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習慣化するために知っておく必要があること

■はじめに

習慣を身に付けて前向きな変化を起こすには、以下を考慮した「最適なアプローチ」が必要
・人間の心理に逆らわない手順
・変化を容易にする工夫
・推測や誤った原理に頼らない道具立て

具体的には、
①自分自身を裁くのをやめる
  ⇒自己批判をしない
②目標を決め、「小さい行動」に分解する
  ⇒30秒もかからずにできる小さい行動に的を絞る
  ⇒例えば、朝起きたら「今日は素晴らしい日になる」と声を出して、
   前向きな気分になるように心掛けてみる
 ・小さい行動はリスクが小さい、一度に大きいことをやろうとすると手が止まってしまう
  巨大なクジラを食べる最善の方法は「一度に一口ずつ」口に運ぶこと
 ★「やる気」や「医師の力」に頼らない方法を選ぶ

③過ちを発見として受け入れ、前進するために役立てる
  ⇒どんな小さな成功も祝福することで、習慣を続ける原動力となる

 ★習慣を形作るための手順
  ①すでに習慣となっている日課(アンカー)と新たな習慣にしたいものを紐づける
  ②アンカーの直後に、新たな習慣にしたい「小さい行動」を実行する
  ③「小さい行動」をした直後に自分を祝福する。例えば「よくできた!」と自分に言う。

■人が行動する際の3つの要素

・人が行動するのは、以下の要素が一定の条件を満たしたとき
 ①モチベーション
 ②能力
 ③きっかけ
・①モチベーションと②能力は相関関係がある
  例1)モチベーションが高ければ能力が低くても実行する
  例2)モチベーションが低くても、能力が高ければ(≒能力を必要としなければ)実行する
 
 モチベーションが高くて、能力が高いものは悪習になりやすい:だらだらスマホや喫煙など
 モチベーションと能力が一定以上のときにきっかけがあると人は行動する
  ⇒きっかけがないと行動は起こらない

★自分や人の行動を変えるときは以下の順で考える
 ①行動を促す「きっかけ」があるか確認する
 ②実行する「能力」があるか確認する
 ③実行する「モチベーション」があるか確認する
   ※モチベーションを考えるのは最後、
    モチベーションに訴えかけるよりも簡単に解決できるものがあるかをまず見る
    多くは効果的なきっかけを見つけるか、行動を実行しやすくすることで解決できる

■『モチベーション』について

・大きな目標を達成しようとするときに、高いモチベーションだけでは乗り越えることはできない
  ⇒モチベーションは気まぐれですぐに変化してしまう、高いモチベーションは持続できない

・モチベーションには3つの源がある
 ①自分自身(人に元々内在している欲求)
 ②行動に対して与えられる報酬または罰(アメとムチ)
 ③状況(友達がみんなそれをしている、締切日など)

・モチベーションは矛盾することがある、矛盾している状態はストレスの原因となる 
  例)健康的に過ごしたい。だけどタバコは吸いたい。

・「抽象的な願望」へのモチベーションは成果を生まない
   ⇒健康に良いものを食べよう、、、だけでは行動できない。
    願いはできるだけ具体的に描き、ゴールの解像度を上げる必要がある

・モチベーションに頼らず永続的な変化を得るためには「願望」「結果」「行動」の3つを区別し、
 「具体的な行動」を示すことが重要
  ⇒〇〇したい・〇〇になりたい、といったものは、「願望」や「結果」
  ⇒「行動」は今すぐ、またはある特定のタイミングで着手できること
  例)
  (願望)毎月1万円貯金する
  (行動)スマホのプランを見直して、余裕が出た分を貯金する

・「願望」を明確にしたら、具体的な「行動」をたくさん挙げて、行動の選択肢を広げる
  ⇒難しい行動や、ネットの情報など、自分に合わないものを避ける
  ⇒自分に合う行動とは、「効果的」「自分が望む」「実行可能」である行動

・複数の「行動」を挙げたら、以下の2つの観点で評価して、最もよいものを選ぶ。
  ⇒やってみて違うと分かったら評価しなおして実行する
  
   「実行しやすい」⇔「実行しにくい」 ※理想的でない状況でも実行できるものが良い
   「影響が大きい」⇔「影響が小さい」 

★「したい」と「できる」が一致した行動が定着するので、小さく始めることを心掛ける

■『能力』について

・人の行動を引き出すには、その実行をいかに簡単なものとしてデザインするかが重要
  ⇒インスタは3ステップで写真共有できるようにして、出来ることも絞った
  ⇒ウォークマンは録音機能をなくして再生機能に特化した

・人は先入観で達成する際には大きな行動が必要だと思い込みがある
  ⇒世間的にニュースになるものもみんながまねできないような大きな行動が多い
  ⇒しかし、大きな行動は持続できないので、最初は小さく始めた方が効果的

・モチベーションは時間の経過とともに不規則に変化するが、
能力は習慣を繰り返すにつれて向上するため、
 確実にできる小さい行動を繰り返して能力を上げていく

・能力を構成する要素は以下の4つ
  ⇒以下の観点から、最も行動を難しくしているものを見つけて変えていく
  ⇒道具や手助けを借りるのも一つの手段

「時間」「資金」「身体的能力」「知的能力」

★読書を習慣にしたいのであれば、毎日本を開くことを最初の一歩にするくらいでよい

■『きっかけ』について

・あらゆる行動はきっかけがなければ起こらないが、ほとんど意識されない
  ⇒信号が青で発進、雨が降ったら傘を開く、通知を見てメールを開くなど

・きっかけには以下の3種類がある
①「人」によるきっかけ
  ⇒食事や睡眠など生理的欲求からくるものだが、習慣化にはそぐわないきっかけ

②「状況」によるきっかけ
  ⇒付箋やアプリの通知など、周囲の環境に存在するもの、習慣化にうまく利用できる
  ⇒ただし、過剰に設定すると、感覚が鈍りきっかけに注意を払わなくなるので気を付ける

③「行為」によるきっかけ ※もっとも忘れにくい
  ⇒すでに生活に組み込まれた行動を利用する、既存の行動の後に新しい習慣を実行する

・「何の後」をきっかけとするかは以下を考慮するとよい
  「場所」をマッチさせる
  「頻度」をマッチさせる
  「テーマ」をマッチさせる

★生活の中で確実に起きることをきっかけとするのが良い、
 朝の時間帯は多くの日課があるため習慣化しやすい
 また、きっかけはあいまいでなく具体的であるほど良い
  例)朝食を食べたら ⇒ 食洗器のボタンを押したら

・悪いことをきっかけにすることで自分をコントロールすることもできる
  例)誰かに暴言を吐かれたら ⇒ 好きな映画を見る
      ※嫌なことが良いことに変換される

■習慣を定着させるために必要なこと

・「自分を褒める」ことが行動変化につながる
  ⇒心地よい気分には、新しい習慣を脳に定着させる働きがある
  ⇒小さな行動・習慣を実行出来たら成功を祝福するのが大事
   ※いい気分になることは習慣を身に付ける最良の方法。ただ、軽視されやすい。

・祝福を効果的に行うと、脳の報酬システムをうまく利用でき、習慣化されていく。
  ⇒ポジティブな体験をすると、報酬物質としてドーパミンが生成されて、その行動を繰り返すようになる
   ※歩き始めた子供に歓喜する両親も同じような作用をもたらし、歩行を良いことと認識して繰り返す

★習慣はその行動に「強いポジティブな感情」が伴っていれば、ごく短期間(数日)で形成される
 習慣は反復や頻度ではなく、感情がつくる。習慣をデザインするということは、感情をデザインするということ。

・報酬は行動の「直後」に与えるのが重要
  ⇒時間が経つと「行動」と「報酬」の結びつを脳は認識できなくなる

・報酬の具体例
 -「よし!」または「やった!」と言う
 -思いっきりにっこりする
 -お気に入りの歌をうたう
 -褒められている場面を思い浮かべる

★運動などを簡単なものから少しずつ習慣化していこうとするとき、
 負荷を徐々に上げて苦痛を感じたときほど、報酬を実践しないと、
 脳が回路を書き換えてその習慣を避けるようにしてしまうので注意する
 
★習慣を大きく育てていくのに重要なことは、色々な小さい習慣を成功させたという実績。
 これが自信を向上させて色々なことを習慣化できるようになる。
 成功の「規模」はあまり重要ではない、「頻度」が重要
 

■悪習の辞め方

・3つのフェーズで考える
フェーズ①「新しい習慣」を作ることに集中する
  ⇒新しい習慣を身に付けることで、自分は変われるという自信を付ける
      ※新しい習慣はやめたい習慣と関係ないものとする
  ⇒新しい習慣を身に付けて、理想の自分像をつくると、自然と悪習がなくなる場合もある
フェーズ②「従来の習慣」をやめることに集中する
  ⇒新しい習慣を作る場合と考え方は同じ。
   きっかけを取り除くか、モチベーション・能力を下げる
   やめたい習慣も小さく始めるのが良い
  ⇒やめる習慣を具体的にする 
     ×ジャンクフードを食べ過ぎない
     〇夜テレビを見ながらポテトチップスを食べない

フェーズ③習慣を置き換えることに集中する
  ⇒習慣を置き換えるには、変えたい習慣より実行しやすく、より強いモチベーションである必要がある
  ⇒以前のきっかけを新しい習慣のきっかけとし、出来たら祝福するのを忘れない

■人の習慣を変える

・これまでと同じく、「モチベーション」を変えよるために怒ったり諭しても人は変わらない
  ⇒「簡単」で「具体的なこと」から始める(能力に焦点を当てる)

・人は自信をつけ、スキルを磨くうちに、別の変化に対しても心を開くようになる
  ⇒まずは相手が望んでいる変化を助けられるようにする
  ⇒変化したら相手に達成感を実感させて、心地よさを感じてもらう

・変えるべき人が複数いる場合は、「モチベーション」と「能力」を見て、
 「モチベーション」と「能力」を持っている人や「モチベーション」だけ持っている人を優先して変える。
 「モチベーション」がない人は行動しない可能性が高いので、関わって時間を無駄にしない。

■まとめ

行動を変えていくためには
ステップ1:「願望」を明確にする
ステップ2:「行動の選択肢」を多く挙げる
ステップ3:「自分にあった行動」を影響力・行動のしやすさで選ぶ
ステップ4:小さく始める
ステップ5:「効果的なきっかけ」を見つける
ステップ6:成功を「祝福」する
ステップ7:行動に対してトラブルシューティング、反復、拡大を行う

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