懲役日記

願箋
note執筆許可願

私は2020年10月27日まで、まわりを見渡せば全員凶悪犯罪者、泣く子も黙る長期累犯刑事収容施設、宮城刑務所に収容されていた者だが、晴れて釈放許され、約14年ぶりに社会復帰を果たした。

14年。文字にすればたったの三文字だが、それは無限にさえ思えるような時間でもあった。先がまったく見通せず、心が折れそうになったことも一度や二度ではない。
そんな歳月を、執行刑期10年以上、かつ、再犯または犯罪傾向の著しく進んだ者が収容される、通称LB刑務所にて過ごしたわけだが、私にとってそこは、もはや外国といっても過言ではない場所だった。
世間の常識は刑務所の非常識。何が起こるかわからない毎日に、日々身構える生活を余儀なくされたのだ。

一説によると、刑務所に入るのは宝くじの当選確率と同じくらいだそうだ。たとえ罪を犯しても、よほどの事件でない限り、初犯であれば大半が執行猶予か罰金で許される。全国の刑務所に収容されている受刑者が約4万人、対する日本の総人口が約1億2000万人だから、割合から見てもよくわかるだろう。
さらにはそのなかでも、全国188ヶ所ある刑事施設のうち、五か所しかないLB刑務所ともなれば、もはや普通(?)の犯罪者ですら入ることはできない。その日常は秘密のベールに包まれている。

このnoteでは、そんなLB刑務所の日常を、私の体験談を通して皆に知ってもらいたいと思い筆を執った。これを読めば、わざわざ刑務所に入らなくても、いまのリアルな刑務所を疑似体験していただけることだろう。
刑務所に入ることほど愚かなことはない。このnoteが皆の犯罪抑止力につながるよう、社会有益性の観点から執筆の許可を願う。

健全な社会人の読者皆様  殿

第×工場×棟×階×室
第×種×類×××番
令和5年×月×日
吉田ジェイル 指印





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