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タダより高いモノはない

南日本新聞に気になる記事をみた。
たぶん九州以外の人には馴染みはないと思うのですが、鹿児島の地方新聞です。

首都圏に住んでると全国紙がスタンダードだと思うかもしれないけれど、各県の地方紙というものがあって、実は地元の人の購読率が高く、シェア50%を超えるところも珍しくない。福井新聞などは普及率7割近いらしい。

全国紙というのは、朝日新聞、読売新聞、毎日新聞、日経新聞とかのことです。

全国区の認知度としては「中日新聞」が有名ですね。名古屋にあるプロ野球団の経営母体として知られてます。

たいがい山形新聞とか、福島民報とか都道府県名が入ってることが多いのだけども、河北新報(宮城)や日本海新聞(鳥取)のように、一見するとどこの新聞かわかりにくいものもある。南日本新聞もその一つで、鹿児島新聞というのは存在しない。

ちなみに兵庫県の地方紙は「神戸新聞」。
「神戸」は、まちがいなく兵庫よりも表にでがち。(シライシ調べ)
すごいな神戸のアイデンティティ。

で、ぼくは屋久島(鹿児島)と2拠点生活を一時していたので、いまでもLINEに南日本新聞のニュースが毎日流れてくる。そこで冒頭のニュースを目にする。

8億円かけた避難支援システムなのに…アプリのダウンロード3000人 川内原発から半径30キロ圏の1.5%弱

九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)の重大事故時の避難円滑化に向け、鹿児島県が2022年4月1日に運用を開始した原子力防災アプリのダウンロード数が、伸び悩んでいる。23年1月末で約3000人。原発から半径30キロ圏の人口約20万2000人と比べても、1.5%弱にとどまる。
(中略)
 アプリを含む住民避難支援・円滑化システムの開発費は8億500万円。国の交付金と補助金で全額まかなわれ、鹿児島県が全国に先駆けて導入した。

南日本新聞より

国の交付金などで実施してるので、県の財政から見たらタダ。
県民の安全に関わる防災目的なので、狙いも正しい。

でもなんか釈然としない。

住民でもないし、何かの活動家でもない。だから文句をいう筋合いもないのだけど、なんなのこの無駄。という感情が芽生える。

どんなに高スペックで最新のシステムだとはいえ、8億円かけるだけの意味があるんだろうか。
いや、ここでシステムそのものの評価をするつもりはなくて。
(県の発表してる広報資料に目は通しましたので、なんか突っ込みたいところはありますけど。)

なんかタダだからいいじゃん、とか。
安いから気にしなくていいじゃん、とか。

そういうことが、実は見えないコストとして、がんじがらめになっていることっていっぱいあると思うですよね。

作るのはタダでも、維持するためにランニングコストがかかるとか。
新たなコストは発生しなくても、リソースを食ってしまってるとか。
会社にいる時に嫌というほど見てきたので、そいうものにちょっと過敏かもしれない。

で、そういうものの最高峰にみえたのが、この原子力防災アプリ。なんといっても8億円かけて普及率1.5%未満。

ビールとか、お酒とかについてくるオマケのグラス。
そんなに欲しいわけじゃないのに、タダだからといってもらってきたものが不揃いに棚いっぱい。これはわが家の話。

このふぞろいの無料グラスたちの活用ぶりは、おそらく原発アプリの1.5%にも及ばない。なんて無駄遣いだろうと反省します。

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