労働関連法規・契約形態(労働基準法,フレックスタイム,労働者派遣契約,請負契約),取引関連法規(製造物責任法,下請法,特定商取引法,リサイクル法,資金決済法,金融商品取引法,公益通報者保護法,情報公開法)
◆労働関連法規
代表的なものに「労働基準法」「労働契約法」がある。
◆労働基準法(労働関連法規のひとつ)
労働条件の最低基準を定めた法律。
労働時間(原則):8時間/日、40時間/週。
時間外や休日の労働を認めるには労使協定を書面で締結し、行政官庁に届け出ることになっている。(労働基準法第36条:通称サブロク協定)
休憩時間:労働時間が6時間超過の場合45分、8時間超過の場合60分必要。
※経営的立場にある管理監督者は、残業などの規制の対象外。
◆労働契約法(労働関連法規のひとつ)
労働者や使用者が、対等の立場で労働条件について合意し、労働契約を締結することを定めた法律。
◆フレックスタイム
所定の労働時間を満たしていれば、始業や就業時間を定時からズラして良いとする仕組み
コアタイム(必ず勤務する必要がある時間帯)が設定されている場合もある。
◆労働関連の契約形態
正社員を除いて、代表的なものに「労働者派遣契約」「請負契約」がある。
◆労働者派遣契約(労働関連の契約形態のひとつ)
労働者が、派遣元企業(派遣会社)との雇用関係とは別に、派遣先企業の指揮命令を受けて仕事を行う契約のこと。
(雇用関係と指揮命令関係が切り離されている)
派遣労働者を保護する目的で、以下が定められている。
・同一の組織単位への、同一人物の派遣は原則3年を上限とする。
・派遣先企業は、派遣労働者を選ぶことが出来ない(事前面接の禁止)
・派遣先企業は、派遣された労働者を別会社へ2重派遣することは出来ない。
・派遣元企業は、派遣労働者との雇用期間が終了後、派遣先企業に雇用されることを禁止することは出来ない(派遣先企業が雇用しても良い)
・自社を離職した労働者を1年以内に派遣労働者として迎えることは出来ない。
・建設、警備、医療関係 等の派遣禁止業務がある。
◆請負契約(労働関連の契約形態のひとつ)
請負企業が発注企業から請け負った仕事を、期日までに完成させることを約束して、発注企業がその仕事の成果物に対して対価を支払う契約のこと。
民法で定められている。
請負契約では、成果物を納入するまでは、全ての請負企業の責任とリスクにおいて作業を実施するため、発注企業が請負企業の労働者に直接指示を出すことが出来ない。
請負企業には、請け負った仕事の契約の内容に合わない時、相当の期間内(最長10年)であれば責任を負う契約不適合責任がある。
◆取引関連法規
代表的なものに「製造物責任法」「下請法」「特定商取引法」「リサイクル法」「資金決済法」「金融商品取引法」「公益通報者保護法」「情報公開法」がある。
◆製造物責任法(取引関連法規のひとつ)
製造物の欠陥が原因で、人の生命や身体等に係る被害が生じた場合、過失の有無にかかわらず、製造業者 等の損害賠償の責任について定めた法律。
消費者の保護が目的。
「製造物責任」とは以下3点を満たすもの。
1.製造業者 等が製造物を自ら引き渡したこと
2.製造物に欠陥が存在すること
3.欠陥と損害発生との間に因果関係が存在すること
◆下請法:下請代金支払遅延等防止法(取引関連法規のひとつ)
下請け取引の公正化、下請事業者の利益保護を目的として定められた法律。
親事業者は、委託の内容・受領期日・成果物を検査する場合は、検査完了日、代金又は代金の算定方法、支払期日等を書面にし、下請け業者に交付する。
親事業者は、検査の有無にかかわらず、成果物等を受領した60日以内に、下請け代金を支払う義務がある。
◆特定商取引法(取引関連法規のひとつ)
トラブルが生じやすい取引での消費者保護を目的として定められた法律。
トラブルが生じやすい取引:店舗以外での販売形態をとる「訪問販売」「通信販売」等。
事業者名の表示義務、契約締結時の書面交付の義務、不当な勧誘の禁止、誇大広告の規制、通信販売などの広告メールの規制 等が定められている。
◆リサイクル法(取引関連法規のひとつ)
資源の分別回収と再資源化について定めた法律。
パソコンリサイクル法、家電リサイクル法 等がある。
◆資金決済法(取引関連法規のひとつ)
商品券や電子マネー等の取り扱いについて定めた法律。
暗号資産の取引サービスも対象となっている。
◆金融商品取引法(取引関連法規のひとつ)
有価証券や金融商品の発行や売買について、投資者保護や公正な取引を目的として定められた法律。
◆公益通報者保護法(取引関連法規のひとつ)
所属する組織や派遣先企業 等の重大な犯罪行為を知り、公益のために内部告発(公益通報)した労働者が、解雇等の不利益な扱いを受けないように保護する法律。
通報先によって保護要件が異なる。
通報先は「組織内の窓口」「監督官庁や警察」「報道機関」。
組織内の窓口へ通報:「①犯罪行為がありそうだと思う」で保護される
監督官庁や警察への通報:上記①に加え、「②証拠」が必要
報道機関への通報:上記①②に加え、「③証拠隠滅の恐れや生命への切迫した危険がある等」が必要
※匿名での通報も可能
※保護対象者にはアルバイトも含まれる
◆情報公開法(取引関連法規のひとつ)
国や自治体の行政機関が保有する資料について、原則公開を義務付けた法律。
国民が情報の開示を請求する権利、その手続き 等について定めている。
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