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休業してもらうにあたって企業がとる具体的な方法論【第2回 新規採用型】

はじめましての皆さまも、以前お越しいただいた皆さまも
ご訪問いただきありがとうございます!

以前、産休クッキー論争として、とあるユーザーのX投稿から社会問題にまで発展してしまった騒動にからめ、休業とお仕事について、考えていることを書きました。
その中で、下記のような私見に触れました。


・各人と企業の体力的・精神的なキャパシティにそもそも空き=あそび=余裕がないこと
・業務に代替性をもたせていない(まかせっきり状態である)こと

が原因で、サポートに入る側の不満というものは生まれる

では、

・あそび=余裕をもたせるためにはどのようなことをしたらいいのか
・業務に代替性をもたせるためにはどのようなことをしたらいいのか

について、3つの採りうる方法論考察のうち、今回は第2回です。
第1回はこちら

よろしければ最後までおつきあいいただけましたら大変幸いです!

3つの方法論(おさらい)

➀分散型
自社内で新規採用せずになんとか解決したい企業様向け
②新規採用型
人を採用する体力はあるが、教育まで手が回らない・・・という企業様向け
③IT導入型
ふたたび起こるかもしれない将来に備えてある程度仕組化しておきたいという企業様向け

②新規採用型について

こちらは人を採用する体力はあるが、教育まで手が回らない・・・という企業様向けです。

産前産後休暇(+育児休業休暇)の期間に対応してくれるような臨時の人材を新規採用し、休暇に入る前までに引継ぎをしてもらって休業に備えるというパターンです。
こちらの方法論を採用している企業さんが多数ではないでしょうか。


上記の図を見ればわかるように、もっともオーソドックスな対応論で、いちおう理には適っていると思います。
ただ、細かく考えるとこの方法論にもメリットデメリットはそれぞれあります。

メリット・デメリット

〇メリット
・もともとの休暇をとるスタッフ以外のスタッフの業務量は変わらないため、戦力の温存ができる
・100%空きのあるスタッフに既存のスタッフの100%を移し替えるため、「しわ寄せ感」が発生せずに済む
・100%引き継ぐことができれば、サービスの質=会社の品質を下げることを防ぐ効果が期待できる

〇デメリット
・新規採用はスタートアップと同じ馬力がいるため、資金力と労働力に余裕のある企業でないと採用しにくい
・採用がスケジュールにのっとって順調であればいいが、限られた期間にピンポイントで採用することは難易度が相当あがる
・教育は”引継ぎ”という形になるため、通常業務と同時に行う必要があり、休業する側の【心労】が増える傾向はある
・新規採用スタッフのおぼえの速度によっては引継ぎが間に合わない可能性が残る
・スタッフが辞めるリスク

私の経験談

(1)サラリーマン時代、数多くのべ1200社以上のいわゆるバックオフィス事情を見てきて、新規採用型の”困ったTOP3”は次の3つです。

★第3位 期間限定の求人にするところが多かったため、そもそも応募者が少なく、なかなか決定できない
 まあ、採用される側からすれば、同じ労力気力を使って仕事を一からおぼえるのであれば、安定して働ける会社に入社したいと思うものですよね。
 他方、企業側からすれば、”余剰人員を抱える余裕がない”というのが本音でした。外側から第三者の視点で見ている私にはどうにも切ないです・・。

☆第2位 採用決定が遅れ、引継ぎが休業に間に合わず、業務に支障が出る
 
第2位は第3位と密接に関連する、切っても切れない悩みどころですね。
 こういう場合、多くの企業は既存のスタッフに頼るため、期間限定とはいえ、やはり「しわ寄せ感」が発生してぎすぎすしている会社さんを何社も見たことがあります。
 そのため、普段はあまり実務に手を出さない、もしくは普段からばりばり実務をこなす社長夫人(中小企業ではよくある専務取締役の立場の方)が、業務量を増やして乗り切る、ということをされる会社さんが多かったです。

👑第1位 引継ぎをはじめたが、業務内容が重すぎるのか人と合わないのか、新規採用スタッフが辞めてしまう!
 
これは、しゃれにならない哀しいあるあるダントツ1位(!)です。
 赤裸々に語ると、どちらも一因があると思うのですが、これを繰り返すと次第に焦りが色濃くなり、社内の雰囲気が日に日に悪くなってしまいます
 とある会社は結局これの繰り返しで、休業までに間に合わなかったばかりか、既存のスタッフまで退職してしまうという結果に陥りました・・。

(2)独立後、私は退職前の会社から、業務を外注として発注していただいた期間が長期間ありました。理由は、引き継げるスタッフがいなかったからです。
私としては、仕事になるのでいいといえばいいのですが・・・会社の在り方としてはやはり、”余裕”と”代替性”を持たせゆくゆくは自社スタッフで内製化することを目標にしてほしいと振り返ります。
なぜならば、
・それが品質の維持、更なる向上を目指す基となる
・会社の信頼度を対内的にも対外的にも上げ、持続可能性を生み出す
こととなるからです。

(3)また、最近、育児休業から明けて復帰した方から、こんな体験談もお伺いしました。
休業前に、後輩にすべての業務を引き継いで休業に入ったため、いざ休業が明けて出社してみると、できる業務がなかった、と。なので、社内営業して、自分で仕事をとってきてやるしかなかった、と。
この話も、なんともやるせない、切ない気持ちになり、泣きそうでした。
退職せずに復帰できるようにするために、社長さんは社長さんなりにとても頑張られたのだと慮ることができます。
他方、復帰してきて仕事がない状態であれば、いくら時短勤務とはいえ、居心地がよかろうはずはありませんよね・・。

第2回まとめ

こうしてみてくると、新規採用型のメリット、デメリットをよくおわかりいただけたかと思います。

この中から得た私の経験値は
・1対1の関係性は、うまくハマった時は1対2、1対3と効果は加速度的に伸びるが、同時にハマらない場合のリスクも大きい投機性の高い手段である
・できるだけみなが何をやっているのかを透明化し、さらに余裕があるならば箇条書きでもいいので記録しておく必要がある

これらの経験値を実際に企業内で活かしていただくために、
・採用は可能であれば100%を1名ではなく、30~50%を複数名の方が安定しやすい
・いずれ内製化を目指すためにもその方が効率がいい
・それにより生まれた余裕で、業務の見直し・マニュアル化を進める

ことを、日ごろからおすすめ・ご提案しています。


いかがでしたでしょうか。
今回の第2回はこれで終わりです。
次回は3回シリーズトリの、第3回です。

よろしければまた次の記事でまたお会いできれば幸いです!


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