見出し画像

十二月の読書:間に合わなかったので一年のまとめ

 こんにちは。今月も無軌道な読書生活を送った結果、一冊たりともまともに読み終わらないというありさま! 仕方ないので今年を振り返る記事でお茶を濁します。

今年読んだ本

 もともとは特にテーマを設けて読書を始めたわけではないのですが、noteを始めたころから、自分の「推し」について知ろうという目的が生まれました。まずはなぜ推しに惹かれるのか、推しの魅力の正体は何か、という方向から、本人とは関係のないジャンルを回り道して読んできました。
 その結果、言語やそれ以前のコミュニケーションなど、思いもよらない分野の研究に触れることになったのは面白かったです。この辺りは推しへの興味だけではなく、舞台『カスパー』を鑑賞した影響も大きいです。

 また、時間という概念のとらえかたについて視野がひらける経験も多くありました。『時間と自己』『身体の零度』「スキンダーのヴェール」など。推しにときめく「今」という瞬間の永遠性とか、人生の一回性とか、不老不死の人間の時間感覚とか、なんかそういうことを妄想するのに役立つような気がします。

 あまりにも回り道をしたので、最近は「推し文化」そのものの分析を扱った本にも手をつけています。十月にも書いたとおり、今年は人々に推されることの多いアイドルや俳優、スポーツ選手などに関わる昔からのスキャンダルが多く露呈し、彼らの行為だけでなく、誰かを推す行為そのものやそれを促すメディアの倫理にも目を向けさせられました。

 逆に今年あまり読めなかったのは大好きな海外幻想文学系。今年出た本だけでなく以前から手元にあるのも積みに積んでます。ケリー・リンク読もうぜ。
 今年に限らずもう少し読みたかったといつも思うのは古典・名作系。和洋問わず、有名な作品もあまり読んでいないのがコンプレックスになりかけているのですが、あまり肩肘張らずに面白そうな本から読んでみようと思います。

読みたい本

 やはりまずは推しに関する本。推す側の倫理はもちろん、押される側(を売り出す側)の倫理とか、主体性の問題に関心があります。
 また、誰か(何か)を推すということはそうでない誰か(何か)がどこかで排除されたり居場所を失うことにつながる場合があるんじゃないかなとぼんやり考えています。

 時間については科学や哲学の分野にも面白い本がありそうですが、ややアプローチを変えてSFに手を出してみるのも面白そう。

 海外文学には放っておいても手を出すと思いますが、意識して探してみたいのは英米以外の国の作品。紋切り型の表現にはなりますが、色々なものの見方や想像力を養えたらと思います。先日ノーベル文学賞を受賞したヨン・フォッセの戯曲も翻訳されるといいな。

 まあ、読んでないうちにどんな計画をしても取らぬ狸の皮算用というか、結局は目の前の面白そうな本を読むだけだけどな!

読むのがめちゃくちゃ遅い件

 遅いのです。自分で月一ペースを設定しておきながら、全然読み終わらない。一日1ページ行くか行かないかみたいな日もある。
 SNSや雑誌の文章を流し読みしたり、その時読もうと思ってなかった本をめくる分には普通に読めるのですが、読みたい本を集中して読もうと思った途端に一文字ひと文字が頭に入ってこなくなる。それも時期によって調子に波がある。何なんだろうねあれ。
 まあ、来年も無理せず楽しく読んでいきたいと思います。

ともあれ、今年はお世話になりました

 noteを読んでいただけたのは大変嬉しく、励みになりました。ありがとうございます。来年も良い本に出会って楽しく語れるといいなと思います。
 それでは、良いお年を。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?