本気のアメリカが、本気に日本対策をしてきた。

東京オリンピック2020・女子バスケットボール決勝、無敵のアメリカに死角はない。ただ、負けるとすれば、それは日本が展開するバスケットだと考える。スモールラインナップから繰り出されるスピード豊かなバスケット、組織されたディフェンス、最後まで走りきれるフィットネス、そして最後は飛び道具の3ポイントシュート。3ポイントは日本の生命線だ。しかし、アメリカは本気で日本対策を講じてきた。アメリカは日本の3ポイントに対して、絶対に打たせない戦略をとってきた。日本の誇るシューターの林、宮澤にタイトなディフェンスを講じ、その代わりに裏を取られる、ドリブル、カットインで抜けれるのは仕方ない作戦だ。抜かれた時は、センタープレーヤーがディフェンス、ブロックする作戦。前半の途中でだけでアメリカのブロックが8本を記録したのはそのためだ。逆に町田に対しては、距離をとってのディフェンスを展開、シュートは打たれても絶対にドリブルインをさせない戦略だ。町田のアシストが少なかったのもそのため、代わりに入った本橋が立て続けに3ポイントを決めたのは、おそらくトム・ホーバスHCの指示であり、東藤、馬瓜の起用も、3ポイントに拘らず、接近してくるディフェンスをかわして、ミドルレンジからのシュートに切り替えた戦略だ。互いの頭脳が重なり合う金メダルマッチ。ただ、それでも、自力に勝るアメリカは強かった。高さ、ディフェンス、シュート力で日本を圧倒、最後は自力の差が出てしまった。それでも、ここまでアメリカを本気させた日本代表にはあっぱれの言葉しかない。エースの不在、コロナの影響の中、重要な試合だった初戦のフランス戦に勝ち、ベルギー戦の歴史の残る逆転劇、どれだけ練習してきたのか、私には想像も出来ない。ただ、言えることは、日本女子バスケットボールには明るみ未来が見えている。パリ、ロサンゼルス、ブリスベン、楽しみしかない。

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