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ベンツの霊柩車

朝6時に起き、猫の世話をしてからコインランドリーへ向かう。この前布団を洗いに行った時みたいに自転車の荷台に乗せるための準備をしていると、そうだ、雨だから自転車が使えないんだ...と思い至り、溜まって重くなってしまった洗濯物を両手に持ち、ゆっくりと歩き出した。

運転免許は持っていないけれど、街中で車を眺めるのは好きだ。今朝も普段通る住宅街に停められているMINIの前を「かわいいなぁー...」と呟きながら歩いていたら、その家の奥様らしき人が物陰から急に現れふと目が合う。ちょっとだけ気まずくなり、軽めに会釈をして通り過ぎた。

この街はベンツやBMW、アウディ、MINIをよく見かける。やはりドイツの車はかっこいい...。(MINIは元はイギリスだけど)私が一番好きな車はミニクーパーだ。万が一免許を取ることになったら欲しい車だなぁ...。

とある葬祭センターに停められている霊柩車がベンツだったことを何となく思い出しながら帰る。洗濯が終わり、水を吸って3倍くらいの重さになった洗濯物を持ちながら歩く。傘を差しているので必然的に片方は腕に引っ掛けるような感じで持たなければいけない。血管が圧迫されるようだ。何度か道の途中で休憩する。こういう時に車があれば...。人間は車がないと生きていけないような生活をしてるんだなぁとしみじみ思った。

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