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本を出してから調子が悪かったこと

8月、例によって憂鬱で無気力だった。もう脱したけど。

ただ、もう25年くらい「たまにどうしようもなく憂鬱で無気力なときがある人」として生きているので慣れっこだし、体質みたいなものだから心配には及ばない。

じゃあなぜこんな文章を書くのかと言えば、覚書だ。

調子が悪かったのはただのバイオリズムだが、仕事でのいろいろな変化がそれに拍車をかけたと思うから、そのあたりのことを書き残しておきたい。

まず、書籍を出したことで一時的に新規の仕事が増えた。6月後半~7月くらい。まずそこで、忙しさにテンパった。

その頃、編集さんやライターさんに会うとよく、「今が勝負ですね」と言われた。

私はライター歴が浅いので、なぜ「今が勝負」なのかわからない。初の書籍を出したタイミングでたくさんいい仕事しておかないと干される……みたいな業界の共通認識があるのだろうか?

怖い。その勝負に負けたらどうなるんだろう。

わからないので、とりあえずは来た仕事を精一杯やっていた。

ちょうどその頃、cakesでの連載終了が決まったり、Rettyグルメニュースの更新停止を知ったりした。

レギュラーの仕事が2本なくなったことで、精神的な拠り所を失った。

よく「失ってはじめてその大切さに気づく」みたいな言い回しがあるけど、本当にそう。経済的な面ではなんとかなっても、強い信頼関係ができていた編集さんとの仕事がなくなるのは、想像以上にダメージが大きい。

特にcakesの連載は週刊だったし丸1年やっていたから、もう生活の一部になっていて、なくなると心にぽっかり穴があいた。

7月後半、〆切ラッシュを越えて一息ついたとき、力が抜けて起き上がれなくなった。

なんかもう、燃え尽きた。

それまではcakesが週に1本あったから、燃え尽きてもすぐ立ち上がらなきゃいけなかったけど、それがなくなったことでいつまでも燃え尽きてしまう。

noteにしろ、仕事の原稿にしろ、思うように書けない。

書いてもつまらなく感じて、ほかの書き手の素晴らしい文章を目にするたび、「それに比べて私はダメだ……」と劣等感を抱いた。

8月になると波が引くように執筆依頼が来なくなり、怖くなった。

勝負に負けたのだろうか?

認知の歪みが発動し、「飽きられた」「私なんてオワコンだ」と勝手に落ち込んだ。


また、書籍を出したことで批判が増えた。

「正当な批判は襟を正して聞き、自分の成長に役立てるべき」と考えているのだけど、まぁ、正当な批判であっても落ち込む。

相手に対して腹が立つというよりは、自分の無価値感にいたたまれなくなるのだ。

「私のような未熟者が分不相応に書籍など出してしまい、申し訳ございません。あなた様の仰るとおり、私の文章なんて価値のないクソでございます」という気分になる。

私の悪い癖なのだけど、早い段階で思考を切り替えればいいのに、「考え続けてたら面白い結論に到達するかも(あわよくばそれがコラムのネタになるかも)」と、自分の負の感情に焦点を合わせ続けてしまう。

その結果、ネタになるような思考に到達することもなく、途中で心が狂う。

腐りかけのもの食べたらお腹が強くなるのでは、と腐りかけのものを食べてはお腹こわす人、みたいな。ちょっと違うか。

そんなこんなでしばらくダメだったのだけど、最近はようやく復活してきた。

バイオリズムもあるし、レギュラーで書かせてもらえる媒体を得たこともある。

最近は取材や打ち合わせが多くて、身体は疲れてるけど、精神は安定。

しかし、安定=毎日が楽しい!ってことでもなくて、わりと虚無を感じながら日々を淡々と過ごしている。そんなもんだろ。

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