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蛇足と沈黙 Death Stranding(デス・ストランディング)紹介文

 蛇に足があるとしたらどんなものだろうか。それは最初に人間を誘惑した生物にふさわしい美しさと、グロテスクを兼ね備えたものに違いない。

 今回は Death Stranding(デス・ストランディング)の紹介、おすすめ文を書いてみようかと思う。というのも自分がこのゲームを買うかどうかを判断する際にYoutubeやTwitter、Amazonレビューなどをちょこっと見たのだがこのゲームがどういうゲームかを皆書きあぐねており、大体どのメディアでもやってみれば分かる/やってみないと分からないという結論に見えたので自分ならどう書くだろうという疑問が頭の片隅に残っていたからだ。そしてかく言う自分もまさにその1人になっている最中かもしれない。

 ちなみに自分はこのゲームを95時間ほどやってクリア済み。2周めを自分ルール+日本語音声(1周めは英語音声)で実施中。現時点で合計100時間程やっている。これからこのゲームを買うかどうか考えている方向けに致命的なネタバレは含まれないように書くつもりです。ちなみにこの記事を書くにあたってブログやゲームサイト、小島監督の記事等をわざわざ検索して見ていないので既に誰かが同じようなことを書いている可能性はあります。ご了承ください。

 まずはどういう人におすすめのゲームなのか。自分は以下にあてはまる人だと思っている。
 1. 特定のジャンルに偏らずアクションゲーム全般が好きだと自覚している人
 2. ゲーム内で作業を行ったりやゲーム内で設備を充実させるのが好きな人
 3. 散歩、ハイキング、山登りが好きな人

 まずは1つめの傾向をあげた理由だが、筆者がこのゲームを一言で表わせと言われればこのゲームは「対象年齢高めのスーパーマリオだ」と言うだろう。そしてこのゲームがどういうゲームかを皆が書きあぐねていたところとリンクしているとも思う。古く、そして新しい王道(つまり中庸)のゲームという感じだ。例えば同じアクション系のゲームでもメタルギアソリッドがどんなゲームかを表現するのにそこまで苦労はしないと思う。例えば「敵地に潜入して任務を遂行するスリルを味わうステルスアクションゲーム」と書いて平均偏差から大きく外れるとは思えないし、このゲームがどういう人に向いているかはすごくはっきりしているように思える。また、買うかどうかはおもしろいかどうかをレビューや動画で判断すればよいので本作デスストに比べて迷う余地があまりないと言っていいだろう。しかし、スーパーマリオブラザーズがどういうゲームで何がおもしろいかをセットで説明しろと言われても(さらに発売当初であれば余計)ノータイムで回答できる人は少ないと想定される。

 では筆者が自分なりにマリオの何がおもしろいかを書くとすればそれは気持ちのよい操作性と気持ちの良い効果音につきると思う。Bボタンでのダッシュの加速感とそれに伴う慣性、ジャンプの飛距離。敵を踏んづけた際のポコッという音、コインをとった時のチャリーンという効果音、水中での絶妙な浮遊感やファイヤーマリオで火の玉を放出する爽快感。それはデスストも同様の気持ちよさを持っている。マリオで言うジャンプはセンサーを打つ際の重低音の気持ちよさに、小さな足場を飛んでいく気持ちよさとスリルは荷物でふらつく主人公を安定させるボタン長押しに例えられるはず。コインを取得する気持ちよさはイイネをもらった時や配送を完了させた時の小気味いい音に、Bダッシュは乗り物に乗った時の加速移動に、敵を踏んだ時の爽快感はグレネードを対峙した敵にヒットさせることに、ファイヤーマリオの火の玉は銃を使ったアクションにそれぞれ例えられるだろう。

 つまりマクロで見るとデスストはスーパーマリオと良く似ていると言える。しかし、かと言ってマリオをプレイすればいいという結論にはならない。どこを特徴づけるかによってゲームというのは全然別のものになるからだ。例えばロックマンは角度を変えて見ると常時ファイヤーマリオである楽しさを追求したものとも言えると思うが、じゃあマリオをやっていればいいかと言うとやはり違うだろう。このゲームはあくまで配送とそれによる繋がりについて特徴づけられており、このゲームでしか味わえないものとなっている。

 2つめに関しては荷物配送が主なプレイ内容なので、ゲーム内で頼まれごとや作業を行うことに達成感を感じれる人には向いていると思われる。また、皆で素材を持ち寄ってインフラを復旧させたり、建造物を建てていく楽しさもあり、筆者も最初のプレイはこれに夢中になった。3つめに関しては配送ルートを好きに選択して開拓していく楽しさや、配送先、拠点を新たに見つける楽しみがあるためだ。2つめ3つめに関してはAmazonレビューやTwitterなどで同意見を見たためそこまで詳しくは書かないが自分なりの楽しみ方を見つけやすいゲームでもあると思う。ちなみに筆者は拾ったものだけでやりくりするというルールで2周目を実施している。

 さて、良い所ばかりをあげて来たがムービーが長いという指摘は確かにその通りだ。ゲームの序盤と終盤は時間に余裕のある時にやろう。ある程度はスキップで飛ばせるし、飛ばした分もほとんどアーカイブで読み返せるのでそこまで致命的ではないと考えている。

 以上が筆者のデスストランディングレビューだ。その他にもこのゲームは語れる要素を沢山持っているのでよい話のネタになると思う。例えば以下はたまたま見つけて面白かったコラムだ。クリアした人はぜひ。

https://news.denfaminicogamer.jp/kikakuthetower/191108z


購入、サポートへのメッセージに掌編を5つに分けて載せています。 ランダムに表示されるはずなので気が向いたら集めてみてください。