S!GNATURE 考察メモ
トワコレS雛菜から数ヶ月も経たない内に恒常P雛菜。全然来てくれなくて泣く泣く……笑顔で天井。雛菜かわいい〜〜!!!!
トワコレ雛菜がプールだった時、あの因縁(?)の「pooool」!!?ってなったけど、ここで「月」が出てくるとは、何か繋がりを感じます。それにノクチルP四周目は「雨」がモチーフぽいのも意味深。プールと月と雨。並べただけで何か詩的。ノクチルは文学。それはさて置き、材料は出揃ったので、早速調理してみよう。食べれるものになるといいけど。
以下ネタバレにご注意ください。
1 月面を指でなぞって
ブライダル透の台詞にこんなのがあります。
「火星に雨は降るんだろうか」
「pooool」でも、小糸ちゃんが「明日全国的に雨だって!」と言った後に、透が「プール、いきたいわー」と呟きます。この、「火星」と「プール」が指しているものって、「アイドルの世界=海」だと思うんですね。
ただ透にとって、アイドルの世界とは日常の延長線上にあるものに過ぎなかった。透の求める「非日常」ではなかった。そのことが、「火星だと思ってた太陽のこと」や、「水のないプールに落ちてた月」に繋がっているとしたら、ここで太陽や月が指すのは「非日常」あるいは、偽者の(透明な)自分とは違う「ホンモノ」です。
火星に雨が降ったら、水のないプールに雨が降ったら、「ホンモノ」になれるんだろうか?あの太陽や、月のように。
どうやって「ホンモノ」になるのか。なにがホンモノなのか。ノクチルの四周目は各々が、その答えの手掛かりを掴む話だったのかもしれない。ああーそういう……(謎に納得)。これは読み直さないとだな……。
脱線した。本題は、雛菜さんの手掛かりはどこにあったのか。今回の雛菜コミュを読んで感じたのは、「交換」という「コミュニケーション」に雛菜が「ホンモノ」を求めているということです。
順を追って話す(努力をする)と、今回のコミュでも雛菜節というのは健在でしたし、やっぱり少しこわい、なんて感じたんですよね。
ファンではない高校の先輩たちにサインを書かないのは、それなりに頷ける話だと思うんですけど、雛菜のファンであったフォロワーにもサイン書かないのか、それは……ってな感じで、きっと雛菜さんなりに考えがあってのことだろうと、唸ってたんですが、trueを見て、不意に思い出した話があって、それが、精神科医のジャック・ラカンが金銭を払えなかった(払わない)患者に対して、容赦なく平手打ちをしたという話だったんですね。
私この話聞いた時、雛菜コミュに感じた「それは……きっと何か考えがあるんだろう……私にはイマイチ理解できないけど……」てな反応をしたんですよね。
だって、一応、患者だぜ?そりゃあ慈善事業ではないのはわかるけど、なにも打たなくても……ていうのが雛菜にも当てはまるんですよね。患者=ファンと読み換えると、あとはそのままで「なにも断らなくても……」っていう帰結になります。そこでシンパシーを感じたので調べてみると、とてもぴったりなのがありました!
この、
「精神科の治療なら,言葉のやり取りがあり,病院の窓口では金銭のやりとりがある。そうやって交換がスタートすることで,止まっていた患者さんの時間が流れ出すのだと思います。」
というのを、雛菜コミュに即して読み換えると、
「アイドルのサイン会なら、言葉のやり取りがあり、整理券購入という金銭のやりとりがある。そうやって交換がスタートすることで、止まっていたファン(とアイドルの間)の時間が流れ出す」
という風に読めると思います。雛菜はサイン自体、「モノ自体」に価値があると思っていません。売られているものに価値があるのではなく、それを介して交わされた言葉や、好きだから会いに行こう、という能動性によって、価値が見出されると考えている。
引用の前後の話に、「患者が治そうと思っていないと治らない」という言葉があって、それと同じように、「ファンが会いに行こうと思っていないと特別なものにはならない」。雛菜風に言えば「しあわせになろうと思っていないとしあわせになれない」ということだと思うんです。
「交換」という「コミュニケーション」の場に来てもらうこと、そうすることで初めて、雛菜はサインを「あげる」ことができる。
アイドルとファンの間に「時間」が生まれ、雛菜はそこに「ホンモノ」を、しあわせを見出すことができる。「無時間モデルでは絶対に交換はできない」ものを交換できる。
「水のないプール」に「雨」が降る。それは透が見上げていた「月」よりも、確かな「ホンモノ」です。透が月ではなく、プールを目指したように、雛菜も、プールを目指します。
水のあるプールを。=海。
「海に出るつもりじゃなかったし」!!!!
雛菜ーーッ!!!!
2 [produced by]XXX
制作者はXXX。ひなな、でいいのかな。いいよな。とりあえずそういうことにして置いて、ならどうして匿名になってるのか。秘匿されているのか。これにも、しっくり来そうなのがありました。以下引用です。
これは師と生徒(弟子)の話ですけど、雛菜の場合、アイドルとファンの話になります。私が強調したところを読み換えてみると、
「ステージのこちら側」と「あちら側」の間には乗り越えがたい知的位階差があるという信憑が成立する限り、そこでは「アイドル(偶像)」が機能する。これがほんらいの「常識」なのである。
けれども、アイドルはその「常識」を知っているが、口にすることをはばかる。それを卑劣だとか陰険だとか咎めてはならない。というのは、「アイドルという仕事は実は誰でもできるのだ」ということは「とりあえず秘密にしておく」ということも含めてアイドルは設計されているからである。「知っているけれど、知らないふりをしている」のである。そういうものなのである。
これでいいのかな?もう少し噛み砕いてみると、ステージのこちら側=アイドルと、あちら側=ファンの間には乗り越えがたい、知的位階差=住んでる世界が違うとか、同じ人間とは思えないとか、そういう信憑が成立して初めて、「アイドル」というのは機能する。
そして、この「常識」は暗黙の了解として、機能し続けることが必要なんですね。というのも、「アイドルという仕事は実は誰でもできるから」です。
シャニPがアイドル役をしたように、そこにいるのは誰でもいいわけです。ただ、この「誰でもいい」ということを口にしないことが、アイドルを機能させるための「暗黙の了解」になっている。
先輩たち(ファンではない人)が雛菜の写真やサインを欲しがったのは、雛菜だったから、ではありません。そこに有名人がいれば誰でもよかった。誰でもいいということを口にしてしまった。そこに「乗り越えがたい知的位階差があるという信憑」は成立していません。その時点で、雛菜は「アイドル」としてサインできないのです。
しかし雛菜はファンであった人に対しても、同じようにサインをしません。けれど、事情は随分違っていて、雛菜がサインをしないのは、ファンとの間に「乗り越えがたい知的位階差があるという信憑」が機能しているからこそ、その一線を雛菜が越えてしまうと、その信憑を自ら否定することになってしまうからです。
雛菜があそこでファンにサインをしたとしても、信憑自体はなくならないかもしれない。けれど、雛菜はしあわせに対して、妥協してしまうことになります。それはファンが信じている「市川雛菜」というアイドルを、雛菜自ら破壊してしまうことであり、雛菜の「しあわせ」には繋がっていません。雛菜が「アイドル」として在り続けるためには、「知っているけれど、知らないふりをしている」ことが大前提なのです。
この前提の上で、乗り越えがたい一線が引かれたままで、両者が結び合う場所。それが、雛菜にとっての「サイン会」、雛菜もファンも「しあわせ」になれる特別な場所でした。
雛菜の名前が匿名になっているのは、秘密にしておくことで市川雛菜が、アイドル(特別)として在り続けることができるからなんだと思います。それはきっと「ホンモノ」よりも、「ホンモノ」なんです。
雛菜はたくさんのしあわせを抱えて待っていてくれている。後はそこに俺たちが飛び込めばいいのだ!みんなでしあわせになろうな。
余談
どう?食べれるものになってる??なってるといいな……
これでノクチル四週目は出終わったわけだけど、透はゲーセン、円香は教室、雛菜はバス停、小糸は踏み切り、って何を意味しているんだ……教えてくれノクチル学会……
それにイヤリングの位置が透は右で、円香雛菜小糸は左なんですよね。透雛菜は茫洋と(?)、円香小糸は笑顔、で表情が分かれてるのも何か意味があるのかな?
傘を閉じてる透、傘を差してる円香、傘を手離す雛菜、傘で遊んでる(?)小糸、とか疑問がつきない!気になる木になってしまう……
何はともあれ、ここまで読んで頂きありがとうございます……!色々言葉足らずだとは思いますが、糧になったら嬉しいです。では!
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