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寄居若者会議メンバーインタビュー:西田早織さん

「寄居をもっと盛り上げたい」「寄居のために何かやりたい」
そんな思いを持つ若い世代が集まり、意見やアイディアを出しあって寄居の魅力発信やイベント等の活動を行う寄居若者会議。
そのメンバーの素顔や寄居町への想いなどについてインタビューさせていただきました。

今回のインタビューは熊谷市出身、現在は宮城県に住む寄居若者会議メンバー西田早織さんです。

- 西田さんは熊谷市出身とのことですが、寄居町との接点を教えてください

もともとは移住情報サイトに掲載されていた寄居町内のゲストハウスプロジェクトに興味を持って、お話を聞くために訪れたのがきっかけでした。

移住といっても遠くの地方となると少し腰が重くなりますが、寄居くらいなら行けるなと思って。
その後、「寄居100人カイギ」など他のイベントにも誘われて参加をしていました。

- 以前からまちづくりに関心があったのでしょうか?

まちづくりにはあまり興味がなかったかもしれないです。
どちらかというとゲストハウスやコミュニティの運営に興味がありましたね。
それで、自分が旅して暮らしたいなと思っていた海外と地方どちらが良いかなど情報収集をしていました。

- ゲストハウスやコミュニティ運営に興味を持たれたきっかけは?

旅が好きで、コロナ禍になる前には半年に一度くらい、1週間程の休みを取って海外に行ったりしていました。
知らない場所に行くのが好きですし、そこで経験したことに価値を感じていたので、そういうことに携われると良いなと思っていたんです。

都内で働くこともキラキラしていて憧れていたのですが、そこでずっと働くとなると息苦しくなりそうだなとも感じていて。

- 今はどんなお仕事をされているのでしょうか?

今は宮城県南三陸町で観光に携わる仕事をしています。

- どのような経緯から南三陸町で働くことになったのですか?

以前は百貨店で働いていたのですが、そこで自分が納得できる成果を出すことができ、別のステップに進んでみたいと思うようになり退職をしました。

退職後はインドやタイなどで暮らしつつ現地で働きたいと思って仕事を探していたのですが、コロナの状況が酷くなり、それも難しくなってしまって。

どうしようかなと思っていたところで、登録していたビジネス系SNS経由で今の出向元の会社の方からスカウトが来たんです。
その会社は地方と都市を繋ぐベンチャー企業で、社員が現地に住んで事業を進めていくという活動をしており、私は南三陸町がたまたま縁があって駐在場所に決まりました。

- そんな中、寄居若者会議はどのタイミングで参加されたのでしょうか?

「寄居100人カイギ」というイベントに参加した時に、同じく埼玉出身で寄居に興味がある女の子を紹介してもらいました。
その女の子と若者会議の打ち合わせ前にランチをしていて、「せっかくだから見学してみれば?」と言われて見学しに行ったのがきっかけですね。

「農業が盛んでも関心は高くない」寄居の現状から生まれたプロジェクト

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- 若者会議ではコンポスト等の活動を行なっているとお伺いしました。詳しくお伺いしてもよろしいですか?

私がLFCコンポストという、今人気の家庭用コンポストのプロダクトをしている会社の方とつながりがありまして。
寄居は農業が盛んだけど、関心はそれほど高くない人も多い気がするんです。
なのでこのコンポストを使って、農業や農家さんに目を向けたり繋がれたりできる機会が作れたら面白いと思って提案させてもらいました。

- 具体的にはどのようなコンポストなのでしょうか?

おしゃれなバッグ型で、家に置いておいても匂いも出ないし、チャックが閉まるので虫も出にくいコンポストです。
都会で使う方がとても多いのですが、都会には畑を持っている方が少なくて、コンポストから出た土をどう使えば良いか分からないという問題があるんですね。
そこで、その受け皿に寄居がなれると面白いのではないかと思いました。

寄居の農家さんにコンポストで出た土を渡したりとか、それをもらった農家さんが今度は都会で野菜を販売したりとかできると、面白い繋がりが生まれるのではないかと思って。

- とても面白そうです。そんなプロジェクトが進んでいたのですね。

他にも、コンポストから出た土を寄居に持ってきた人が、今度は肥料を家で育てて、また寄居に持ってきて駅前の街路樹に使う……など色々なアイデアを出していたのですが、何しろイベントや仕組みを作るにしても私や主に協力してくれているメンバーが寄居にいなくて。
遠くから人を動かすのもどうなんだろうと思ってなかなか進められずにいます。

- 寄居在住のプレーヤーが少ないのですね。そのあたりは今の若者会議の課題といったところでしょうか。

そうですね。
寄居町に住んでいて、地域のネットワークや人を動かせるメンバーが少ないというのが大きいですね。
そういう人がいてくれると、きっともう少しアイデアを遠くから出しても動きやすいのではないかと思います。

- 西田さんから見て、寄居町や寄居の人はどう見えますか?

同じ埼玉県北部ですが、私の出身地の熊谷市ともちょっと違いますよね。
熊谷は活動している若い人があまりいない気がします。
街自体には若い人も多いのかもしれませんが、まちづくりに関わるとなると若い人って全然いない印象があって。
なので寄居はある意味すごいなって思います。高校生でもまちづくりに興味ある人がいたりとかしますし、年代を超えてフラットに話をするじゃないですか。

- 今はコンポストの活動をされていますが、他に何か挑戦してみたいことはありますか?

若者会議ではないかもしれませんが、駅前でカフェのようなコミュニテイが育まれる空間作りをしたいなとは思いますね。

私、南三陸町に来てから車の運転を始めたので、熊谷にいた頃は寄居に行く交通手段が電車だったんですよ。
そうすると若者会議が終わった後とか微妙な時間になってしまって、行くあてもなく……。
なので寄居にコミュニティに根ざしたような、「そこに行けば誰かいる」みたいなカフェがあると面白いなと思って。

寄居は魅力的な人が多いので、「誰々さんと喋りたいからあそこに行こう」とか、そういう場所がもっとあってもいいのかなと。
そこに自然とまた人が集まってきて、みたいな。駅からそう遠く無い場所で。

- 現在はなかなか動くのが難しいですが、これから若者会議はどのような方向に向かうのが良いと思いますか?

無くす必要はないと思いますが、町の事業としてかっちりとするよりもサークルのような形で続けば良いのかなと思います。

あと、別に若者に特化しなくてもいいのではないかとも少し思います。
結局若者に絞っていくと人口比率的に多くは見込めないだろうし、だったら寄居の良さである「老若男女問わずフラットな関係」にしていってもいいのかなと。

- 最後に、若者会議のメンバーにメッセージをいただけますか?

若者会議って面白い団体だと思うんです。
多分私、普通だったら出会わないし友達にならないメンバーが多いと思いますし(笑)
見ている世界も違うし、関わっている人とか、キャリアも全然違う……そういった色々な視点があってこそ面白いもが生まれるだろうし、それがずっと続いているのは珍しいことだと思います。

普通なら価値観が全然合わない人たちと一緒にいられないですよね。
だからきっと、コアな部分で何か繋がっているんだと思うんです。
寄居というところが好きだとか、居心地が良いとか。

だからこそ全然違う角度からも、もっと話をして、何か面白いことができたらいいなと思っています。

【編集後記】
もともと寄居町の出身でないにも関わらず、ふとしたきっかけから寄居町を知り、今もなお寄居若者会議のメンバーとして活動している西田さん。
今回のインタビューでも変わらぬ寄居への想いを感じることができました。その信念の強さや行動力、そして人を惹きつける魅力あふれる姿は、今の寄居町にとってとても貴重な存在です。
今後の西田さんの活動に期待が高まります。