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【質疑応答】 触診の仕方 No.5

今回は触診についてのご質問いただきましたので返信させていただいた内容を発信させていただきます。

〜ご質問内容〜
ご質問の一部を抜粋して読ませていただきます。
触診のことで質問があります。専門学校や前の職場で詳しく教えてもらっていないので、自分自身触診に課題があります。
そもそもの触り方やどういうイメージで行っているかなど初歩的なところから詳しく教えていただきたいです。感覚的なこともあり難しいと思いますがお時間がある時で良いのでよろしくお願いします。

〜返信内容〜

今回のご質問内容についてポイントは2つあると思います。
1つ目が”触診するときに意識していること”、二つ目が”触診の仕方”かと思います。

本記事では2つ目の”触診の仕方”についてお話をさせていただきます。

※一つ目のご質問は触診で意識していることについて発信しています⬇️

触診の仕方は私自身も考える機会は多いです。もともと触診のセミナーにずっと通っていたので、どうして一部の先生の触診は心地よいのに、別の先生だと不快な感じするのかなあと思っていました。

そもそも一般的には第三者に触られること自体あまりいい気はしないと思います。
そういう意味で、基本的に触診は嫌なことであるのに、どうして触診をするのかというと、触診をすることで触診をしない時と比較して良い結果が伴う必要があると思っています。

私なり触診が心地よい場合と不快に感じる場合がある理由を考えてみると、いくつかポイントがあると感じたので書かせていただきたいと思います。

触診の仕方のポイント

①インフォームドコンセプト(説明と同意)

実施前にしっかりお伝えし同意を得てから触診することだと思っています。患者さんに対してどうして触診するのかをお伝えすることによって少しでも安心していただけると思います。特に初回の介入の時には注意しています。

②ポジショニング

患者さんは痛みのある方が多いですので、痛みが出ないポジションを意識していただいています。ポジショニングが悪いと防御性の収縮が入ってしまっう場合があります。
同時に治療者側も目的の部位を触診しやすいポジションを意識しています。治療者側のポジションが悪いと手に力が入り患者さんを不快にさせてしまう場合があります。
患者さん側も治療者側もお互いが緊張しないポジションをセッティングすることを、触診を始める前の準備段階として意識しています。

③視覚的に確認しています。

触診はランドマークと言われる場所がありありますので、むやみに触れず、目で確認できるん部位は目で確認するだけにしています。

④骨の触診からはじめます。

筋を触診するにあたっても一般的には骨に付着していますので骨の触診からはじめるようにしています。

⑤触り方

すぐに指先で触診しようとせず、まずは大きくつまむことを意識することで、できるだけ患者さんを緊張させないために重要であると思っています。
私自身も患者さん役でモデルをしていると、指先の先端で強い力で押されると、痛みや押されることへの恐怖心が出てしまい、ひどい場合には治療者の顔が見えただけで緊張してしまうこともあるので気をつけています。

⑥触るときの強さと深さです。

一番皮膚に近い表層の筋は少し強く触診しても触れますが、深層の筋は深い位置にあるため強い力で押したくなりますが、そうすると表層の筋が緊張してしまい深層の筋が触れなくなってしまうので深さに合わせた強さも意識しています。

触診に慣れてくると表層の筋同士の間の溝から指を入れて深層の筋を優しい力で確認することができるようになります。

⑦触診のスピード

評価時は可能な限りゆっくり触診します。
それに対して筋の治療の場合には加速度とも言われすが、速い動きで行います。速い動きは弱い力でもある程度の刺激が入ります。

⑧触診の方向

触診する組織に直行することを意識しています。例えば大腿直筋であれば、筋線維は真っ直ぐ平行に走行する紡錘状筋ではなく、真ん中に鍵があり、そこから両サイドに筋線維が斜めに走行(羽状筋)します。
よって大腿直筋の場合には平行に触診するのではなく、羽状筋であることを意識して斜めに触診します。

⑨筋の場合には自動運動にて収縮させて確認

特に深層の筋は収縮させて確認することが多い印象があります。ただ自動運動は患者さんにご協力をいただく方法ですので、自動運動が可能であるのか事前に確認する必要があります。

①ー③は触診する前段階、④ー⑨は触診時のポイントです。

動画でも発信しています⬇️

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