知的財産権(著作権:著作者人格権&著作財産権,産業財産権:特許権&実用新案権&意匠権&商標権),不正競争防止法,ソフトウェアと使用許諾契約,ライセンス

◆知的財産権

「著作権」と「産業財産権」に大別できる。


◆著作権

文化的な創造物を保護する権利。

文芸・学術・美術または音楽の範囲に属する著作物(作品)の利用について、著作者が独占的・排他的に支配して利益を受ける権利。

出願や登録をしなくても、著作物を創作した時点から権利が発生し、個人では著作者の死後70年間は保護される。

「著作権」=「著作者人格権」+「著作財産権」


◆著作者人格権(著作権の一つ)

「公表権」「氏名表示権」「一性保持権」等

公表権:未公表の著作物を公開するかどうか、公表の時期や方法、条件 等を著作者が決定できる権利

氏名表示権:著作名を表示するのか、実名を表示するのか、ペンネームで表示するのか 等を著作者が決定できる権利

同一性保持権:著作物に対して、著作者の意に反する改変 等を受けない権利


◆著作財産権(著作権の一つ)

「複製権」「貸与権」「頒布権」等

(詳細は省略)


◆コンピュータに関する著作物

プログラム、マニュアル、Webページ 等コンピュータに関する著作物も著作権の対象。

無断で複製時は著作権の侵害。

※頻出内容

・プログラム言語やアルゴリズム(解法)、規約(プロトコル)は、著作権の保護対象ではない(保護対象外)

・プログラムは著作権の保護対象である

・「A社」に属する「B氏」が業務でプログラムを開発した場合、特段の取り決めがない限り、プログラムの著作権は「A社」にある

・「A社」が「B社」にプログラム開発を委託した場合、特段の取り決めがない限り、プログラムの著作権は「B社」にある。


◆著作物の特例的な利用

教育機関が、教育目的で資料の複製や配布を行う場合、著作物の特例的な利用が可能。

教育機関の設置者は、「授業目的公衆送信補償金制度」に基づき補償金を支払う。

ただし、必要と認められる範囲で、かつ著作者の利益を不当に害さないことが条件。


OK例:教員が他人の著作物を使って作成した教材をサーバに置き、生徒に見てもらう。これは有償・無許諾で可能。


NG例:他人の著作物を使った授業動画をYouTubeで一般公開する。

NG例:本1冊まるごとPDF化してサーバに置く。


◆産業財産権

産業の発展を保護する権利。

特許庁に出願・審査・登録することによって権利が発生する。

(著作権は、産業財産権に属さない)


「特許権」「実用新案権」「意匠権」「商標権」がある。

特許権:新しい高度な発明を保護。

実用新案権:物品の構造・形状の考案を保護。

意匠権:物品のデザインを保護。

商標権:物品やサービスに使用するマークを保護。


◆特許権(産業財産権の一つ)

産業上利用することが出来る新しい「高度な発明」について、独占的・排他的に利用できる権利のこと。

日本では、最初の出願者に与えられる権利(先願主義)であり、出願日から20年保護されている。


◆ビジネスモデル特許(産業財産権の特許の一つ)

最近のコンピュータやインターネット 等を活用した新しいビジネスの仕組み(ビジネスモデル)を対象とした特許。

例:Amazon社の「1-click」:予め利用者が支払情報を入力しておけば、1回のクリックで商品のオンライン購入を完結させられる特許。


◆実用新案権(産業財産権の一つ)

物品の形状、構造、組み合わせにかかる「考案」について、独占的・排他的に使用できる権利のこと。

出願日から20年保護される。

特許権と異なり、「高度さ」は求められていない。


◆意匠権(産業財産権の一つ)

者の形状や模様、色彩等で表した「商品のデザイン」について、独占的・排他的に使用できる権利のこと。

登録日から20年保護される。


◆商標権(産業財産権の一つ)

文字や図形、記号、立体的な形状等で表した「商品やサービスのマーク」について、独占的・排他的に使用できる権利のこと。

登録日から10年保護され、更新の申請を繰り返すことによって、実質的に半永久的な権利を保有できる。


◆不正競争防止法

事業活動に有効な「技術上または営業上の秘密(営業秘密)として管理されている情報」を保護し、不正な競争を防止することを目的とした法律。

これにより、他人の商品の形態の丸写し(デッドコピー)等の模倣、他人の商品や営業活動と誤認混同されるような表示の不正な使用に対して、差し止め請求や損害賠償請求ができる。


営業秘密とは以下3つ。

①秘密として管理されているもの

②事業活動に有用な技術または情報であるもの

③公然と知られていないもの


◆ソフトウェアと使用許諾契約

市販のソフトウェアを購入・使用する場合、ソフトウェア使用許諾契約書(ライセンス契約書)に同意する必要がある。

(ソフトウェアを購入せず不正に使用することは「著作権」の侵害)


◆アクティベーション(使用許諾契約 方法の一つ)

ソフトウェアの不正利用を防止するために、「プロダクトID」と「利用者のハードウェア情報」を使って、ソフトウェアのライセンス認証を行う方法。

Activation。「有効化すること」と訳される。


◆サブスプリクション(使用許諾契約 方法の一つ)

月額や年額で利用料金を支払い、常に最新のバージョンが利用できる契約方法。

Subscription。「定期購読」と訳される。


◆ライセンス

複数人や複数台まで使用できる契約。

「ボリュームライセンス」「サイトライセンス」がある。


ボリュームライセンス:大量購入者向けに、マスターを提供してインストールの許諾数を予め取り決める契約

サイトライセンス:特定の企業や団体などにある、複数のコンピュータでの使用を一括して認める契約


◆CAL

クライアントサーバシステムにおいて、クライアントがサーバに接続してサーバの機能を利用する権利のこと。

Client Access License。キャルと読まれる。

例:WindowsサーバのOSに「5CAL付」の表記

同時に5大のクライアントにサービスを提供でき、後からCALを追加購入できる


◆DRM

Degital Rights Management。「デジタル著作権管理」と訳される。

デジタルコンテンツの著作権を守る技術のこと。

音楽や電子書籍、映画 等が該当。


特定のソフトウェア上でのみデータ再生が可能であったり、コピー回数を制限したり(コピープロテクト)する技術。


◆CPRM(DRMの技術の一つ)

Content Protection for Recordable Media。

1回だけ複製できるようにしたコピープロテクトの技術。

コピープロテクトを無効化するプログラムの販売は著作権法で禁止されている。


◆電子透かし(DRMの技術の一つ)

コンテンツデータに、一見して分からないように著作権情報 等を埋め込み、不正に利用された場合に検出できるようにするもの。



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