フィルム・マニアックス

「期限切れフィルムの賞味期限」
フィルムが高騰していることを先に述べた。で、どうするかというと、期限切れフィルムを安く買う。これに尽きる。問題となるのが、どれくらい古いフィルムまで使えるのか、ということ。食料品ではないので腐ったり食べて腹をこわす、という心配は無いが、①感度が落ちる
②コントラストが低下する③カラーバランスが崩れる④粒子が荒くなる、などの劣化が現れる、と言われている。ネット上の情報をググるとせいぜい2、3年と書かれていたり、冷蔵庫で保管されていれば、かなり延びる、とか書かれている。まあ、期限内に使えば問題無いのだが、そこはフィルム・マニアックスは期限切れのフィルムを好んで使う。

まず、棚の中で常温保存していたフジフィルム ベルビア100 F(有効期限2009年12月)常温保存(といっても当方は北海道のため真冬は零下近くになるので年の半分は冷蔵保存みたいなものか…笑)

スキャンすれば色目の補正もできるのだが、ライトボックスの上からiPhoneにて撮ったもの。
フジフィルム のHPによると、ベルビア100 Fの特徴は:
「ベルビアならではの高彩度路線を踏襲しつつ、世界最高レベルの色相忠実性を実現。高彩度を必要とするコマーシャル写真から風景スナップまで幅広い被写体に対応出来ます。
色再現:リアルカラー
彩度:超高彩度
階調:硬調
シャープネス:極めて高い」
とある。まあ、よくわかんないけど、リアルに鮮やかにそしてシャープに写す、ってことでしょう。グリーンかぶりしにくい、とも書いてある。昔使った時は深い青が出るな、という印象だった。で、上の作例だが、空は青いし、緑がちょっとかぶってるかな、という感じだが、期限切れ後11年でも使えるじゃん、と思った。星3つ(…って、満点は星いくつよ💢)
ちなみにフィルムの場合、使用期限ではなく有効期限という表記になっている。

次の作例はフジフィルム フォルティアSP(有効期限2008年8月)同じく常温保存

2004年に限定発売されたリバーサルで、ISO 50のため使いにくいけど、ド派手な発色で人気を博した。ド派手とは言い難いが上の写真のツツジの発色はいい。期限切れ12年だが、星3つ。
手元に有効期限2003年のプロビアとベルビアが何本かあるので、そのうちアップしようと思う。

フジフィルムのリバーサル系の性能の良いのはわかったが、コダックはどうなのか?期限切れエクタクロームでテストしたいが、流通量が少ない。なお、コダックにはコダクロームというレジェンドなフィルムがあった。これは絶滅危惧種ではなく完全に絶滅種で、フィルムそのものはデッドストックがポロポロ流通するものの、現像処理が出来ない。フジフィルム系のリバーサルやエクタクロームの処理とは異なる外式という現像プロセスを取り、コダックの指定現像所でしか処理できなかった。2010年末で完全終了。絶滅してしまった。ひと口でいえば、濃厚。粘性の高い黒。黒の中に黒が見える、そんなフィルムだった。合掌

↑コダクロームで撮った空や川。深い。そして黒い。吸い込まれそう。

話がそれた。エクタクロームは2012年に製造が中止されてしまって、2008年〜2010年あたりの期限切れフィルムがあまり出回っていない。稀に1990年台のものとか2000年初頭のものを見かけるが、そこまで古いのは購入を躊躇う。なお、エクタクロームは35mm版のみ最近再発された。36枚撮りで1本2,000円以上する。期限内のエクタクローム、高い。高くて買えない。(つづく)

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