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アルバムレビュー - Virginia Genta & Chris Corsano『The Live In Lisbon』

イタリアのサックス奏者Virginia Gentaと、アメリカのドラム奏者で日本ではジム・オルークや坂田明などとの共演で名をご存知の方も多いと思われるChris Corsanoによる2008年のライブ録音作(リリースは2009年)。

本作は長らくLPのみでのリリースで、私がVirginia Gentaの存在を知った頃(こちらで取り上げているので多分2015年辺り?)には既にDiscogsで結構な高値で買うしか方法がなく、聴きたいけど手が出ないみたいな状態がずっと続いていたのですが、つい最近彼女のbandcampでデジタル版が購入できるようになってることに気付きました(おそらく結構前から可能だった気がしますが、多分コロナ禍以降にアップされたとかでしょうか)。

内容はというと期待を裏切らない清々しいほどの猛進フリージャズで、これ以上語る言葉が全然ないのですがとにかく最高です。さっさと聴いてみてください。

Virginia Gentaのサックスはもちろん、Chris Corsanoも目一杯音をばら撒くような演奏をしていて、彼のフリージャズ寄りの演奏の中でも特に振り切ったものの一つといえるのではないでしょうか。1曲目の後半で見せる細かな音の粒が規則正しく転がるように出てくる演奏は同時期のEli Keszler辺りにも近いように聴こえます。

Chris Corsanoとサックス奏者とのデュオという意味ではMette Rasmussenとの作品と聴き比べるのもいいかもしれません(Virginiaはテナーがメイン、Metteはアルトがメインなのでサウンドの密度などに面白い差異があります)。


聴いてたらフリージャズのライブにめっちゃ行きたくなってしまいました。


本作のライブ録音時の映像


あと彼女については(その存在を既に知ってる方には有名な記事なんですが)日本語のとても丁寧なインタビュー記事があるのでそれを貼っておきます。


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