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2020年のベストアルバム - ジャズ

2020年の年間ベスト、ジャズ編です。今年はここ数年の中でもジャズの作品を聴く機会がかなり少なく、故にこういったベスト記事も私は作らないつもりだったのですが、ブログのほうに毎月まとめている『今月のお気に入り』からそういった作品だけを抜き出してみたところ、もう少し話題になったり広く聴かれてほしいな…と思うものがいくつかあったので、それらを広めることができる少ない機会を無駄にする手はないなと思い直し、やってみることにしました。

なんとなくの直感ですが、おそらく2020年に聴いたジャズ系統の新譜はきちんと聴いたものだとせいぜい50~70作くらい(多分100はいかない)ではないかと思います。その中からブログに載せていたのが30作前後、その中からベスト10作と次点10作を選んだかたちです。母数を考えるとあまり厳選感はないのですが、それでもしっかりとしたクオリティと、ものによっては目新しさも感じさせてくれるところは、近年のジャズの豊作具合を引き続き感じさせる部分ではあったかなと。

あと2020年にジャズを聴く中で印象的だったのは、バンド編成やサウンド、音楽の形式や構造といったところでいわゆる「ストレートアヘッド」と形容されたり、そこに近いものを持ったアコースティックなジャズに(作品のクオリティどうこうというより私の気分として)全然入り込めないことが多かったということでした。原因ははっきりとはわからないのですが、推測してみるならコロナ禍に伴う様々な事情により、そういった傾向の音楽が以前よりかなり縁遠いものに思えてしまったというところがあるかもしれません。元々そういった音楽のライブに足を運ぶことが多いわけではありませんでしたが、それでも年に数回、遠い土地への旅行も兼ねて観に行くということがここ数年は続いていましたし、自分はそういった経験との繋がりの中で無意識にライブの場や雰囲気を想像しながらそういった音楽を聴くようになっていたんだなと気付くところがありました。

そういった気分も影響してか、今回のセレクトはサウンドや形式などのどこかでアブストラクトな感触があるものが多い印象です。作品の内容がジャズというより、ジャズと関わりのあるミュージシャンが作った面白い作品(故にジャズかどうかは意見が分かれるかも)といったニュアンスのものも意図的に多く入れています。楽しんでいただければ幸いです。


・Berke Can Özcan『Mountains Are Mountains』

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・Bernhard Meyer & John Hollenbeck『Grids』

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・Jennifer Curtis & Tyshawn Sorey『Invisible Ritual』

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・Mary Halvorson's Code Girl『Artlessly Falling』

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・Nate Wooley『Seven Storey Mountain VI』

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・Nels Cline『Share The Wealth』

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・RJ Miller『RJ Miller Trio II』

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・Runden『Runden』

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・Shackleton/Zimpel『Primal Forms』

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・Tatsuhisa Yamamoto『Ashioto』

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次点10作

・Ambrose Akinmusire『On The Tender Spot Of Every Calloused Moment

・Cory Smythe『Accelerate Every Voice

・Jon Hassell『Seeing Through Sound (Pentimento Volume Two)

・Julian Shore『Where We Started

・Junk Magic『Compass Confusion

・Lucia Cadotsch『Speak Low II

・Ludwig Wandinger『The Gloss Effect

・No Tongues『Les voies de l'Oyapock

・Sam Gendel『Satin Doll

・Steve Lehman『Xenakis and the Valedictorian


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