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ザ・メンタルモデルー痛みの分離から統合へ向かう人の進化のテクノロジー

本の紹介者:ゆうひん  https://note.com/yuhin0626

こんな人に読んでほしい
・自分を取り巻く環境を変えたい人
・家にいる時間が多くなった機会に自分を見つめ直したい人
・つい自分にダメ出ししてしまう人

1. メンタルモデルとは?

 自分を取り巻く「不本意な現実」を起こし、あなたを苦しめているのは誰でしょうか?

 言うことを理解してくれない職場の上司?
 最近メールの返事をしてくれなくなったパートナー?
 いつもマウンティングを取ろうとしてくる同僚?

 あなたを不快にさせたり、あなたの気分を害したりしているのは他ならぬ「あなた」自身だ、というのが前提の考え方になります。

 「自分の内的世界観」が「自分を取り巻く環境」を作っている、という原理を元に自分のどのような内的世界観が、どこから来て、どんな世界を作っているかを紐解くモデルがメンタルモデルと呼ばれるものです。

 「自分の世界の中で『ある』はずのものが『ない』」という痛みの原体験によって作られた「怒り」や「悲しみ」。

 そうした感情を避けるために人は回避行動として「逃避」か「克服」という行動を取ります。

 「逃避」か「克服」という行動をしている段階は「適合」プロセスと言われ、外側の世界に自分を適合させている状態なので「自分の人生を生きている」という実感がわきにくくなります。

 「適合」プロセスにいると人は周りに合わせて無理をしてしまっているので、徐々に周囲との環境の間にひずみが生じてきます。

 このひずみと向き合い、克服することで「自己表現」ができるようになるまでのプロセスを独自の「ライフサイクル論」として紹介されています。

 自分自身のメンタルモデルがどのようなものかを知り、自分がライフサイクルのどの段階にいるかを知ることで、自分の生きにくさの正体をつかめればと思ってこの本を手に取りました。

2. メンタルモデルとは?

 著者がこれまで1,000人以上の方と個人セッションにより見出した、自分の世界観を創る「生存適合OS」には4つのモデルがあります。

・「価値なし」モデル(私には価値がない)
・「愛なし」モデル(誰にも愛されない)
・「ひとりぼっち」モデル(私は所詮ひとりぼっちだ)
・「欠陥欠損」モデル(私には何かが決定的に欠けている)

 こうしたモデルを内側で持っている限り、どれほど努力して回避行動をし尽くしたとしても結局は

 「自分には価値がないのだ」「自分は愛されないのだ」「自分はひとりぼっちなのだ」「私はやっぱりダメだ」という結論に達します。(これが自分にとって「不本意な現実」ですね。)

 これらのモデルは自分が幼少期に「ある」はずだと思っていたものが、「ない」ことを体験した時に自分の中に創られます。

 一方で自分が執着するモデルの裏には「ある」はずだと信じていた世界を創造することへの情熱の源でもあるのです。

3. 自分のメンタルモデルを越えるプロセス~ライフサイクル論~

 人間の意識の進化のモデルとして「ライフサイクル論」が紹介されています。

1. 適合期:メンタルモデルによる痛みを避けるための行動をし、周囲と適合しようとする。
2. 直面期:回避行動からは望む世界には出会えない、ということに直面する
3. 自己統合期:自分が「ない」と思っているものは本当は自分の中に「ある」ことに気づく
4. 体現期:自分の中に「ある」と認めたものを軸に、その人がありたい世界を体現していく
5. 自己表現期:自分が信じる世界を外側に向けて体現していくことで、その世界が現実として広がっていく

 適合期を生きている人の感覚は「悪くはない」という世界だそうです。それが徐々に本当の自分とのズレが生じてきて苦しくなってくるのが直面期。

 自己統合とは「いい/悪い」や「正しい/間違っている」という二元論を越えて、自分に必要なものは「自分の中にある」と信じることで自分を満たすことだそうです。

 個人的にはまだ「適合期」と「直面期」の間をさまよってそうな気がするので、感覚的には分からない部分もありますがメンタルモデルを自覚することで

・メンタルモデルによる無自覚な行動を避けることができる
・自分が望む世界を実現できるかもしれない

という希望を持って行動できる人が増えればと思います。


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