自分たちらしい暮らしをゆっくり味わえる場所
齊藤由里子さん 埼玉県出身
齊藤均さん 埼玉県出身
10年前に、埼玉県朝霞市から寄居町へ移住。現在は、ご夫婦ともに町外でお仕事をされながら、寄居町での自分たちらしい暮らしを楽しまれている。
ひたすら「いいなぁ」と。 子育てにはもってこいの環境
- 寄居へ移住を決めたきっかけを教えてください。
由里子: 一番上の子がまだ小さい頃から、自然の多いところで子育てがしたいと思っていたんですが、ある時たまたま雑誌で、寄居の折原の方にある山の保育園を見つけて。ああ、こういう保育園に入れたいなぁと思って、ちょうど長瀞にキャンプをしにきたタイミングで保育園を見学に行きました。
実際に見てみたら本当にのびのびとした環境で、夫婦で「まずは住んでみようか」となって、こちらに引っ越してきたのが移住のきっかけです。
- 里山が豊かで、素敵なところですよね。
由里子: 鉢形城もいいですし、お散歩ルートもいっぱいあって、ひたすら「いいなぁ」と感動してました。まさに、子育てにはもってこいの環境ですね。
以前住んでいた地域は、保育園も待機児童が多くてなかなか入れないと聞いていたんですが、寄居は待機児童ゼロで入りやすいことも有難かったです。
のびのびした場所で、ルールなく遊ばせたかった
- もともと住まれていたところもベッドタウンで、子育て環境は充実していそうなイメージですが、自然の多い環境を選ばれたのですね。
均: そうですね。以前住んでいた場所も子育て支援に力を入れていて、たとえばチャイルドシートの補助制度があったり、世代的にも住みやすい町だったのですが、自然があるこちらに住むことを決めました。
由里子: 以前は、公園に子供を連れて行っても、滑り台とかが順番待ちだったり、まだ1歳とかルールもわからない子を列に並ばせないと遊ばせられなかったり、何もないところで自由に遊ぶっていうのがなくて。もっとこうのびのびした場所で、あれしちゃダメこれしちゃダメじゃなくて、ルールなく遊ばせたかったんです。
- 寄居に来て、驚いたことはありましたか?
均: 最初に鉢形駅に降りた時、自分たち以外誰も降りなかったのには驚きました。え〜!本当に僕らだけなの?という感じで。(笑)
由里子: 私は、とにかく人が良いなというのが第一印象でした。最初は車もなかったので、子供を連れて、歩きや自転車で移動していたのですが、すれ違う町のおばちゃんとかが挨拶してくれるんですよ。それが最初すごくびっくりして、知らない人が挨拶してくれる!って。
今では挨拶が普通ですが、本当に人がいいなというのは第一印象でしたね。みんな優しいです。
- 地元の人の中にはすぐ溶け込めましたか?
由里子: 子供が保育園に入ったタイミングで知り合いが一気に増えて、小学校のPTAを通してさらに増えてという感じで、子供を通じて徐々に増えていきましたね。
作ったものを見てもらうことで、殻を破れた
- 由里子さんは現在、どのようなお仕事をされているんですか?
由里子: 今は、注文家具を作る仕事をしていて、新築住宅の作り付けの家具や店舗什器などを少人数で製作しています。昔から自然が好きで、土に還る木に魅力を感じていたので、今の仕事をしています。
- 駅前スペース「まちタネ!」にも、可愛らしいお人形のベッドを置かれていますが、きっかけは?
由里子: 「寄居読書会」という、事前に読んできた課題本の感想を共有する会に参加した時にお会いした方が、「まちタネ!」で本のセレクトショップをやられている方だったんです。
そのご縁で、実際に「まちタネ!」へお伺いしたら、クラフト雑貨や洋服などを展示できるレンタルスペースで、出展募集の案内を見つけて。自分も展示してみようかな、と。
それをきっかけに、寄居町の商工会が主催する「ふるさと祭典市」にもワークショップと小物販売で出店させていただきました。
- そこで地域とのつながりが生まれたのですね。
由里子: 知っている人に、自分の作ったものを見てもらうって少し緊張するんですけど、祭典市に出店することでそういう殻をやぶれたかなと思っています。知り合いにも、そこで初めて普段自分がやっていることを見てもらえたりして、結構驚かれましたね。(笑)
結局は何を大事にするか、自分たちが大切にしたいこと
- 均さんも、比較的寄居から近い場所でお仕事をされているとお聞きしましたが、移住を機に今の職場を選ばれたのですか?
均: 最初は鉢形から電車で片道2時間かけて職場まで通っていたんですが、車で通勤できる地域で希望を出して、今の職場になりました。
ちょうど子どもの送り迎えが必要になったタイミングで、通勤用に車を買ったんですよ。それで、高速を使うようになったら通勤時間を30分くらい短縮できて。
- 高速を使っての通勤だとその分かかる費用もありそうですが、時間には余裕ができますもんね。
均: 街にいれば他のところにお金がかかるように、田舎でも多少お金が必要なところはありますね。けど、その分時間を有効に使えるので、結局は何を大事にするかかなと思っています。
僕たちの場合は、それが自然が近い環境だったり、家族とのんびりできる時間だったり、都心では得られないけど寄居にはあるもの、自分たちが大切にしたいことだったり。
- 暮らしを営むうえで、どこに価値を置くかは大事ですね。
そうですね。そういう意味で、地域との関わりや自然、家族との時間を大切にしながら、自分らしく生きられる暮らしを求める人にとっては、寄居は合っていると思います。
シンプルに削っていったら今の選択に
- お二人とも、寄居町という拠点があっての働き方、暮らし方という印象ですが、寄居は拠点としてどんな点が便利ですか?
由里子: 寄居は鉄道が3本乗り入れていて、花園インターも近くアクセスがいいので、自然好きの私たちにとってはキャンプやスキーにもすぐ行けて、本当に便利です。渋滞もないので(笑)アウトドア好きの方には、おすすめですね。
均: 本当にそうだね。連休の動きもみんなと逆なので、ほとんど渋滞にあうことはないですね。(笑)
- これだけ生活が充実していると、都心に戻ることは考えないですよね。
由里子: 考えないですね。東京は便利だけど、住みたいというよりは時々遊びに行ったり、買い物に行ったりするという感じかな。
- 田舎での暮らしを考えはじめたのは、いつごろからでしょう?
由里子: 私は、自然の中で暮らしたいという想いはずっとありましたね。
となりのトトロみたいな家に住んでみたくて。(笑)
里山の風景っていいですよね。人が生活しないと維持できないからこそ、素敵というか。寄居は人が里山を大事に管理しているので、そこも魅力です。
均: 20代の時に、青年海外協力隊でサモアに住んでいた時期があって、田舎暮らしには慣れていたのと、ああいうのんびりしたところがいいなと思っていて。
人が多い都会で、高価なマンションに住むことは自分には合っていないかなと思ったので、シンプルに削っていったら今の選択になりましたね。
寄居には、「暮らし」がある
- 寄居でやってみたいことはありますか?
均: いつか、寄居で珈琲屋さんをやってみたいですね。
由里子: 私は、ゆくゆくは自分の工房を持つのが夢です。
珈琲屋さんの内装も全部自分たちでやって、家具とか置けたらなと思っていたりします。
- お二人でつくる珈琲屋さん、どんな空間になるのかとても楽しみです。
由里子: 寄居に、ハイキングのお客さんや通勤する方が利用できるような、朝早くから開いているお店があったらいいね、という話をしていて。
仕事に出かける前、山に登る前、電車に乗る前に、ほっと一息、コーヒーを一杯飲めるお店にしたいですね。
- 最後に、家族で自然のある場所に住みたいと考える方へメッセージをお願いします。
由里子: 寄居は帰ってきた時に安心感のある町です。それと、親子三代で寄居が地元とか、この土地に根付いた暮らしをされている方が多くて、都会での共働きは消費することが容易に想像できてしまうんですが、そうじゃない"暮らし"が寄居にはある気がします。
均: 僕らは出かけ族なので、休みの日はすぐどこかに出かけてしまっていて、正直寄居での暮らしをもう少し楽しみたいなという気持ちもあるのですが、行楽地が混むときは街に行けるし、街が混むときは行楽地に行けるしというふうにして、好きなところへ行けるのがいいですね。
あと、温泉が近くて群馬の温泉街にもすぐ行けるので、多いときは月に3~4回行っています。平日でも、早く帰れたときは、仕事終わりに秩父や児玉の温泉に行ったり。本当に贅沢な生活ができる場所だと思います。
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