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透き通る光と跳ね返る光
葉っぱを撮るなら、裏側からがいいと思っていました。
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薄曇りの日、ぐいっと腰をそらしてサクラの木を仰ぎ見ると、
葉っぱを通り抜けた優しい光が降り注ぎます。
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燦々とした日は、強い光と濃い影のコントラストで葉っぱが活き活きしてみえます。
透ける光は葉っぱの瑞々しさを引き立たせてくれるし、
葉っぱの裏側はステンドグラスみたいに、太陽光の清らかさを際立たせてくれる思うのです。
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目線の高さで撮った横からの光
だから今まで、ツバキみたいな分厚い葉っぱを撮るのを楽しいと思えませんでした。
裏側を覗いてみたって、太陽の光は遮断されてしまっている。
ただのっぺりとした葉っぱが写るだけ。
和歌山のエネルギーランドへ遊びに行った時のこと。
わいわいお喋りしながら、林の中のアスレチック場を歩いていました。
ふと目の端にヤツデが写ります。
薄暗い林の中、微かな木漏れ日を跳ね返し、ヤツデが照り映えていました。
あ、綺麗。
そう思い、シャッターを切っていました。
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わずかな光を受けて、跳ね返し、煌めく葉がとても神々しく、綺麗に見えたのです。
ああ、跳ね返る光を撮ることもできるんだな。
と、発見した瞬間..!
それから、葉っぱの表側を撮ることが楽しくなりました。
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仰いで撮る時に感じる清らかさとは違う、
「ここに生きているぞ!」という力強さを感じる光です。
舞台のスポットライトみたいに機能しているのかも。
そして、分厚い葉っぱも撮ってみるようになりました。
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夕日を跳ね返す葉っぱ。
まさに茜が差している。
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曇りの日林の中の光。
柔らかく葉っぱの上に落ちて、流れていくように感じる。
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小さな葉っぱが集まると、きらきらの天の川。
歩きながら見る角度を変えると、光の反射の具合も変化して瞬いているように見えます。
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ひっそりと、でも凛として見える。
昔撮った写真も見返すと、また違った印象になったり。
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サクラの葉っぱも、裏側から撮るのと違う姿を見せてくれます。
こんな芯の強い一面もあるんだね。
そもそもこの葉っぱの厚さの違いは、
常緑と落葉の違いから来るのだと今更ながら知りました。
「確かにサクラやカエデは落葉樹だし、ヤツデやサザンカは常緑樹だな」と改めて感心。
常緑樹は一年中葉っぱをつけているので、冬の凍結に耐えられる分厚くて頑丈な葉を作るそうです。
その分葉をつくるコストはたくさん必要だけど、冬の間も光合成ができるから賄えているんだとか。
光を反射して輝く葉っぱに、冬の寒さに耐え抜く強さを感じることができる。
植物のことをよく知ることができたら、もっともっと新しい一面を撮影させてもらえるかもしれない。
もしそうだとすると、それはとてもワクワクするなと思いました。
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