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誰も教えてくれない建設現場の事故対策「あの日を忘れないために!」

前回は「危険を危険と感じる思考を育てる」でした。
https://note.com/yoshidayuji/n/na39b93b80230

今回は、「あの日を忘れないために!」です。

事故が起きてしまって、もう二度と事故を起こさないと誓ったつもりでも、
しばらくすると、事故が起きたあの日を忘れてしまうことはないでしょうか。

「実は、こんな時が危ないんです!」

「どうしてでしょう?」

なぜなら、もう大丈夫だろうという油断が生まれているからです。
こんなとき、朝礼、ラジオ体操、危険予知、そして作業打合せなど
『何のためにやるのか』という目的を忘れてしまいます。
すると、『見えない危険』に気が付くことができなくなります。
事故が再び起きてしまうかもしれません。

私が副所長のとき、職人さんが高所作業車で後ろを見ずにバックして頭蓋骨陥没という怖い事
故を経験しました。
幸い後遺症もなく元気に復帰しましたが、一歩間違えば命が危ない事故でした。

事故のあと再発防止のために、高所作業車の使用ルールを明確にして指導するのですが、
しばらくすると、もう大丈夫だろうと油断が生まれ、何も言わなくなっていきました。

そんなとき、当時の所長から
「吉田くん、これではまずいだろう!
また事故が起きるぞ」という指摘を受けました。

そのとき「これはまずい!」と我に返ることができ、
週に一日、高所作業車の事故防止の日を作り、
あの日を思い出そうというアイデアが浮かんできました。

そして、どうせやるなら7日間、
それぞれの日に伝えたいことを伝えてはどうかと考えたのはが「7days challenge」です。

例えば、

月曜日 熱中症防止の日
(あの暑い日、鉄筋屋さんが倒れて救急車で運んだな!)

火曜日 墜落事故防止の日
(ペンキ屋さんがロリーリング足場から落ちて血まみれになってしまったな!)

水曜日 交通事故防止の日
(雨の日、職人さんがスピードを出し過ぎてブロック塀に激突、何にも悪くない奥さんが涙を流して私に謝って来た。悲しい想いを家族にさせてはいけないな!)

木曜日 指差呼称の日
(高所作業車で後方確認せずにコンクリートの壁にぶつかり頭蓋骨陥没したな!)

金曜日 環境の日、近隣への配慮の日
(普段お世話になっている近隣さんへ恩返しのつもりで街を綺麗にしよう!)

土曜日 気持ち引き締めの日、整理整頓の日
(疲れと油断で危険が見えなくなる。自分の危険を今一度見直そう!)

日曜日 家庭の日
(普段心配を掛けている家族と楽しく過ごそう!)

どうでしょうか。
これなら、あの事故の日を思い出すことができます。

事故防止で大切なことは、細かい注意ばかりではありません。
職人さん達の心の中に、事故を起こすと
自分も痛い目に遭うし、家族にも悲しい想いをさせてしまうという感情(感覚)です。

もし、7days challengeのほかに安全指示を伝えたいときがあれば、
プラスして伝えてあげましょう。

事故を起こしたときの感情(感覚)があるから、安全指示を守ろうとします。
だから、事故の悲惨さを伝えた上で、安全指示を伝えると職人さんに刺さります。
事故の経験のない方は、他の現場の災害事例を使ってください。

さたに7days challengeの良いところは、共通言語ができ現場に一体感ができます。
現場で職人さんが実践していたら、「お、やっているね!」と声掛けしてあげましょう。
職人さんも認めてもらい嬉しくなります。

安全に作業しようという前向きな雰囲気が現場に生まれます。

では、今回の質問です。

~事故のあの日を覚えていますか?
どんな体験をしましたか?~

是非、チャレンジしてみてください!!

次回に続きます。お楽しみに!(^o^)!

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