ケダモノオペラ/百年にも満たない話

 ケダモノオペラ「百年にも満たない話」(遥唯祈さん作)、スーさんをPLにお迎えして遊びました。
 登場ケダモノはミミルズクのビブリアさん、疑似餌はリヒトくん(中二)です。
 ヒトに叡智を分け与え英雄や賢者を育成し、その願いを成就させたあと晩年に魂を喰らう。そんなビブリアは、結果を求めるだけの者には意地悪に、冷淡に接します。結果ではなく手段を求め、己の範疇を超える代償を約さない弁えを持ったシルヴァを興味深く見守りつつ、その魂を大事に大事に育てていくのでした。
 やがて迎えた結末で、ビブリアはシルヴァにこう告げます。
 「報酬がまだだったな。お前には多くを与えてきた。いまこそお前のその、王の器をいただこう」
 こうして、追放王シルヴァはヒトの歴史から姿を消すのでした。

 出会ったときはリヒトよりはるかに幼かったシルヴァがいつしか老人となり、この後は、リヒトがゆっくりと年を重ねシルヴァに追いつく。ミミルズクに関わるヒトの、不思議な時の流れをスーさんがすてきに描写してくれました。

 永い時を生き、ヒトの子に力や叡智を与え、その都度裏切られてきたビブリアが、シルヴァの選択を目のあたりにして
「ああ、己の知識は時代遅れであったのだ」
と気付きその闇を払うシーンがすてきでした。

 楽しかったです。また遊びましょう。

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