歳をとる

この春で25歳になりました。
自分の年齢は正味、社会人になってからあまり意識していません。
誕生日はなんてことのない平日です。

私が歳をとったかもしれないと思うのは実家に帰った時です。
両親に会った時。
両親が歳をとったと感じた時、同じ時間をかけて私は大人になったのだと感じます。

見た目だけの変化ではありません。
子供の頃はよく私を叱り飛ばしていた母が優しくなりすぎている。兄が実家を出た頃からそうでした。
私も実家を出て2年ほど、帰省するたびに喜んでくれる。
母は家にいる時間が長かった分、余計寂しいのかもしれない、と思います。

父は良い意味であんまり変わっていません。
体力が有り余っているからでしょうか。
白髪は増えましたが元気そうで何よりです。
でも父は父で仕事の第一線から引いたのかな、と感じるような言葉を話すようになりました。

今月は兄が結婚式を挙げます。
きっと歳をとった母は泣くのではないかなと思います。

私は、自分が歳をとることに鈍感かもしれません。結婚願望はないし、子どもも欲しいと思っていないので、歳に応じたライフステージを意識せずに生きているんでしょうね。

両親はまだ50代半ばです。
人生100年時代と言われる現代、きっとまだまだ生きてくれると思います。
でも、記憶にある両親とは少しずつ変化するということを漸く正面から受け止めた気がします。
少し切ないです。

実家を出て良かったとも思いますし、実家を出なかった方が良かったのかもしれないとも思います。
比率は前者の方が高いですけどね。

歳をとるのは素敵でいて怖いです。
私自身もここ数年で色々と考え方が変わった気がしています。今はその辺の石ころになりたいとはあまり思いません。あまり。
自分の行動がダイレクトに未来へ繋がっている自信がつきました。

まだ登り途中の道で、降り途中の両親を見るのです。両親の若い頃を私と兄が盛り上げつつ踏み台にしたなと思います。
それがきっと生命のサイクルなんですね。
隆盛と衰退を世代ごとに繰り返す、次世代がいないかもしれない私はどう衰退するのかなと考えます。

歳をとるのは本当に素敵で残酷です。
人間に備わった知性は生物として些か欠陥とも思えます。ここは昔と考えが変わりません。

願わくば、私も、私の身の回りの人もみんな、素敵に歳をとってほしいなと思います。



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