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承認ブースターのデータはマウス由来?

 認可されたばかりの COVID-19ブースター注射の前臨床データは、ヒトではなくマウスをベースにしている。
 
ファイザー社のデータは、わずか 8匹のマウスに基づいていると、ファイザー社の科学者が、6月に米国食品医薬品局(FDA)のワクチン諮問委員会で述べた。
 
9月1日に米国疾病対策予防センター(CDC)の諮問委員会に提出される予定のプレゼンテーションによれば、モデルナ社のデータは16〜20匹のマウスに基づいており、そのうちの何匹かはオリジナルのブースターを投与されたものだという。
 
ファイザー社のワクチン研究開発担当副社長は、BA.4/5を含むすべてのオミクロン・サブラインと、BA.4/5-改変ワクチンによる基準株に対する大幅な増加を示すマウスデータを、FDAパネルに発表した。
 
BA.4とBA.5は、いずれもCOVID-19の原因となるウイルスのオミクロン変種の亜種である。
 
モデルナ、ファイザー両社は、オリジナルのCOVID-19ウイルスの一部とBA.1亜種を含むブースターを開発したが、6月の会議後に、FDAはワクチンメーカーに対し、BA.1の成分を、米国で優勢なBA.4とBA.5を標的とした成分に変更するよう要請した。
 
FDAは、承認に際してヒトでの試験データを要求することを拒否し、8月31日に両ブースターの更新を承認した。
 
FDAは、記者団に対して、次のように語った。
「マウスのデータは、これらのワクチンが、以前のバージョンのワクチンと同じように免疫反応をうまく引き起こすことを実証している」。
 
CDC長官も、これを支持する意を示した。
 
「マウスのデータだけでなくヒトのデータによって、それらのデータが出るのを待つならば、潜在的に時代遅れのワクチンと考えられるものを使うことになる」と語った。
 
前例がない
カリフォルニア大学の医学博士は、今回の更新ブースターについて、「ヒトでも循環亜種(現時点では主にBA.5)に対する抗体を増やす可能性があるが、公平に見て、現時点では、抗体が増えたというマウスでのデータしかないことに注意する必要がある」と述べている。
 
「この新しいブースターに関するヒトのデータは、抗体データも臨床データもない。しかし、冬を迎えるにあたり、これらの更新されたブースターは、抗体を増加させることによって、症例を抑制するという生物学的な妥当性がある」と語っていた。
 
この博士は、65歳以上のすべてのアメリカ人、または免疫不全の人は、特に6ヶ月以上前に最新の予防接種を受けた人は、ワクチンの有効性に関する最近の論文を引用して、最新のブースターを受けることを推奨している。
 
FDAは、12歳以上のすべてのアメリカ人に、最新の予防接種からわずか2カ月後に最新のブースターを接種するよう助言している。
 
ワイルコーネル医学部のワクチン専門家は、この認可の前に、「マウスのデータに頼るのは、私の知る限り前例がなく、確かに眉唾だが、安全性については心配はしていない」とも語っている。
 
「例えるなら、車の塗装を変えたからと言って、安全性を徹底的にチェックする必要はないだろうということだ。特に、アンチワクチンのウソに耳を傾けてきた人たちは、心配になると思う」と、ワクチンの副作用や効果の低下を心配する人たちの蔑称を使いながら付け加えた。
 
BA.1を含むブースターの試験データは入手可能である。そのデータによると、このブースターは、オリジナルのウイルス変種だけを対象とした、投与されていたブースターよりも効果があることが分かっている。
 
この変異体はパンデミックの初期に姿を消した。その後、一連の亜種が出現した。オミクロンは2021年後半に米国で優勢になった。この株とその亜種は、ワクチンによる防御を回避する能力が高いことが証明され、ブースターの認可と推奨、そして今回の更新ブースターの認可の引き金となった

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