色を科学する その⑧ 色覚の多様性が色彩学の難題を解くカギ<前編>
色覚多様性(いわゆる色覚異常)が色彩学100年にわたる難題であった「ヒトの目の感度」=錐体分光感度を知るカギになったというお話。長いので<前編>と<後編>に分けて書きます。
色彩学100年にわたる難題 残念ながら、等色関数はヒトの目の感度、すなわち錐体分光感度ではなく、それを"間接的"に表すものです。1900年代前半では、錐体分光感度自体やそれを調べる方法も確立できておらず、等色実験により"間接的に表すもの"を求め、1931年に制定して、代替として使ってきたという次第です