誰でもできるルアーメイキングzaccomethodの貫通γスクリューについて
zaccomethodの始まりはダイワの子供向けのサービスであるヤングフィッシングクラブのホームページで子供と作るルアーを見たところから。
えんぴつでルアーを作る方法が出ている。
このえんぴつルアーの作り方に色々なエッセンスを加えてzaccomethodが生まれた。
・医療技術、特に整形外科手術の髄内釘やカテーテル治療のワイヤーや血管吻合の考え方。
・以前から、格闘技や武道でイメージしていた重心の位置や意味合い。
・ルアーに空気を入れるアイデア。
・100均で桐材が安く手に入ること。
・100均のジェルネイルで簡単にコーティングできること。
などなど、日々いろんな要素をインチキルアーメイキングに変換している。
今回は医療技術のエッセンスをどのようにルアー作りに取り入れているか書いてみようと思う。ルアーの中を通るワイヤー。私はスクリューアイにこだわって作っている。
まず、一番最初に考えた方法、貫通ガンマスクリューについて。
◯ 骨折すると外から添え木を当てて自然治癒を待つ、もしくは外科的手術をする事になる。手術の中には髄内釘(骨の中に金属の棒を入れて補強する)の手術やプレート(折れた骨に金属の添え木をネジで直接固定する)を入れる手術などがある。
◯ 髄内釘の代表的な手術にγネイルという手術がある。人間の中で最大の骨、大腿骨の転子部を骨折した際に行う手術である。主に高齢で骨粗鬆症症の方が転んだ時に足の付け根の骨にヒビが入る。その骨折に対して、骨の中に、金属の芯棒である髄内釘を入れて固定する。
◯ どんな手術か?
①大腿骨の上の方を切開。X線透視で大腿骨を透かして見ながら骨の中にトンネルを掘る。そのトンネルに金属の棒を入れていく。②もう一つ大腿骨の横から大腿骨骨頭に向けてトンネルを掘って、大腿骨骨頭に向けてもう一つ金属の棒を入れて、双方を組み合わせて固定する。①と②はγ型に組み立てられる。
※こんな感じになる。
もともとは売っている、ネジ山のついたワイヤーヒートンを使ってルアーを作っていた。しかし、ワイヤーヒートンはやや太く、ブラックバスのルアーを作るにはちょうど良いが、管理釣り場やトラウトのミノーやのクランクには不釣り合いだった。
そこで、自分でステンレスのワイヤーからスクリューアイを作ってみた。しかし、特にベリーアイの挿入に対して強度が不足していると感じた。
そこで、ガンマネイルの手術を意識してルアーのフロントアイとベリーアイを固定しようと考えた。フロントスクリューアイの途中に穴を配置してまず挿入する。そして、ルアーボディの中でベリーのスクリューアイをフロントのスクリューアイに開いた穴に挿入する。…しかし、フロントとベリーのスクリューをボディの中で盲目的に合わせるのはとんでもなく難しい。x線透視もできないし、スクリューアイの計算が必要であり、現実的ではない。普通に貼り合わせる作り方の方が簡単だ。とにかく簡単に作りたいので却下。
次に考えた手法がzacco貫通ガンマスクリューである。始めに挿入したフロントアイのスクリューに対して擦れるようにベリーアイの下穴を開けた。(ガンマ型の下穴)そして、その下穴はルアーの頭部に向けて貫通させる。貫通させることで、スクリューの固定に関わる深さが最長となる。スクリューアイのランディングゾーンをかなり長く取れる。固定力や耐久性が向上すると考えた。(貫通させる)
その穴にはたっぷりと瞬間接着剤を挿入して、フロントのスクリューアイとベリーのスクリューアイがルアーボディの内部で接着されるように挿入する。挿入の際にも、スクリューにたっぷりと瞬間接着剤をつける。
交差した下穴の中で、フロントとベリーのスクリューアイを接着することで、簡易にスクリューアイを同士を固定できる。(スクリュー同士がガンマ形に固定される)
以上のことでボディとスクリューアイの接着面が長くなり、とても強いルアーになると考えた。
これが、「#zaccoPenetratingγscrew(zacco貫通ガンマスクリュー)」の考え方だ。
この方法で、フロント、ベリー、テールの3つのアイを挿入したルアーボディは、5分もあればできてしまう。誰でもできると思う。フロントとベリーのアイは、挿入長を稼げるので強度は問題ない。貫通ガンマスクリューは人間がプライヤーで挟んで、捻りながら引っ張ってもなかなか抜けるモノじゃない。出来上がったルアーを割ってみると、ルアーの中で木材と2つのワイヤーが接着されている。
加えてアイの根元にジェルネイルコーティングを行うことで、アイが引っ張られる力はボディのコーティングも肩代わりしている。
おそらくバルサのルアーではハードステンレスワイヤーと、その後ワイヤーを固めるハンダや糸、そしてボディコーティングで強度を保っている。
桐材はバルサの次に軽く、加工がしやすいが、一応ハードウッドなのでスクリューアイも効いてくれる。スクリューアイと瞬間接着剤、桐材とジェルネイルコーティングで力を合わせて強度を保っている。
普通の管理釣り場の鱒は貫通ガンマスクリューを引き抜くことができないと思う。10kgのウエイトをぶら下げられるので普通の日本の淡水魚ならば耐えられると思っている。10kgに耐えられる針でトラウトは釣らないと思う。
長くなったので、今日はこの辺で。
楽しもう!!
次は別の方法、スクリューアイが信じられない場合やバルサで作る小さなルアーに対して考えた2つの方法
①前後から挿入したスクリューアイをボディの中で繋ぐ方法
②ボディに挿入した一本のワイヤーから3つのアイを後から作る方法
…について書いてみようと思う。
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