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学校経営の基礎基本 縦糸と横糸のルール〜SWIM語法でフォロー〜

「子どもたちとの関係を築く上で『褒める』ことは大事である。日常の些細な場面でも褒めること、また場面に応じた褒める声かけの語彙を増やすことが必要である。」

 人を育てるには、ほめるに限る。
 このことは、思っているより広がっていない。
 先生たちは、「ほめる」大事さを学んできているはずだが、意外に自分の実践の中に組み入れていることがない。
 「ほめる」ことで、子どもとの「心のつながり」を持つことができる。私が主張している「縦糸・横糸」張りの中で、「横糸を張る」中心のキーワードである。この横糸張り(心のつながり)がうまくできている人は、学級経営が必ずうまくいく。
 私は、ほめたり、認めたり、励ましたりすることを「フォロー」と言っている。このフォローがあまりにも少ない現実がある。授業でも、子どもたちの活動でも、フォローがなかなかされない。原因は2つ。
 1つ目は、自分なりにもっている「授業法」「活動法」の中に「フォロー」が入っていないこと。例えば、子どもたちに「廊下に並びなさい」と指示を出し、子どもたちが並んだら、「はい、体育館へ行きます」という声かけだけで連れて行く。「素晴らしい。素早く並べたね。100点満点!」などのフォローがない。この言葉で、子どもたちは、素早く並ぶ意欲を喚起される。ほとんどの場合、このようにフォローが入っていない。
 2つ目は、フォローの言葉も持っていないこと。あまりにも貧弱である。「いいね!」「すごいね!」程度の言葉かけしかない。場面に応じて、ぱっとフォローの言葉が出てこなければいけない。
 そこで、私は「SWIM話法」を提起している。
 Sは、すごい、素晴らしい、さすが、その調子。Wは、うまい、わかる。
 Iは、いいね。Mは、見事だね。  この程度は、常時声かけできるようにしたい。

 2002年にノーベル化学賞を受賞した田中耕一さんは、このようなフォローがきっかけで大科学者になった方である。小学校5年生の時、田中少年は理科の授業で実験をしていた。担任の先生は、期間巡視をしていた。田中少年は先生に「これどうしてこうなるのですか?」と実験について質問したという。先生はびっくりして「先生にもよく分からない。キミ、すごいね」とほめたという。この一言がきっかけで、田中少年は科学の道を志し、大業績を挙げた。ノーベル賞を受けて帰国すると、空港から担任の先生宅に直行して受賞報告をしたという。フォローの威力は書くも大きいのである。

参考・引用文献 元横浜市立小学校教諭 野口信行 「教育新聞」 2016.12.1
                        外山滋比古著 「りんごも人生もキズがあるほど甘くなる」幻冬舎

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