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画家・香取慎吾について思うこと

このやりとりは、僕が香取慎吾さんのルーブル美術館での初個展について、ツイッターでつぶやいたことから始まりました。

このツイートが、僕の予想より反響を呼んだため、流石にマズいと思い補足しました。

しかし、このツイートに疑問を持ったファンの方から一通のDMが。
(メッセージをくれた方に許可をいただいて、やりとりを公開しています)

この質問に対し、真摯に受け止め、なるべく丁寧に、正直に答えなくてはいけない。と思い、拙い文章ではありますが、僕なりの見解を述べさせていただきました。


『メッセージありがとうございます!!!

今回の香取さんルーブル美術館での個展の件ですが、日本のアート界の批判に対する僕なりの見解を述べさせていただきます。

まず、第一に香取さんは芸能界では一線をはられていた方ですが、アートの現場ではまだ新人だということ。
アートの界隈はとても狭く、自由なイメージのある芸術ですが、とても厳格な面もあります。なかなか新しい逸材を受け入れません。どこの世界でも学歴や経歴を重要視するのと同じです。

「日本には第一線で活躍しているアーティスト(芸術家)がいるのに、何で日本代表でルーブルで展示するのが、まだ美術界では経験の浅い香取慎吾なんだ!」という意見が少なくないのではないでしょうか?
下積みを長くしたアーティストからも、嫉妬されても仕方ないのかな、と思います。

アートはスポーツと違い、数字にならない部分が多く、能力やその魅力が必ずしも目に見えるものではありません。偏見も少なくないでしょう。

僕も、大学時代は多くの先生に評価されませんでした。それはその方達が守ってきた「伝統」や「決まり事」から反していたからです。
一部の古い人間は、新しいことをする人達を拒みます。特に日本ではアートは自由ではありません。だから若手アーティストが育たないのです。

そんな中、僕を受け入れ評価してくれる先生方もいました。しかし、そういった先生は残念ながら少ないです。

美大を出た作家達は、少なからず技術や知識が身につき「作る技術」や「観せる技術」が身につきます。それは観せる為に、見繕ったり締め切りを守ったり、社会に、美術界に馴染む為のテクニックでもあります。

そんな中、香取さんの作品を観て、直接話しを聞きました。
彼は、地位と名誉がありながら、批判も受ける覚悟で「技術」よりも「表現」を大事にしている。僕はそう思いました。

彼は毎日、締め切りに追われながら寝不足になりながら作品を制作しているようです。それも描き飽きたら終わり、納得いったら終わり、描きたいものを描く、というスタイルでです。
「過去作でもいい」「簡単に描いてくれ」という依頼にも、それを拒み、全力で新作の制作に挑むという姿勢のようでした。

世界には「アウトサイダーアート」と呼ばれるジャンルがあります。その意味は「生の芸術」。美術教育を受けていない方々が作った作品達を呼びます。
そのメインは、知的障害などの障害を持った方々の作品です。
技術や知識を身につけず、衝動で作品制作をする。その作品達はとてもパワーに溢れています。
世界でも評価されている「アウトサイダーアート」も、「アウトサイダーアート」というカテゴリーで評価されていてるのです。

芸術は自由なのに、なせカテゴライズされてしまうのだろう?と思ってしまいます。

では香取さんは美術教育を受けていないから、アウトサイダーアートなのか?
もともと芸術とは、教育されていてもされていなくても関係ないですよね?

日本で有名な美術家の会田誠さんは、ツイッターで香取さんの個展についてこう述べていました↓

「Retweeted 会田誠 (@makotoaida):

香取慎吾さんのルーブル個展から、ニューヨークMoMAでのビョークの個展が散々批判された風聞を思い出しました。あれは内容ゆえなのか、芸能人がやったからなのかわかりませんが。ニューヨーク美術界のプライドが正当なのか、日本が歴史の先を行っ(ちゃっ)ているのかもわかりませんが。」

僕ら「NAKAMAdeART」の作家達はこう思っています。
香取さんレベルなら名前だけで個展でも人が入るし、著名な日本の芸術家とも展示が可能だ。しかし、僕らのような若手アーティストと展示することによって、日本の古い体制を変えてくれる希望なんじゃないかと。

アーティストの大半は、良い作品を使っているのに、プロモーションが出来なくて見出されない。本来は別々な作品制作とプロモーションを同時にやらなくてはいけないのが現状です。
プロモーションしてくれるはずの画廊や美大などの古い体制はほとんど機能していません。僕もですが、自主企画でギャラリーを借り個展をしています。(儲けはほぼ無し。場所代だけで1週間5〜20万円以上も)
本来は作るだけで良い芸術家が、別の技術まで求められる為、なかなか芸術だけでは日本でやっていけない人が大半なのです。飯を食うどころか、人に見てもらうだけで精一杯なんです。

NAKAMAdeARTでは、香取さんのおかげで色々な方に作品を観ていただいております。

良い作品を作っていてもこのままだったら、人に見てもらえるのか…ずっと不安でした。日本で美術を続けていけるのかと。
しかし、今後香取さんのような人がどんどん若手アーティストをプッシュすることにより、アートシーンが活性化するのではないかと思っています。
美術が本来の姿、意味を取り戻すのではないかと。

NAKAMAdeARTはすごく楽しいし、規制が緩い分、大変な部分もありますが、僕は全力で香取さんを応援し、肯定し、自分もアーティストとして頑張ろう!と思っています。NAKAMAdeARTをきっかけに色々な人の目が若手アーティストに向くのではないかと思っています。
日本のアートシーンは、明るくなるのではないかと。

これが僕なりの見解です。
なかなか文章でまとめるのは難しいので、まだ疑問点などあれば、NAKAMAdeARTに在廊している際にお越しください。実際に話しましょう!よろしくお願いいたします。』


と、お返事したところ。
翌日に返信が届きました。

『大変詳しく教えて頂きとても感謝しております。
本来ならば、NAKAMAdeARTに出向き直接お話しをお伺いしたかったんですが、何分地方者なので行きたくてもなかなか行けないのが現状です。
出来る事ならNAKAMAdeARTを全国でやって頂ければ有り難いのですがそれはいずれかはと心待ちにしている所です。
芸術作品の善し悪しは正直言って専門的な知識も無いからか、よく解りません。
きっと人各々の好みも有るのだろうと思うからです。
なので、Picassoもあ~っこういう風に感じて表現出来る人なんだ位にしか😅
そう言えば、昔は画廊とかもありチョコチョコ覗きに行けて色んな作品が素人にも楽しめる空間が有ったのに今はなかなかそういう機会が無くなりましたね。
香取慎吾氏が若者のアーティストNAKAMAとARTを楽しみファンの方々にそれを観たり感じたり楽しんだり出来る空間を作ったんだなとは思っていましたが、よく考えると実際自費で個展等開くのは簡単な事ではないし沢山の若手artist達が心行くまで自由に(私見です😅)芸術を楽しみ楽しませる空間を作るって思っていた以上に凄い事だったんですね‼️

ルーブルでの日本人初個展もどのような経路で決まったのかは解りませんが、例えmanagerが猛プッシュしたとしてもルーブル側が簡単に了承するわけがない位は理解出来ていたので、それだけの評価があるからこそ決まった事なんだろうなと思っていたのに、否定的な意見⁉️ってのが解りませんでした。
『どこの世界でも学歴や経歴を重要視するのと同じ』と言われ、納得。
学の無いド素人の言葉で言うと
ポッと出の新人が何も知らないのにファンが沢山いるのを良い事に偉そうにルーブルで初個展だと💢芸術はそんなに簡単な事ではないぞっ💢
という意見があるという事なのですね。
『伝統』『決まり事』なるほど。
芸術をされる方も頭の固い方々が多いのですね。
正直意外でした。

人の心を打つ✨引き込まれる様な作品を作る✨観て聴いた人を楽しませ喜ばせ感動させる✨そんなsimpleな感性を持って活動されるNAKAMAdeARTを彼はしたかったのかもしれないですね🎵
とても勉強になりました。
吉田孝弥様。
他のNAKAMAの方々と共に今後も沢山の【⁉️😆✨😢💕】(私なりの感動を表現😅)を伝えられる作品作りを、多くの方々に観てもらえる機会が増える事を楽しみにしております。

本当にありがとうございました‼️

ps.
日本人でありながら日本語表現下手くそな部分は笑ってお許し下さいませ😆💧』

という内容でした。

この方には納得いただけたようなので良かったのですが、未だにこの方と同じような疑問を持っているファンの方は少なくないはず。

美術界では駆け出しのヒヨッコでまだまだ未熟な僕ですが、今回NAKAMAdeARTで沢山の人に作品を観ていただけて本当に嬉しいです。

香取さんをはじめ、運営スタッフ、出展者、ご来場くださった皆様やお話出来た皆様にとても感謝しております。

6/24までまだ期間がありますので、「NAKAMAdeART」に是非遊びに来てください!!!

吉田孝弥


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彫刻家・吉田孝弥です。

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コメント1件

親が絵を描くのが上手だったから、イラストレーターの同僚が地道に活動しているのを見て、私もやりたいなと思いました。
絵を想像力を持って描くのが苦手で、いつも花だったり風景だったりのモデルがないと描けない。鉛筆画しか描けない。けど、イラストレーターが美術学校へ通ってもなおなつ自分の絵のスタイルになかなかたどり着けなくて苦心したという話を聞いた時、学校も行かずに描くのは無理なんだと言われたように感じてやる気を削ぎました。
香取慎吾さんが描くのを見て、その技法に実は全面的に納得しているわけではないけれど、最後まで諦めずに自分が納得するまで描くとすごいものが出来上がるんだと教えられました。
始めたのも40代後半で、親の介護で6年以上もブランクがあっても、まだわたし絵を描いてもいいんだなと思いました。
香取慎吾さんが固いアートの扉を開けてくれたように感じました。
もうすぐ60に手の届く私ですが、まだまだすごく下手ですが、もうちょっと好きな絵も続けていきます。ありがとうございます。
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