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映絵師の印(えしのしるし)

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2021年2月の記事一覧

映絵師の極印~えしのしるし~ 第四話 後編・参 -修了-

前回のあらすじ 皇帝ジャンの過去を夢にみた陸。 それはジャンとその従者である零と翡翠が見せたものだった。 地下牢生活から、いよいよ本格的な修行が始まる。 「おはようございます」 零と翡翠に迎えられ、応接室に通された陸。ジャンは修行前にすべての仕事を終えるといい、執務室に入った。 「陸様、ゆっくり休めましたか。」 「えぇ、ありがとうございます。まさか、あの地下牢も修行のうちだったとは…」 地下牢での殺気立った自分を顧みて、自分の中にある違和感に気がつけた。 恐怖

映絵師の極印〜えしのしるし〜 第四話 後編・弐 −継承−

前回のあらすじ ジャンと修行していた陸だったが、ジャンの容赦ない攻撃に深手を負い、病院で治療にあたったジャンの従者・零(れい)と翡翠(ひすい)に戦いの基本を習い始めたが、ジャンに見つかり3名は倒され、陸は牢に入れられることになった。 すると、陸はジャンの過去を覗く夢をみるのだった。 「覚悟を決めたまえ、ガリアーノ・ジャン君」 母さんの名前はガリアーノ・マリア。3年前に、俺をおいてこの世から旅立ってしまった。 そんな母さんが唯一愛した男が俺の父親だった。 「俺はいつ

映絵師の極印~えしのしるし~ 第四話 後編・壱 -暴君-

前回のあらすじ 修行の成果で炎と氷の槍を手に入れた炎。しかしあまりにも力が強く、寺を半壊させてしまった。 これで残りは陸とジャンの修行なのだが、なにやら不穏な空気が漂っていた。 ーーーーー宮殿内の牢獄 ここは古くから、刑務所として利用されていたが、現在は刑務所設備が整い、ここは使われていなかった。 しかし、誰もいないはずの牢獄から何やら音がする。 「出せ!なんでこんなとこに入れられてんねん!出せ!出せぇ!!」 ドアを叩き、鉄格子をガタガタと揺らし、誰もいない通路

映絵師の極印〜えしのしるし〜 第四話 中編・参 −焔槍−

前回のあらすじ 銀からの叱咤に思うところもあった炎。自ら座禅修行に向き合い、銀から許しをもらうのだった。 しかし、座禅修行は始まりに過ぎず、大量の木偶人形との戦いが待っていた。そして、炎は自らの「技」の片鱗をみるのだった。 「なんやこれ…」 炎は自分の手に握られた槍を見て呆然としていると、周囲の木偶人形から攻撃を受け、吹き飛ばされてしまった。瞬間、槍はふっと消えていた。 「ちょっと炎ちゃん!大丈夫?!」 「……あー、これやこれ…はは、やっと見つけたわ…俺を…」 郭公