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ただのオタクなエッセイ①
1月のとある日、梅田芸術劇場から帰る電車のなかで見た夕焼け空に駆り立てられて、観劇エッセイをiPhoneのメモ帳に書き留めました。
きっと、若林正恭さん著『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』を読み終えて、自分もみずからの経験や感じたことをただ気の向くままに綴っておきたいと思ったタイミングと重なったんですね。
読み返してみると、エッセイというよりただの心の叫びですが、せっかく書いたし、ここに置いておこうかなと思いました。
月組さんのコンサート『G.O.A.T』を観にいきました。
開演してまもなく、「ペンライトを買えばよかったな……」そんな気持ちが押し寄せた。
梅田芸術劇場メインホールにスポットライトを浴びて立つれいこさん(月城かなとさん)の姿をみて、これまでなんとも思っていなかった『タカラヅカスペシャル2023』がなくなってしまった無念さを今更感じていた。
本当だったらこの劇場にれいこさんとこっちゃん(礼真琴さん)が一緒に立つはずだったのに……
時折、神贔屓であるこっちゃんの存在を求めてしまう自分がいたことは否めない。
コンサートの前半は、れいこさんにまつわる楽曲のメドレー。初見のものもあれば、あの時を思い出す懐かしい曲だったり、これは生で観たかったやつだ!という曲に出会えたことがとても嬉しかった。
わたしはれいこさんが好きだけれど、同じくらいちなつさん(鳳月杏さん)とおだちん(風間柚乃さん)も好き。だからとても忙しい観劇だった。
そして同じこの瞬間に宝塚大劇場ではありちゃん(暁千星さん)が頑張っている。
わたしが初めて月組公演をみて以来、ずっと大好きな「れいこさん、ちなつさん、ありちゃん、おだちん」4人のつながりを感じ、感慨深い感情も芽生えた。(ありちゃんは星組に異動して、メキメキとこっちゃんのもとで成長中✨)
そんな超個人的な感情も渦巻きながら、コンサートが進むにつれて「ペンライトを買えばよかった……」という後悔が追い打ちをかける。
それは、アコースティックの場面。馴染み深い楽曲たちをれいこさん、ちなつさん、おだちんが歌い奏でるあの空間。
ただスポットライトだけが照らすそのステージは、れいこさん率いる月組の雰囲気にとてもお似合いだ。そしてこの空間には、確実に「ペンライト」という小道具が必要だった。
「時間・空間を生で共有するといはこういうことなんだな。」
そう思った。
かといって一か八かで持参した自前のキンブレを取り出す勇気はなかった。というのも、この雰囲気には公式ペンライトの光量がまさにぴったりなのだ。
MyキンブレであるLED光が1本でも加わった瞬間、この空間を壊してしまう。そしてそれは空気を伝って、この空間に何億といるであろう微生物までもが反応してしまうだろう。
そうなってしまってはこの場面は台無しなのだ。
しかし後悔したところでどうにかなる話ではない。
わたしは目の前のSingerに五感を済ませるよう徹した。
とても良い時間だった。
最後の曲では月組ファンお得意の裏拍な手拍子が炸裂した。
れいこさんのお披露目公演『FULL SWING!』の空気感が再燃したかのように、わたしの体に電気が走った。血が騒いだ。
今の月組にはこの金色スパンコールの衣装がお似合いだ。
自信を持ってそう宣言できる。
そんなお衣装を身に纏った月組生たちがジャズを奏でてスイングしている。客席のわたしたちも一緒になってスイングしている。
最高の空間である。
帰りの電車でふと窓の外に目をやった。空の下1/3がオレンジと黄色を混ぜたような黄金色に、上2/3は群青色のグラデーションに覆われていた。
まるでさっきまで見ていた世界を彷彿とさせるような空色だ。
れいこさん率いる月組がわたしは好き。
そんな素敵な人たちが見せてくれる世界が、わたしは大好きなのだ。
いつも読んでいただきありがとうございます☆