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劇評|自分の中の他人の体、他人の中の自分の体 | 和田ながら×やんツー「擬娩」

 あなたもわたしも、生まれてきた。こうしてここに生きているなら、ともかく誰かから生まれてきたことはたしからしい。動き回るセグウェイは女性の声でそのような問いかけをしたあと、こう提案する。    「産むところからやってみよう」  それにのって妊娠・出産をシミュレーションするのは、十代の女子・男子、成人男性という、妊娠・出産ができない/すると想定されていない役を帯びた四人である。  本作のタイトルでもある「擬娩」とは、妻の出産前後に、夫が出産に伴う行為の模倣をする風習のことだと