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メタバースは世界を変えるか/知ったかぶりの床屋談義 Vol.3

床屋の主人「最近メタバースって聞きますけど、あれって前から言う仮想現実とはちがうんですかね」

昨年Facebookが社名をMetaに変更したことで、メタバースという言葉が注目を集めるようになった。Facebookはこの分野でまだ収益を生んでおらず、今後数年間は収益が見込めないとしつつも、1兆ドル(約110兆円)のビジネスチャンスがあると見越して大きな投資をするとのこと。Facebookが社名を変えてまで挑戦するメタバースとはなんなのか。

これまでのメタバース

メタバースは超越するという意味のmetaと宇宙のuniverseを組み合わせた造語で、インターネット上の仮想空間を意味している。それっていままでもなかった?という疑問はそのとおりで、概念としてはけっこう前からあったもので、仮想空間、バーチャル空間、サイバースペースなどと言われていた。映画では古くは『マトリックス』、最近では『竜とそばかすの姫』が現実世界と仮想空間との行き来をテーマにしていたし、SF小説でも数多くの作品な描いてきた。実際のインターネットサービスでもまさにメタバースな「セカンドライフ」が2003年にスタートしているから、すでに20年近く前から形になっていたわけで、そういうものに触れてきたユーザーからすれば今更感は否めない。

これからのメタバース

これまでのメタバースとこれからのメタバースではなにがちがうのか。Matthew Ballという人が自身のブログでメタバースの定義として7つの要件を提示した。下記、意訳。

  1. 永続的であること(一時停止や終了などがなく続いている)

  2. 同期的であること(みんなが同じ時間を共有できる)

  3. 実存的であること(誰もが主体性をもって参加できる)

  4. 経済的であること(参加者が価値を創造しすべての経済活動ができる)

  5. 相互的であること(デジタルとリアルにまたがった体験ができる)

  6. 相互運用可能であること(他のサービスとオープンな相互運用ができる)

  7. 多様性があること(個人やグループ、企業などが参加できる)

現在のメタバースでもっとも注目されているのが「フォートナイト」だ。フォートナイトはもともとバトルロイヤルゲームだが、戦わないモードもあり、ゲーム内でアリアナ・グランデや米津玄師がライブを開催したりと、ゲームの枠を超えてメタバースとして進化している。

「みんなが一緒に参加できるのがメタバースらしいですよ。そっちの世界でもご主人に髪を切ってもらわないとね。あ、でも違う仕事をしてるか。じゃないと意味ないですもんね」

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