技術戦略(イノベーション,技術ロードマップ,技術ポートフォリオ,APIエコノミー,オープンイノベーション,デザイン思考,リーンスタートアップ,魔の川・死の谷・ダーウィンの海,イノベーションのジレンマ)

◆技術戦略

企業が開発した高度な技術を核として戦い抜くための計画や戦略のこと。


◆イノベーション

画期的な新しいものを作り出すこと。

Inovationは「技術革新」「新機軸」「新しい切り口」と訳される。

「プロダクトイノベーション」「プロセスイノベーション」に大別される。

プロダクトイノベーション:製品そのものに対するイノベーション

プロセスイノベーション:業務プロセスに関するイノベーション


◆MOT

Management Of Technology。

「技術経営」と訳される。

イノベーションを強く念頭に置いた経営。

企業が独自の高度な技術(コアコンピタンス)等の技術開発に投資し、イノベーションを創出することによって、技術革新を効果的にビジネスに結び付けていこうとする経営の考え方。


◆技術ロードマップ

将来の技術動向を予想して、進展の道筋を時間軸上に表したもの。

例:経済産業省の「技術戦略マップ」は将来的な研究開発や技術利用の方向性を示したもの。


◆デルファイ法

複数の専門家からの意見を収集・収集した意見を集約・集約した意見をフィードバックすることで、意見を収束させていく手法。

技術開発戦略の立案に必要になる、将来の技術動向の予測に用いられる。


◆技術ポートフォリオ

「技術の重要度」「技術の習熟度」等を軸にしたマトリクスに、市場における自社の技術の位置づけを示したもの。

技術戦略に役立てる。

ある分野の技術において、「重要」であり「他社よりも自社が有意」であれば重点的な投資が必要と判断される。


◆API

Application Programming Interface。

アプリケーションの機能を外部から利用できるようにする仕組み。


◆オープンイノベーション

企業内部に留まらず、他企業・他業種・大学・地方自治体・官公庁 等と協力して、互いの専門知識を活かしてイノベーションを起こそうとする考え方。

APIエコノミーも広義ではオープンイノベーションの結果である。


◆APIエコノミー(オープンイノベーションのひとつ)

企業同士がAPIを使ってサービスを連携させることで生まれる新しい経済圏。

例:以下のUber、Google、他外部アプリによる経済圏。

taxi配車サービスUberは、Google MapのAPIを使い地図を表示しており、決済機能も外部APIを利用、Uber自体の配車依頼もAPIとして外部アプリが利用でき、バックマージンがUberから支払われる。


◆ハッカソン(オープンイノベーションのひとつ)

開発者・デザイナー 等が集まってチームを組み、数時間や数日間の日程で、与えられた課題にチャレンジするイベントのこと。

企業や組織を超えて協力し合うオープンイノベーションのひとつ。

新しいサービスや機能が生まれるきっかけになる。


◆デザイン思考

ここでの「デザイン」は「設計する」「問題を解決する」の意味。

以下を繰り返すことで、イノベーションを生み出そうとする考え方。

「顧客の立場で観察する」「潜在的な問題点を抽出する」「問題解決のために、より多くのアイデアを出す」「すぐにプロトタイプを作る」「評価・改善する」

例:MDプレイヤーの「容量の少なさ」「手間」を問題点とし、「大容量」「メディア入れ替え無し」のiPodが開発された。


◆リーンスタートアップ

「低コスト」「最小の機能」の試作品・サービスを市場に投入し、顧客の反応をフィードバックして改善していく方法。

Leanは「痩せている」「最低水準の」と訳される。


◆魔の川、死の谷、ダーウィンの海

それぞれ技術経営における課題を示す言葉。


魔の川:基礎研究が製品開発に結び付かないこと

死の谷:製品開発が事業に結びつかないこと

ダーウィンの海:事業化出来ても市場に浸透しないこと


研究に要したコストが水の泡になる様子から「魔の川」に例えられる。

生産ラインや流通経路確保 等での開発段階を上回る資源・資金の投入から、落ちれば死ぬほどの「死の谷」に例えられる。

市場に投入した製品・サービスが自然淘汰を生き残れるか「ダーウィンの海」に例えられる。


◆イノベーションのジレンマ

大企業が新興企業の前に力を失う理由を説明した企業経営の理論。

大企業にとって以下のため新興市場への参入が遅れる傾向にあり、それは致命傷となる可能性を持つ。

・新興事業・技術は小さく魅力なく映る。カニバリズムの可能性も孕む。

・既存製品の優れた特色改良に目を奪われ、顧客の別の需要に目が届かない。


例:高いフィルムカメラ技術を要していた大企業が、デジカメへの切り替えに乗り遅れ、手遅れとなった 等。


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