「突破するデザイン」まとめノート

「突破するデザイン」まとめノート

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書籍名「突破するデザイン」(2017)ロベルト・ベルガンティ,日経BP社

2つのイノベーション

書籍では製品やサービス、ビジネスモデルを語る際の2つのイノベーションについて整理しながら説明されています。
すなわち、既存の問題解決を目指すイノベーションとしてのデザイン思考と、意味の創造を志向するイノベーションです。

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この本で何度も出てくる「ロウソク」にまつわる「あたらしい意味」について書かれています。

ソリューションではなく意味

「ロウソク」はかつては暗闇を照らす道具として、停電に備えて配備された商品でした。しかし、電球の普及とともに1830年代に創業したロウソク屋は2001年にはついに廃業することになります。プレイヤーの台頭によって、従来のロウソクは意味を持たなくなってしまったのです。

Yankee Candleという会社はこれに反して、売り上げをぐんぐんと伸ばします。香りのついたキャンドルなど、都会生活で疲れた人々が「ロウソク」を灯すことで「癒される」意味を見出し、商品の新しい価値を販売したのです。

意味とは、根源にある目的、方向性、WHY
ソリューションとは、プロダクト、サービス、意味達成のための手段、HOW

人々が求めるのはソリューションではなく、意味なのです。

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判断のものさしをデザインする

イノベーションを生み出すためには「判断のものさし」をデザインすることこそが大切だと紹介されています。

判断の「ものさし」自体が意味なのであり、これこそ私たちが変えたいと考えているものなのだ。意味によって、良いものと悪いものを区別できるようになる。

iPhoneは価値のものさしを変え、それまでの携帯電話が電池の持ちの良さや入力の速さを競って開発されていたのに対し、「楽しさ」という判断のものさしを見出し、商品開発されたのです。

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内から外への批判 Outside inではなく、Inside Out

イノベーションを起こすにあたって、「デザイン思考」や「オープンイノベーション」が、まず外(ユーザーなど)に意見を求めることを挙げ、これに対し意味のイノベーションにおいては、自身の内なる声を聞くことからスタートします。
そして次第にペアやラディカルサークルによって、批判的にアイデアを検討し、新しい衝突と融合を経て意味が現れるまでプロセスを繰り返すという下図のプロセスを説明しています。

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井上順子(いのうえ よりこ)日本電子専門学校グラフィックデザイン科専任教員。デザインの思考過程が研究テーマ。静岡大学教育学部卒,教育学修士。