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第60回「知ってみよう、聞いてみよう」 重イオ ンビーム (放射線)育種 !

アイチョイス×コープ自然派「第9回生産者消費者討論会」が兵庫県民会館で開催されました。 印鑰智也氏の基調講演「新たな放射線育種問題〜重イオンビーム育種とは〜」の内容の一部をお伝えします。

重イオンビーム(放射線)※育種米とは?

「重イオンビーム(放射線)育種米」とは、重イオンのビーム照射に よって特定の遺伝子を改変させたお米のこと。秋田や新潟など10の府県で開発が進められ、現在「コシヒカリ環1号」など22の品種が登録されています。

開発された背景には、日本が有数のカドミウム汚染国であることが挙げられます。そもそも、カドミウムは、銅や亜鉛の鉱脈に一定量含まれる元素で、人体に毒性があり発がん性のある物質です。イタイイタイ病の原因となり社会問題にもなった物質ですが、 現在はカドミウム汚染対策が進められ、健康に影響を及ぼす可能性は低いと結論づけられています。

従来の種子を守る運動を広げよう!

「重イオンビーム(放射線)育種米」をはじめとした放射線育種作物は、特定の遺伝子を切断するゲノム編集作物と同様、安全性の検証や表示なく流通することとなり、重イオンビーム育種の稲苗でも有機栽培の認証を受けられれば「有機認証米」としての販売も可能になるのです。

食べたい物を食べ、作りたい物を作る食料主権は基本的人権の基礎。安全な食料を求める人たちの意思と歴史の積み重ねとも言える有機認証にも影響を及ぼす恐れがあります。
アイチョイスでは、「壊していい遺伝子はない」をモットーに、重イオンビームを使用した突然変異育種に賛同いたしません。

※重イオンビームとは:様々な原子イオンの粒子を加速器で高速に加速し、植物に照射することでDNAを破壊し、人為的に突然変異を誘発しやすくする手法。他の放射線に比べエネルギーが大きい。

組合員理事 小浜 美保子

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