那智勝浦町昔懐かし話 第20話

第20話『ホテル浦島には、ケーブルカーがあったんやで』
 
記念すべき第20話である。たぶん今の若者(この表現嫌いなんやけどなぁ、自分がものすごく歳とったみたいで。まだまだ若いと思てるんで)は、知らんやろけどホテル浦島は、僕ら小学生の格好の遊び場でしたと言う話です。
 
「タケちゃんあそぼ~。」またまた、仲の町の2馬鹿小学生タコちゃんとナカシャが僕んちに遊びに来た。「どしたん。まあ、入りなぁ。おかあちゃん、タコちゃんとナカシャ来たから何か出したって。俺の部屋いこか。」「タケちゃん、何もないけどピーナッツサブレとカルピス後でもってたるわ。タコちゃん、ナカシマ君こんにちは、また3人で何か悪いこと考えるんやろ」とおかあちゃん。うちのお母ちゃんは、子供の僕のことをタケちゃん、タコちゃんのことをタコちゃん、なぜかナカシャはなかしま君と呼んでいた。「あほか。俺ら悪いことばかり考えやるんちゃうで。勉強の話するんやぞ。」と僕。「あんたら、吉本見過ぎで頭おかしなったんちゃうか。」とおかあちゃん。「じゃかましわ」と僕らは2階の僕の部屋へ行った。「なあ、タケちゃん、今度の日曜日浦島いかへん。ケーブルカー乗って狼煙山(ろうえんざん)いかへん」とタコちゃん。「ええやん。いこいこ。なあ、ナカシャ」「うん、いこら。あそこ動物園みたいになったあて、おもろいもんなぁ~。」当時、ホテル浦島には、本館横より今の山上館(狼煙山)までケーブルカーが走っていて僕らは桟橋から(ほんまは、宿泊客しかあかんのだが)、ボートに乗ってそのケーブルカーで狼煙山に登りそこにあるミニ動物園(羊やサル、うさぎ等がいた。今で言うふれあいコーナー)や遊具で遊んでいた。ボートの運転手が知っているおっちゃんで、「また、おまえらか」と言う顔でおっちゃんは、ボートに乗せてくれた。(浦島の皆さんほんまは、あきませんが、子供の時の話なんでごかんべんを)「はい、とっておきのデザートでございます。」とおかあちゃんがピーナッツサブレとカルピスを3つ持ってきた。「おおきに」3人は、うまそうに食べる。やっぱり濃いめに入れたカルピスは最高やった。カルピスは、濃いぐらいがええ。お母ちゃんは、よう分かっている。(なんのこっちゃ)
そして、日曜日僕らは、宿泊客に混じり浦島のケーブルカーに乗りに行った。当然そのころのホテルにケーブルカーがあるところなんて他になかったし、ましてや屋上にミニ動物園があるホテルなんて他にない。浦島って昔からすごかってんで~。僕ら小学生のパラダイスや~。このケーブルカーも時代の流れで1976年僕らが小学校卒業と同じ頃廃止となり今はミニ動物園が露天風呂に代わっており山上館には、エレベーターで上れ、またケーブルカーのレールのあった場所には、エスカーターと健康の為と階段が設置されている。
ケーブルカーとミニ動物園、最高の小学生の時の思い出である。
                            第20話おわり
 
 
 
 
 

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