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DAY 10. マチュピチュ

2024年1月15日(月)

いよいよこのThe Last Journeyのメインイベントのひとつマチュピチュ遺跡を訪れる日が来た。
実際の行動は一年前に始まったが、いつかは来てみたいと朧げながらかなり前から抱いていた場所。

起床4時30分。
路面は濡れているが雨は降っていない様子。
早速支度をして、ホテルで用意してくれた朝食をリュックに詰めて、バス乗り場に向かった。

バス停から見上げる山の間からは少しずつ夜明けが見えてきた

マチュピチュは入場に人数制限があるのことと、時間帯別にも制限されており、一番早い入場は6時から。
この入場に間に合うためには5時発のバスに乗らなければならない。
バス乗り場を探すのに手間取った。何人かの地元の人に聞いてたどり着く。
一番バスのため、バス停にいたのは数人。

しばらく待って、人の列も長くなり、ガイドを斡旋する人、朝食を売りに来る人、ポンチョを売りに来る人。さまざまな商売が展開されている。
10分ほど遅れて一番バスが到着。ベンツの大型観光バス。ピストン輸送されるので、列の割に進みは早い。自分のバスもすぐ満席になり、出発。
いろは坂のような曲がりくねった道を、ずんずん登る。
しばらくすると、遠くの山も見えて、雲海が下に広がる。気分は一気に高まる。
30分程で目的地に到着。

6時の開門まで30分くらいはあるが、誰も、我先にと入場口に列を作ることはない。
入場するとトイレはなく、再入場もできないので、2ソルを払ってトイレを済ませ、ホテルの朝飯を食べて開門を待つ。


開門前 落ち着いている様子

なぜ一番早い時間のチケットを取ったかというと、クスコから日帰りでやってくる入山客もおり、時間が経つにつれて人は増える。一旦入れば逆戻りはできないが、自分のペースで周れる。何時間いても大丈夫なのだ。

一番で入場すれば人混みの中でかき分けながら見る必要もない。
静寂の中で遺跡を見て、頭に焼き付けるには早い時間がおすすめ。SNSで知った情報から4時30分起きにした次第である。結果正解であった。

サンドイッチを食べ終わる頃、開門が始まっていた。ディズニーランドみたいに、全員走っていい場所を取るために目の色が変わっていると言う事は全くなく、みんな静かに進んでいる。
自分も心の中では、はやる気持ちを抑えて、入場口でスマホに入ってる電子チケットとパスポートを見せて入場。

しばらく茂みの中を歩くと、分かれ道になる。
ルート1とルート2、の看板。パンフレットでよく見る高台からの俯瞰の写真は、ルート1。それだけ高低差があり急途の石段をひたすら登る。息が切れる。

突然視界が開けた。
どう文字に落としたらいいのかわからない。写真で残すには残しきれない。5感で感じる全てを残したいと願った。
朝からの雲は切れて、青空がのぞく。
時折り、深い谷間から雲が上がってきて遺跡全体を覆い尽くす。
10分ほどするとまた、全体が姿を現す。その繰り返し。

半袖にウインドブレーカーで登ってきたが、日が差すと暑い。
高地特有の風が時折り頬を撫でてゆく感触までも清々しい。

開門口から、まず先にこの位置まで登り、振り向くとこの光景が待っている

同じように無言で佇み眺めている集団の中から静かな日本語が聞こえてきた。
メキシコから始まった旅で初めて出会った日本人。20代後半のカップルである。こちらから「日本の方ですか」と声をかけると、「はい、そうです」「旅の途中で日本の方には出会いましたか」「初めてです。」「お互い良い旅を」
彼らにとっても初めて出会う日本人。ここマチュピチュは世界の観光地であり、誰かひと組は日本人に合うだろうと思っていたが、ひと組だけであった。

先ほどの俯瞰で眺められる場所から降りて、ひと回りする。予め知識を持って臨んでいた場所もあるが、ガイドを付けて説明してもらった方が効果的には違いない。コストと、語学力の稚拙さのために断念した。

いたる所の土台や壁は緻密に切り取られた石でできている。接着剤は使用されていない
精巧に組まれた石段と石の壁


この山奥に何故インカが住み着いて消滅したか。謎だらけだそうだが、文字を持たない民族ゆえのミステリー。

段々畑が下の方まで開墾されている。自給自足

上の写真の正面の山「ワイナピチュ」今日見たマチュピチュ遺跡のチケットでは入山することのできない山 2693m

本日のチケットは、遺跡を回れるもので、$67。
正面の山ワイナピチュとルート4の周遊が許されるチケットはややお高く$81。

せっかく行くならばワイナピチュも行きたいと思い、2日間のマチュピチュ行きで、1日目はオーソドックスなマチュピチュ遺跡巡り。そして翌日に正面の登山が必要なワイナピチュのチケット。

しかし、足腰に自信はない。3年前の怪我で筋肉が思うように動かない。固まってしまって、胡座もかけず、自分でも無理はできないと思ってきた。とはいえ、怪我をしてからの回復の目標のひとつにワイナピチュに登ることを据えて、ジム通いをほぼ毎日欠かさず、足腰を鍛えてきた。その成果の自信と、もしかしたらまだ完全ではない足の動きの不安に、この場に及んでも、登山を躊躇している。

行きたい気持ちと、もし怪我をしたらどうしようかと言う気持ちの葛藤の中眠りにつく。

どちらでもいいように4時00分に目覚ましをかけていた。

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