Note用

サンプルカードをみた時の反応

 「右側半分、ど〜れだ?」という指伝話メモリで作ったサンプルカードセットがあります。野菜を半分に切った左側を見せて、右側を選んでもらいます。
 これを展示会で見てもらった時、大人の多くは迷わず、そして急いで正解をタップします。

 でも、このカードは、正解ではないものを選んだ時が楽しいんです。:-)

画像1

 「これじゃぁ、トマネギ!」

 左がトマト、右がタマネギ、それならトマネギ。そう、これは正解なんです。このカードを選んだ子どもは、次に他のを選ぶ時に「きっとこれは『トマイモ』だぞ!」って思ってジャガイモの半分の画像を選びます。そして、「やっぱり!」となります。自分が予想して結果を確認するという学習を、とても自然に楽しみながら行なっています。
 家に帰ったら、お母さんが台所で半分に切った野菜の片方を持って、家の中のいろいろなものと組み合わせて、いろいろな名前を叫ぶことでしょう。そしてみんなで大笑いする。これが楽しいんです。
 指伝話メモリのサンプルは、教材ドリルを作るために使うのではなく、コミュニケーションのきっかけに使っていただくことが多いです。これもまた、機械ではなく機会です、ということになります。

 でも大人は、すぐ正解を探そうとします。必死です。私が製品の紹介をしている時に、見ている人がトマトの片割れを見つけられるかどうかのテストをしていないことは明らかですよね。だとしたら、何故これを見せて選ばせているのだろう?と考えますよね。「ははーん、何かあるな。よし違うものを選んでみよう。」ということになります。そして選んだら楽しい答えが待っているんです。
 この「決めつけない、そして考える」という行動が、人生を楽しく豊かにすると私は思います。それを伝えたくてこのサンプルを作りました。

 それでも大人は、正解をタップします。間違いは許されない、これが日本人の大人に染み付いた気持ちです。真面目なんです。それは悪いことではないです。良いことです。でも、もう一歩踏み出して、正解ではない場合はどうなるだろう?ということを考えておくことも大事だと思います。人生において、常に正解ばかりを選べる訳ではありませんからね。
 間違ってそれを選んでしまったかもしれない。でも、そこにはそこの正解があり、そこからの展開がある。その選択は間違いではなかった。そういう考えを持っていると、人生が豊かになるかなー、なんてね。:-)

いただいたサポートは、結ライフコミュニケーション研究所のFellowshipプログラムに寄付し、子どもたちのコミュニケーションサポートに使わせていただきます。