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子どもが外や公園に遊びに行きたがらないのですが、どうしたらいいですか?

今回は、とあるお母さん(もこちゃんさん)からいただいた質問にお答えします。

2歳8か月の男の子を育てています。まだ保育園等には行っておらず自宅にいます。
息子は一人の遊びばかりで同年代のお子さんを見ていると、このままで大丈夫だろうかと心配しています。他の子はお友達と遊んでいる子もいるのに、うちの子は「一緒に遊ぼう」と誘われても私から絶対に離れません。もっと外でも元気に体を動かして遊んで欲しいのですが、ずっと砂場で砂いじりをしています。
たまに他のお子さんが遊具で遊んでいるのをじっと見ているので、遊びたいのかな?と思って一緒にやろうか?と誘うこともありますが、嫌だと言って結局砂場遊びばかりです。このままいろんなことを経験せずに幼稚園に入って果たして大丈夫なのか…心配です。私の育て方が悪いのかなと自分を責めたり、ついついイラっとして子どもに当たってしまうこともあり自己嫌悪です。

もこちゃんさん、この度はご相談いただきありがとうございました。

2歳のお子さんのご様子が気になってご連絡いただいたのですね。一歩踏み出してくださり、本当にありがとうございます。

他のお子さんと比べてしまうお気持ち、とてもとてもよく分かります。かつての私もそうでしたし、今も時に比較に囚われてしまう自分に出会います。

このご相談をいただいた時、私はまるで昔の私が私に手紙をくれたのかな?と思ったほどです。

というのも現在6歳になる我が息子は2歳の頃、超がつくほどの引っ込み思案。

お子さんの姿が我が息子と重なりましたし、もこちゃんさんのお気持ちも痛いほど伝わってきました。


さて、子どもたちが外で遊ぶということ、遊具等で体を動かすこと、それは確かに子どもたちの発達を支えてくれる大きな役割を担っています。

もこちゃんさんは

どうしたら子供が元気に遊んでくれるようになるでしょうか。

という言葉にあるように、外遊びで得られるメリットもご存じなのだろうと推測します。お子さんに活発に外で遊んだり、お友達と積極的に関わっていってほしいと思われているのですね。

ですが、お子さんは

ずっと砂場で砂いじりをしています。

という状況にあり、もこちゃんさんが望む「活発な姿」とは違うご様子。

また、

うちの子は誘われても私から絶対に離れません。

とあるように、お友達とも積極的に遊ぶこともないと。

いわゆる「内向的」と感じられる姿を見せることが多く「このままいろんなことを経験せずに幼稚園に入って果たして大丈夫なのか」と不安を抱えておられる状況なのですね。

ちょっと別にお聞きしたことですが、聞いたところによるともこちゃんさんは故郷の地を離れ、援助が得られにく環境の中で、ワンオペで子育てをされているとのこと。

私も常々思うのですが、ワンオペで子どもを育てるというのは本当に気が狂いそうなほど心も体も疲れ果てますよね。

しかもそれを慣れ親しんだ土地から離れ、育児をなさっている。3歳近くにもなっておられますから、外ではそんな姿を見せながらも、心を開放できるおうちなどでは自我の強まりも感じられ、難しく感じられる時もあるのではないでしょうか。


もこちゃんさん、本当に日々頑張っていらっしゃいますね。

さて、今回いただきましたご相談。

結論から言いますと…

・まずはとことん、お母さんと一緒に触れ、見て、感じることを優先しましょう。

です^^

今回はかなり似ている我が家のケースを紹介しながら、なぜなのかをご回答していきます。

・外へ遊びに行こうと言っても遊びに行かない。
・ひたすら積み木を並べたり、車で室内で遊ぶのが好き
・遊具はとにかく拒否
・ではボール遊びならと思ったけど、ボールをうまく投げることも取ることもできない
・支援センターに入るときは入るのに1時間以上かかる(遊ぶ時間10分で終了)
・お友達と遊ぶ様子がほぼ見られない。遊ぼうと誘われてもどう遊んだらいいか戸惑って遊べない。

そんな姿を見ているとなぜか私はやたらむしゃくしゃして
「なんで外に遊びに行かんの?遊ばないと体が弱くなるよ!」と脅してみたり
「お願い。少しでもいいから遊びに行って欲しい。」と懇願してみたり
「外に行ったらおやつあげるよ〜!」と物で釣る作戦を実行したり

「消極的な息子を積極的に育てるのが私の使命」と頑なに信じている時期がありました。

同じように私のせいでは?と思い悩んだ時期があります。

息子ですか?
一応ですね、息子はしぶしぶ外へついてきてくれるんです。
でも、私は外に出るだけじゃなくて、どうにかして活発に遊ばせたかった。

ただ、息子は公園に行っても遊具などで一切遊びません。
砂いじりを続け、たまにちらっと遊具を見ます。子どもたちのにぎやかな声が聞こえればそちらを目で追います。

やっぱり遊びたいんじゃない?そう思って私は「一緒に行ってみよう」と誘います。ですが、彼は頑なに拒否しました。
私の願い虚しく、彼が遊具で楽しそうに遊ぶ日は数年見られませんでした。


ある時です。
その日も私は息子に公園に遊びに行こうと声をかけました。

しかし、息子を見るとしくしくと泣いているのです。
「ママ、やちゃん行かない…行きたくない…お外楽しくない!!」
・・・と。

そこでようやく気付きました。

私は息子に「こう育って欲しい」という理想を押し付けていると。
そして私の押し付けが息子を余計に外嫌いへと追い込んでしまっているのだと。

それを身をもって教えてくれた息子。

もう何だかいろいろな感情が沸いてきて
ごめんねー!って息子と2人でわんわん泣いちゃったわけです。

*******

私の場合は見ての通り、ほんとに執着が強かったのですが、子育てに関して「こうしないと」「こんな風にならないと」って執着してしまうことって多かれ少なかれ誰にでもあると思うんです。

なんでここまで執着してしまうのか?という話はまたいつかすることにして。

この出来事にぶつかってから、私は心理学の勉強を始めた頃だったんですけど、そこで出会った言葉に救われました。

「長所と短所は表裏一体。短所を消せば長所も消える。」

そう、私が短所と思っていた息子の「消極性」。
でも考えてみれば、慎重に物事を判断できるとも言い換えられます。

私が彼の長所だと思っていた部分は、実は彼の長所でもあったのです。

そういった目で私が見ているか、見ていないか、
ただそれだけだったのです。

私たちはついつい、子どもたちを他のお子さんと比較して「あれができていない」「これができていない」と考えてしまいがちです。

ですが、実は「できていない」には裏側に「これができている」が隠されていることを知っておいていただくといいかもしれません。


それと、もう一つ。

もこちゃんさんの息子さんを実際には見ていないので、勿論違う部分もあると思いますが、

いずれにせよ、息子さんの行動には何かしらの理由があり、
むしろ今の彼の発達には「必要だから」今の行動をとっている可能性があります。

我が家の息子に当てはめるとこんな感じです。

・知らない場所や慣れない場所へ適応するのに時間がかかるため、外遊びで大きなストレスを感じている
→この人誰?この感覚何?と情報を処理するのが大変で疲れる…初めてのモノは怖い!と逃走反応が働いてたのかも。

・ママから離れると危険という信号が強く出ている
→ママが安全基地なので、そこから出ると怖い!まずはママの近くにいられる砂場で遊ばせてくれよ!の気持ちが強かったかも。

・視機能が弱いため、遊具やボール遊びを楽しめない
→だいぶ長くなりそうなので、こちらは別の記事で紹介しますね。

・砂場で水を流したり、砂がサラサラと落ちていく様子を見る方が好き
→砂の動きを見ることで、「動くものを見る力」を育てている可能性も。また砂を触ることで触覚を育てている。

もこちゃんさんの子どもさんの場合は、「私から絶対離れない」という状況ですが、まだ2歳。
ママと離れると不安になってしまうのは通常の反応でもあります。

発達の段階において「ママが安全基地である」と感じられるのは必要なことでもあります。

今は「ママと一緒にできる」が息子さんにとってすごく意味があることになります。



子どもってすごいので、今自分に必要な遊びがわかってるんですよね。子どもが繰り返しやる遊びがあるなら、それはその子にとって意味があったり、必要であったりします。

息子さんにとっても、今の遊びには大きな意味があるのでしょう。その行動をやり切ると、次の発達のステージへ進みます。

彼の今の楽しい!を止めちゃうと勿体無いので、こうなったらまずはとことん彼の砂場遊びを目一杯楽しめたらいいですね。

(ちなみに外で遊ばせたい…という時は、色んな公園で色んな遊具見たら変わるかも!となるより、
最初は息子さんが一番落ち着けそうな公園で繰り返し遊ぶ方が安心して遊びやすくなるかもしれませんね。)

お友達が遊んでいるのを嫌がらないなら、遊び方を目で追いかけるだけでも物凄くいろんなことを吸収されていますよ。

他の親子がどんだけ遊具で遊んでても、どれだけ楽しそうに走り回ってても、

我が家は我が家。彼の砂の楽しみ方を真似して、一緒に追究してみてください^^

砂場遊びだって子供の発達をガッツリ伸ばしてくれる最高の遊びですしね♪

もし、外で遊びたくないと言ったら、まずは室内でしっかり遊ぶ…でOK。

難しく考えずに、息子さんの「好き」「楽しい」を何より大切にできれば花丸です!子どもたちの発達に関わるお仕事をしていて思うのですが、ここが本当に何より大切だと日々実感しています。

最後に。息子さんの今の姿。
もこちゃんママさんの育て方のせいでは決してありません。

その成長はもしかしたらマイペースかもしれません。
でも、どれだけでも息子さんには可能性があり、大きく成長していけることは間違いありません。

息子さんの「好き」がたくさん見つかりますように。もこちゃんさんと息子さんの毎日に少しでも多く笑顔と幸せがありますように。

共に頑張り過ぎず、頑張りましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。
またお会いできることを楽しみにしております。

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