ヒドゥンカリキュラムを見据えた学級経営〜11月の学級崩壊を生まないために〜
「今時の子どもたちに合った指導が必要。子どもたち一人一人とのしっかりした関係性を築き、メリハリのある学級集団に」
学級はなぜ崩壊するのか
教師の力量不足が80%である。この力量というのは、若い先生だけでなく、ベテランも含めて全ての先生が考えておくことだ。今まで言われてきた「ビシッとさせる」「甘いのはダメだ」というような力量ではなく、今時の子どもたちに合った指導のできる力量が必要なのだ。
子どもとの関係づくりの失敗
崩壊は基本的に「経糸」ができないから起こる。なぜできないのだろうか。以下にあげる。
▽子どもに対する武器を持っていない
子どもたちを引きつけるもの、尊敬できるものがあると、子どもは教師に一目置く。そういうものなしで子どもたちの前に立ち、指示と命令を繰り返しても、子どもたちには響かない。
▽コミュニケーションがとれない
コミュニケーションは、授業中にもあるし、日常のありとあらゆる機会にも存在する。このコミュニケーション時に、きちんと子どもたちと言葉を交わしているだろうか。それができないと、子どものために行なっているすべてのことが「先生が勝手にやっていること」になってしまうのだ。
▽教師に笑顔がない
子どもと一緒に笑い合う機会や子どもへの笑顔が少なく、厳しく吊り上がった目で子どもを見る教師に子どもはついていけない。
▽ガス抜きができない
よく見るパターン。中堅以上の教師で荒れをつくる典型だと言ってもよい。先生が子どもたちをぎゅうぎゅうに締め付け、何とか学級を維持させていく場合だ。
▽授業がわかりにくい、面白くない
とても分かりやすい授業をするのに、学級が崩壊したという話を聞いたことがない。分かる授業は、どの子どもにとっても楽しくて授業時間が嫌ではなくなってくる。分からない授業は退屈で、そういう授業をする教師に対して否定的になるのは当然なのだ。
▽自分の思うように子どもをコントロールしようとする
子どもたちに恐怖感を与え、プレッシャーをかけ、子どもをコントロールするやり方は、背後に「最後はしばくぞ」という体罰を感じさせないと成功しない。今はそれを背景にすることはできない。
▽子どもとの個々のパイプがない
個々に繋がっていくパイプが必要なのである。それが学級を下支えするのだ。
引用文献 追手門学院小学校講師 多賀一郎 「教育新聞」 2015.3,30
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