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手を伸ばして

朝起きると、身体中が筋肉痛だ。この痛みは、自分を大切にできなかったことで受けた痛みだ。私は息を吸い、溜息をつくとともに反省する。

Spotifyの「聴漫才」を聴きながら、夕方家に帰ってきた。毎日1組ずつ30分間の漫才を聴くことができるという画期的な企画である。一昨日の配信で満を辞して金属バットの登場...!好きだ。初っ端から出囃子をディスるふたり。時間を稼ごうとネタ中に話を変えようとする小林さん。間に合わなかった感を隠さず既存の漫才を組み合わせるふたり。未完成のネタのさわり部分だけやってくれるふたり。幸せだ。まともに30分漫才をやっている人達がダサく思えるくらい(凄く面白いし、素晴らしいのだけど)格好良い、彼ららしい振る舞いだった。体感10分くらいに感じた。

そんな幸せな時間を終えて、荷物を解いて、夕飯を作って、食べて、寝た。瞼の裏の闇は深い。言葉にすべきことと、言葉にするべきではないことの区別がつかなくなってしまったこと。私は本当は、側に誰かにいて欲しいんだということ。思いやりを持った人間になりたいということ。瞼の裏は、深い闇。考える。考える...。悩みながらも、いつの間にか眠りに落ちていたみたいだ。真夜中のLINEでふと目が覚めた。

日曜日の朝。家を出る準備をしていると少しずつだけど、大丈夫になっていった。道の途中で記憶を無くしていた人が行くあてを思い出したように私は元に戻り始める。つくり変えられると言った方が正しいかもしれない。手を伸ばすべきものが、そこにあるから。

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