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モノトーンミュージアム/不眠王

 シノノメさんGMの #モノトーンミュージアム 「不眠王」に参加しました。

 つい先日、王が身罷った「夢見の国」。その翌日には王妃が後を追うように亡くなり、王位は僅か8才のランドルフに引き継がれました。
 「次は自分かもしれない」
 後を継いだ少年王は怖くなったのでしょう。それきり眠れなくなってしまうのでした。
 困った臣下たちはあの手この手で王様を眠らせようとしますが、どうにも上手くいきません。

 さて。
 夢見の国の名門クレマチス家といえば、男子なら執事、女子ならメイドとして代々王家に仕えてきた貴族の家系です。その長女ビヨネッタ(28才、らきさん)も例外ではありません。亡くなった王妃の同い年の乳兄弟として育ち、若くしてメイド長に抜擢された彼女は、互いに老境を迎えるまで末永く、王と王妃にお仕えすることを夢見てきました。ですがそれはもう叶わぬ夢となりました。
 ランドルフ様になんとかゆっくりお休みいただくために、あれやこれやとお世話を焼いた結果、ついに陛下の不興を買い、寝室を出禁にされる始末です。
 困り果てたビヨネッタは、大臣たちや宰相、騎士団長と話し合い、国中に布令を出すことに出すことにしたのです。曰く、
「王を眠らせた者には一生困らないくらいの財宝を与えよう」

 布令の噂は瞬く間に地を駆け、近隣の国にまで響き渡ります。
 そんな噂を聞きつけたアルトマイル(20才、しろけもさん)の脳裏には、ある出来事が過ります。それはかつて見た、双子の妹が伽藍と化す悪夢の記憶です。夢に現れた少女が下した御標を打ち消すために、彼はとても大切なものを代償に差し出します。兄の記憶を失った妹は、御標に逆らった報いで異形と化した兄を恐怖し、アルトマイルは村を追われることになりました。以来各地を放浪し、少女の伽藍を探す日々を送ってきたのです。
 もしかして。かの伽藍が、夢見の国にいるのかもしれない。そう直感したアルトマイルは、夢見の国に向かいます。

 布令に惹かれたのはアルトマイルだけではありません。
 流しの吟遊詩人ストルムジカ(14才、よっぴー)は同じ布令を発見し、連れのファーレンハイト(40才、HORYIさん)に提案します。
 「夢見の国の王様が何やらお困りのようだぜ。なあおっちゃん、“一生遊んで暮らせる報酬”だってよ?ちょうど路銀も尽きてきたところだ。いっちょおいらのギータで子守歌でも歌えば、王様だって眠れるだろうよ。うまいことやって報酬をいただこうじゃないか」
 「それは構わないが、遊んで暮らせる、とまでは書いていないようだぞ?」
 「細かいことはいいじゃないか。それに困ってる人がいるんだ、おいらの時みたいに、おっちゃんの助けが必要かもしれないぜ」
 南部紛争地域出身の少年は、戦乱の煽りで親を失い国を追われ、5才上の姉ボーチェと旅を続けていました。ストルムジカが弾き、ボーチェが歌う。酒場や宿屋などで路銀を賄いながら糊口を凌ぐ毎日でしたが、立ち寄った街が伽藍に襲われたとき、ボーチェはほつれに呑まれ命を落としました。なすすべもなく、呆然と立ち尽くすストルムジカの腕を引き、命を救ったのが旅の戦人ファーレンハイトだったのです。
 たった12で故郷と身寄りを失った少年に、若き日の己の姿を見た彼は、以来、少年と共に旅を続けています。 
 「それにしてもストル、お前もう歌えるのか?」
 「……ああ、いつまでもへこんでいられないからな。きっとなんとかならあ」
 「そうか。ならばいこうか」

 こうして王宮に集まった4人は、果たして王様にゆっくりお休みいただけたのでしょうか。
 陛下はとてもかわいいし、家臣団やメイド隊など王宮のみなさんもみなとても素敵でした。PLとして楽しませてもらった、というのに加えて、人のGMってとても参考になります。シーンのつなぎ方とか戦闘管理とかえげつないエネミー特技wwとか。

 GMのシノノメさん、一緒に遊んでくれたみなさん。ありがとうございました。

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