It's not a proveb but a  slang. 」 ことわざじゃなくてスラングだよ。
その夜はリョウ君が日本語の下ネタをひたすら仕込んでいた。

「部屋割りって大事ですねえ・・・(笑)。」私がそう言うとユン君が 
「最初からこっちが良かったね。
俺もここだから20日間耐えられてるよ。」ユン君は知人が起こした暴力事件の現場にいただけで捕まっていた。
留置にいて人との関わりに楽しさを感じたのはこのメンツと大物ヤクザと、最後コロナの病棟で一緒になった人くらいだった。

ユン君は出る前に「ヨシ君、なんか見たいエロ本とかある?」と聞いてくれたが、頼むのも申し訳ないので、「いや~、そんな気を使わないでください。」と流した。
「じゃあ、お任せってことな?」と笑っていた。
「差入れが来たら何でも嬉しいですよ。」と返していた。
1週間後にユン君から来たエロ本は「ブロンド美女のア〇ルセッ〇〇」というかなりマニアックな本だった・・・。
なるほど最初からこういうつもりで笑っていたのか。
ユン君も面白い人だった(笑)。

痛くない歯医者に連れて行ってもらえた

その頃私は虫歯に悩まされていた。
入った当時は2,3本だったのが、20本近く増えていて、どうしようもなくなっていた。
兵庫では一度連れて行ってもらったが、同行した所轄の署員がテキトー過ぎてきちんと治療してもらえていない。
麻布署でも1か月間何度も言って、初めて行かせてくれた。
行ったのは「六本木歯科」。ここの虫歯治療で驚いたのは、全く痛みがなかったこと。麻酔注射すら痛くなかった。
病院が大嫌いな私もこの歯医者なら通えると思った。
2回目は行かせてもらえなかった。
官としては1回連れて行ったという事実が保身上必要なだけなのだ。

はてなブログ?ワードプレス?

ブログをはてなブログにするか、ワードプレスにするか。
これはブロガーがほぼ全員悩むことだと思う。
意見も三者三様で私もなかなか決められないでいた。
結局ワードプレスにしたが、次はドメインだの写真だの色々作らなくてはいけない。
ココナラで画像を作ってもらったり、ドメイン取得したり、久々に「何か」をやっているという気持ちになった。
とにかく記事をかいていかなければならない。
私は毎日1つずつノートに記事を書き始めた。
Twitterは知り合いをフォローするかしないか、どういうツイートが良いのか、ブログと同じくらい迷っていた。
私はあまりSNSをやらないタイプだったので、どういうのがウケルのか、はっきり言って疎い。
とりあえず見切り発車的に始めて、後から路線は変更しよう。
毎日3つずつツイートを手紙に書き始めた。
インターネットに疎いので、とにかく最初は難しかった。

つづく

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