るろうに剣心 最終章/The Final 感想
つぶやきで「今週中に映画の感想書きます!」と宣言してから大分経ってしまいました。ごめんなさい・・・(もう安易な宣言は致しませぬ)。完全に忘れぬうちに、るろうに剣心の感想を書き記しておこうと思います。もう完璧じゃなくていいや。てな訳で、以下ネタバレ注意!
※ネタバレ注意※
るろうに剣心 最終章。剣心の過去を紐解く鍵を握る、姉弟を描いた二部作。私はThe Final→The Beginningの順番で観に行きました。何故るろうに剣心を観に行こうと思ったのか?新田真剣佑さんが出演していたことがきっかけです(前から気になってはいたけれど、ブレイブ群青戦記を観に行ってから更に気になる存在に)。新田さんが米国に旅立つ前の、最後の日本での映画出演(正確には今後、日本と海外を行き来しながらお仕事をなさるという話だそうで、日本での活動もまた見られる日は来ると思うのですが・・・)ということで・・・これは是非とも劇場のスクリーンで暴れる姿を拝みたいと思った次第であります。
ちなみに、るろうに剣心は原作未読です。高校生の頃、ワンオクのThe Beginningを聴いて衝撃を受けた記憶が蘇ってきました(それについては別途、The Beginningの感想で少し触れたいと思っています)。ブレイブ群青戦記で人がバサバサ斬られるシーンに耐性はついたつもりでしたが、るろうに剣心もなかなか・・・。序盤の汽車での尋問シーン。江口洋介氏演じる斎藤一の切れ味鋭い渋み、立ち振る舞いに格好いいなぁと見惚れていたのも束の間。新田さん演じる縁が部下を刺すシーンで「痛たたたたた!!」と思わず薄目になってしまいました(飴細工のハート)。序盤でこんなんで大丈夫か私・・・と思いましたが、すぐに物語に引き込まれていきました。(矛盾するようですが、私は残酷なシーンを観るのは苦手だけれど、作品に関しては規制するよりも、作り手が作りたいように作ってほしいと思っています。)
それにしても、剣心を演じる佐藤健さん、新田真剣佑さんは勿論のこと、土屋太鳳さんや伊勢谷さんなど俳優陣の殺陣(千葉真一さんの言葉を借りるなら殺陣というよりもアクション?殺陣アクション)の迫力が凄まじくて、ただただ圧倒されました。本当にオリンピックレベルではないかと・・・。同じ人間の動きとは思えない。俳優って凄い。
縁の剣心への憎悪は剣心のみならず、剣心を取り巻く人々へも向けられます。よく因果応報は本人だけではなく、本人の大切な存在(子供、孫など)へも巡ると言われますが、勘弁してほしいですな。普通なら良心がはたらいてそこまでの行為には及ばないと思うのですが・・・それ程までに縁の心はガチガチに凍ってしまったのだと思うと、ゾクリとしました。
うろ覚えなのですが、マシンガンを腕からぶっ放っていた敵(確か・・・)が剣心に「せめて俺を殺せ!!!」と叫ぶシーンも悲痛で・・・。それに対し「新しい時代に生きてくれ」と言い放つ剣心。敵にとっては命を絶たれることと同じくらい残酷な言葉なのではないでしょうか・・・。
The Finalで印象に残ったシーンについて。予告でも流れた、魂がぶつかり合うような決闘シーン。今まで生きてきた思いの全てをかけ、建物を破壊しながら剣心に向かっていく縁の迫力たるや。バトル中、落ちた瓦礫(行灯だったかも?)をコナン君の弩級サッカーボールの如く蹴って剣心を仕留めようとする動きが斬新でした。只管、縁を受け止め、応える剣心。泣けるぜ・・・。
そして縁と薫が会話をするシーンも印象的で。拉致された薫がベッドで目覚めるシーンで、縁にもまだ良心が残っているんだと感じることができました。流石の縁も、姉と同じ年頃の女性には手を出せなかったということなのでしょうか。その後、薫を殺せず岬で嘔吐する縁。縁の深い苦悩が垣間見えた瞬間でした。いやこのシーン、俳優・新田真剣佑が持つ蠍座的情念(←?)が爆発していて、本当に目が離せなかった・・・。
るろうに剣心は「贖罪」がテーマとのことですが、剣心の贖罪だけを描いたお話では無いんだなと。人を斬るということが既に大罪で、それが珍しいことではなかった時代の終焉が何を意味するのか。深く考えさせられるテーマだなと思いました。
そして美術品や色彩などへのこだわり。町並みや着物の質感など、(素人の私から見ても)時代考証がしっかりされているように感じました。町行く人の顔のくすみや、ちょっとした庭の造り、小物などにその時代の空気感がよく出ていて、そういった制作陣の細部のこだわりによって世界観に没入することが出来たんだなぁと思ったのでした。
とりとめも無く語りました。まだまだ語り尽くせぬのですが、取り敢えずこの辺で。ブレイブ群青戦記の時もそうでしたが、観終わった後も余韻は冷めず。パンフレットも品切れ状態だったし、こりゃ熱心なファンが大勢いる筈だなぁと納得しました。今作を劇場で観ることができて、本当に良かったです。
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