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映絵師の印(えしのしるし)

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2021年1月の記事一覧

映絵師の極印~えしのしるし~ 第四話 中編・弐 ―自覚―

前回のあらすじ 炎は銀との修行のため、炎にとっては誘惑うずまく歓楽街の一角にある炎法寺(えんほうじ)へと連れてこられた。 そこにはD-HANDSと縁が深い住職の火喰(ひくい)、幼馴染である郭公(かっこう)がいた。『禁欲』を命じられた炎は耐え切れず、逃げ出そうとするも銀に殴り飛ばされ、「二代目犬剣としての才覚はない」と告げられるのだった。 翌朝、銀は炎の部屋をノックした。 まったく返答がなく、これは気を引き締めてやらなきゃと思い、バン!とドアを開けた。 するとどうだろうか

映絵師の極印〜えしのしるし〜 第四話 中編・壱 −寺院−

前回のあらすじ 武市は狼との修行により、確実に自身の能力を伸ばすことに成功した。しかし、覚醒した武市と、やっと対等な相手を見つけた狼の修行を超えた戦いは飽きるまで続くのだった。 武市が狼のモンスターランチに挑戦しているとき、炎は辺銀に連れられ、いつも自分が飲みにでている繁華街にいた。 「銀じぃ、こんなとこになんかあるんかいな……こっちはあの寺しかないやん、もったいつけんと教え……お?」 「黙ってついてこい…おい!」 炎は行きつけの飲み屋の前で店員と談笑していた。銀は

映絵師の極印〜えしのしるし〜 第四話 前編・弐 −光明−

前回のあらすじ 修行に入った三人、まずは狼に修行をつけられる武市の話。狼のモンスターランチに付き合わされたがなんとか修行をつけてもらうようになる。 しかし、修行の場である、町外れの巨大な杉の木に武市は四苦八苦するのであった。 「まずは…こうか」 武市は自分の技を前ではなく、その場で留めた。しかし、力を持続させるのは生半可なことではなく、技はしゅるしゅると弱くなってしまった。 「くそ…こいつぁ大変だ…燃費が恐ろしく悪いぞ…」 『食え』 「なるほど、あれだけ狼さんが食う