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雪見温泉♨️

   家から始発の電車に乗り、鬼怒川温泉駅を降りた。また、1時間半のバスに乗り換え、女夫渕温泉に到着時はすでに12時を過ぎた。乗ってきたバスは1日4便しかないので、乗り遅れたら、次の便は3時間後になっている。だいたい登山者達は同じの便で乗って来るので、20人ぐらい正座席あるの小型バスは40人以上が乗車した。ここからは今回のスノーハイキングの起点であった。

   花びら雪がひらひらと舞い落ちている。空気中、霧のような雪が立ち込めている。視界はいまいちであった。私たち5人パーティで鬼怒川に沿って上り、徒歩13キロほどで奥日光に向かう。目的地は日光澤と鬼怒川の合流ところにある日光澤温泉会館であった。

   多くの時間は澤の左岸に沿って歩いていた。初めて、足にチェンをつけて歩いていた。最初は雪を踏む感覚に慣れなかった。ギュッギュッとかき氷を踏んでいるような音がした。数日に雪が降り続けていた。厚い雪は帽子のように澤にある岩や石の上にかぶっていた。一個一個の大きいマカロンに見えた。とてもかわいいかった。針葉樹がしゃっきり立っていた。傘状に開いた枝葉も雪に覆られていた。絵本に描かれているクリスマスツリーのと同じだった。まるで童話の世界に来たと思いっていた。

   5人は無言に歩いていた。最初乱れていた息が歩くペースに追いついた。湿気が帯びる息がマスクを湿た。眼鏡はいつも霧と消散の間に繰り返し、鏡の枠に氷が凝結していた。私たちはそれぞれ五感でこの世界を体験していた。

   林帯を抜けて、広々とした野原に出た。足元は先行者の足跡が残っていた。点々として延々と前方の樹林に隠れ、なくなった。仲間たちはいつの間にか距離を開けていた。私は足を止め、空を見上げた。その雪が音を吸い込んだように永遠に舞い落ちていた。手を伸び出して、大きく羽毛状の雪が手のひらにたどり着いた。その瞬間、見ていたのは雪、踏んでいたのは雪。手のひらに落ちていたのも雪。肺に吸い込んだのは雪、そして、吐き出した息はまた雪になっていた。「私」という概念は全て雪に覆われ、溶けられ、一瞬になくなった。この真っ白の世界の一部になった。溶けていく私は新しくこの自然界にコネクティイングし、不思議だ。

    

   足跡に沿って歩き続いた。途中で2、3個氷瀑を通った。今年は比較的に寒くて雪量も過去より多い。仲間の一人は:「今年の氷瀑は今まで一番大きいたとおもうよ。王さんはラッキー。」と愉快な口調で説明してくれた。氷瀑のそばに写真を撮ろうとしたかったが、携帯は寒すぎて使えなかった。肉眼でしっかり記憶するしかない。

  進み続き、雪が溶け始める気配があった。温泉の源泉地帯に近づいていきた。とうとう、日没前に日光澤温泉に着いた。木で建てられた宿屋であった。屋根の上は重い雪が軒より超えて積み重なっていた。濃いクリームが塗られたキャンディハウスのようだ。童話の世界の中に必ずこうした家があるよねと思った。とびらの下部に小さな穴が作られた。出迎えてくれたのは旅館のかわいい柴ちゃんだった。マイナスの気温になっても、柴ちゃんは服を着かなく、ふわふわとした雪で軽く走って、しっぽを振っていた。「着きました。今年の雪が多いですね。王さんはまだ雪見温泉に入ったことはありませんよね」と先生は期待の口調で言った。先生の話を聞いてワクワクでしたが、お腹がグーグーと鳴っていた。まずは夕ご飯をたべよう。

    旅館の廊下にすべて電気カーペットが敷かれていた。柔らかくて温かくて気持ちよかった。台所の前を通って二階の部屋へ上がった。荷物を置いて直ぐに食事所に向かって降りてきた。食事は床座だった。旅館のスタッフがトレーを運んで目の前に来た。トレーに小皿がいっぱい並んでいた。欠かせないアツアツご飯と味噌汁、白い湯気が舞い上がっていた。もうたまらない。ガツガツご飯2杯、味噌汁2杯を食べた。大満足だった。食事が終わると、みんなお腹をなでて二階に上がって部屋に戻った。少し休憩して一緒にお風呂に行った。

  

   
   最後にお風呂場に入った私は仲間の声を聴いたが姿は一人も見えなかった。声が来る方向に扉を開けた刹那、冷たい風が胸に突き刺し、反射的にドアを閉めて膝を抱えて縮こまった。「早く来て、お湯に入ると温かくなるよ。」とドアを閉める音が聞こえた仲間が私を何回か呼んだ。もう一度勇気を出して扉を開いた。冷たく雪のシャワーのようだ。雪片がサラサラに肩、背中、お尻に着いて浸透した。全身の骨がガクガクと震えて歩ていた。その時点で二度と来ないと後悔の気持ちがした。お湯に浸かって息が戻ってきた。灯下で粉雪が静々と美しく輝いていた。するとまた雪の世界に落ち込んでいた。髪の毛の毛先が凍っても上がりたくなかった。

   部屋に戻り、みんながベッドを支度しながら、目的もなく話していた。夕食はお腹がいっぱいだと言っても、おやつを出して一緒に分かち合って食べていた。女の子にとって、おやつとデザートは別の胃だった。そして、体が温まるうちに布団に入るのが一番いい気持ちだった。
    
   翌日、柴ちゃんは私たちと一緒に遠い道を歩いた。登山道を自由に離れ、樹林間で走ったり跳ねたり、気分ルンルンとしていた様子だった。たまに、姿が見えなくなって心配になった時、彼が走って私たちの近くに戻ってきた。ずっと次の旅館で友達と出会った。私たちに別れを告げずに枝道に行った。初めてのスノーハイキングだった。真っ白にしか見えないと思っていたが、何度も探求したい。

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